ママは キミが、大好きだよ。
5年前 キミが ママのところに来た日のことも
昨日のことのように 覚えてるよ。
パパといつもあの急勾配の坂を
走ってママを迎えにきてくれたよね
キミは今 うなだれた頭を 必死に持ち上げようとしている。
ママが 呼ぶから 必死に 起き上がろうとするね。
ママは キミが こんなに辛い状況に
陥ってるなんて・・
気付いてあげられなくて 本当に 本当に・・ごめんね。
許してくれるかな・・
こんな状態なのに・・
ママが 帰宅すると 嬉しそうに 走ってきたね。
お帰りーお帰りーって・・
ママに 飛びついてくれたね。
キミが 次第に 走らず 出迎るようになり
キミが どんどん だるそうに 迎えるようになり
キミが ママを上目遣いで見ながら
飛びつきもせず・・迎えるようになり・・
そして
キミは キミは・・横になったまま ママを迎えた・・
その日から キミは 食事も摂らなくなったよね
焦ったママは 直ぐに 病院へ連れていけばよかったんだ。
バイトがあるからって・・一日遅らせてしまった
ごめね・・
本当に ごめね・・
キミを気遣ってあげずに・・ごめんね
キミには ママしかいないのに。
病院で名前を呼ばれ
先生の前に行くと
先生は 目を凝らし
君に触れる事もなく
言った
少し、外に出ていてもらえますか
ドキドキしながら待合室で待つ
次に呼ばれたときには
もう君は高いベッドの上に横たわり
点滴の太い針を細い腕にを刺され
包帯を巻かれていたね
上目遣いでだるそうにパパとママを見る君の
黒い瞳が潤んでいるように見えた
そんな君を見て
泣いてしまって ごめね。
ママが泣いたら キミが泣けないよね。
先生が 静かな口調で 静かに言った。
「大変 危険な状態です。できる限りはします・・」と・・
そんなの!
意味が分からない!
把握したくない!
何を言ってるの?
ママは そのとき キミにどんな顔してたのかな?
ママは そのとき キミになんと声をかけたのかな・・
ママは ママは・・キミの元気な姿しか知らないよ
パパが君の頭を ゆっくり撫でた
愛おしそうに・・
刹那的に・・
君の口角が少し上がった気がした
病院の
いっぱい並んだゲージに目をやる
心が宙を泳いだ
蛍光灯の光が 蒼白く光っていた
うつろなキミの瞳が 愛おしくて
キミにキスをした
キミは ママに お返しのチュをしてくれたね
必死に
必死に
抱っこしてと キミの目が訴えてた事を
分かってたよ・・・
キミには ママしかいないのに・・
ママ失格だね・・
ごめんね・・ごめんね・・ごめん・・・
今日 キミがいない部屋に こんなにキミの匂いが残っていることに
ママは・・キミがいないことに
不安で
苦しくて
悲しくて
辛くて・・
ごめね
今日だけ 泣かせて。
明日は 元気なママで 会いに行きます。
ママのタオル ママの匂い・・気付いてくれてるかな・・
※こんな話を読ませてごめんなさい。
つづく