2022(15)2022/1/22観:WOWOW放送
『みをつくし料理帖』 2020年 日本映画 131分
原作/高田郁
監督・脚本・製作/角川春樹
脚本/江良至×松井香奈
音楽/松任谷正隆
主題歌/手嶌葵「散りてなお」
料理監修/服部幸應
撮影/北信康
編集/太田義則
美術/清水剛
衣装/大塚満
ヘアメイク/石部順子
結髪/荒井孝治×丹羽峯子
【キャスト】(ドラマ版と並記)
澪(つる屋の料理人)/松本穂香×黒木華
野江(あさひ太夫)/奈緒×成海璃子
芳(ご寮さん、澪の育ての親)/若村麻由美×安田成美
おりょう(長屋の主婦)/浅野温子×麻生祐未
小松原(幕府御前奉行 小野寺数馬)/窪塚洋介×森山未來
永田源斉(医師)/小関裕太×永山絢斗
清右衛門(戯作者)/藤井隆×木村祐一
駒沢(数馬の上司)/榎木孝明
采女宗馬(料亭・登龍楼の主人)/鹿賀丈史×松尾スズキ
種市(つる屋の主人、澪の雇用者)/石坂浩二×小日向文世
又次(吉原の料理人)/中村獅童×萩原聖人
水原東西(上方の易者)/反町隆史
廓の男/松山ケンイチ
特別出演/薬師丸ひろ子×渡辺典子
【あらすじ】享和2年(1802年)の大坂。共に8歳の澪と野江は大の仲良しだった。高名な易者・東西は2人を見て、野江を「旭日昇天(天下取りの相)」、澪を「雲外蒼天(苦難の果てに将来を掴む)」と予言する。2人は大坂を襲った大洪水により離れ離れになってしまう。10年後、澪は江戸・神田の蕎麦処つる家で料理人として働いていた。澪は町医者 源斉から「食は人の天なり」の助言を得、しばしば通う侍 小松原から味の批評を受け、江戸の味に合わせた料理を作るようになり評判を呼ぶ。そして江戸料理番付に名が乗るまでに成るが、その為 料亭・登龍楼の宗馬から目を付けられ様々な妨害を受ける。一方、野江は江戸吉原に売られて育ち幻の花魁「あさひ太夫」と呼ばれるまでに成っていた。やがて2人は互いが江戸にいることを知るが・・・・・・。
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原作小説「みをつくし料理帖シリーズ」全11巻(特別編含む)を読んで
シアター鑑賞予定でしたが、結局 映画館へは行かず今頃やっとの観賞。
元々NHKドラマを観て心惹かれ小説も一気読みしたのでした。
予想した通り、映画版は澪と野江の物語に的を絞った構成で良かったです。
シリーズ物ゆえ良きサイドストーリーや登場人物がいるのですが
2時間くらいにまとめる為にはカットするのは仕方のないこと。
それでも澪と小松原の恋模様は描かれました。これはヒロインの心の軸だから。
なのに、将来 澪の夫となる源斉医師の恋はバッサリで少し憐れを感じました。
映画をシリーズ化する予定ではないってことなのでしょう。
悪くないまとまりだったけれどシリーズ化する程の映画には感じられなかったし。
表面はおっとり見えながら芯の強い「雲外蒼天」の女性というイメージは
ドラマ版の黒木華さんの印象が強く、彼女の澪を観て作品を好きになった所為か
映画の澪さんはあまり響かなかったのが本音です。
松本穂香さんも良い雰囲気だけど少し演技が固く思えました。
小松原様の飄々としたイメージの森山未來さんも然り。
他のキャストは特に比較検討するまでの差を感じませんでしたが
浅野温子さんだけは悪いけど合わなかった気がしました。
時にはおとぼけながら肝心な所では澪や芳をがっちり支えるおりょうさんが
単にうるさく常にボケキャラに見えてしまった。
役者の所為でなく演出の問題ではないかと思います。
だがしかし、原作の持つホッコリ癒される雰囲気は損なっておらず
やたらサスペンスやホラーに走る私にとっては良い安らぎ映画でした。
「食は人の天なり」のテーマを踏まえた体に良いご飯登場も目の保養♪
原作にはいちいち料理の説明があって、丁寧な献立も感動の一助。
読んでる間中うちにも澪ちゃんが欲しい!と心が叫んだものでした。
(自分で作れよ!爆!)