僕は人に相談する、と言うことが無い。
もちろん不肖ながら家長なので、家の財政運営に関しては妻君含めお子たちと話すこともある。だが、基本的には妻君に任せる。
一つの船に舵は二ついらないし、リーダーシップを執る人間は随時変更すればいい。そうして、リーダーの決め事には従う。もちろん、明らかに間違った事柄には意見を挟むが基本おまかせである。
自分で決めて自分が引っ張る。その代わり責任は背負う。まあ、当たり前っちゃ当たり前。難しいけど。
あ、もう一つ、大事なことがあった。
門外漢の人に自分の趣味や仕事の話をやたらにしないこと。
これが分からない人間が多い。意見を求められれば表層的なことだけ答える。サラッと答える。それ以上は語らない。
もちろん相談なんてしない方が良いに決まっていて、相手は門外漢ゆえこちらの期待した意見は返ってこない方が多いからストレスが溜まるばかりだからね。
まあ、あえて異なるジャンルの考え方を賜りたい時は別だ。しかし、これは相当に素直な気持ちにならないと、僕の場合無理だけど。
今朝も、妻君を職場に車で送る際に妻君が趣味の話をしてきた。なので僕は私見を述べたわけだ。
委細は省くが(そこそこ長い話だし)それを聴いていた妻君は「全く理解できない」「だからアンタは変だと言われる」「話していると悲しい気持ちになる」と言い目的地のビルの前で車を降りて行った。
おいおいおい。
ダンスの話なんて門外漢なんだこちとら。だから同じ音楽の枝葉でバンドで例えて話をしたのだ。
もう潜み住んでいるのだ。僕の話を聴く妻君の周りに「コレじゃない、ソレじゃない」オーラが。
当たり前だろう。
僕は例え話でしか語れないのであって、君の望む答えが語れるわけないじゃないか。
かと言って、相槌ばかりだと「ねぇ、話聴いてるの」とくる。聴いてるけど答えられないんだよ。
趣味談義は好事家だけでやっていただきたいし、あえて異なる意見が聴きたいなら謙虚になるべきだ。
物事を極めるなら一人。あらゆる可能性を一人で模索して、のたうちまわれば良い。
でも。
ああ、やっぱり俺って社会不適合者だわ詰んでるわ。本来だったら絶海の孤島か深山の廬で絶死するがお似合いだろうな。
やれん。