2021(16)1/30観:WOWOW放送
『We have always lived in the castle ─ 私たちはいつも城に住んでいる』
2019年 アメリカ映画 96分
監督/ステイシー・パッソン
原作/シャーリイ・ジャクスン
脚本/マーク・クルーガー
製作総指揮/マイケル・ダグラス×ローレンス・ジャクソン・ハイマン×キーラン・コリガン
製作/ロバート・ミタス
音楽/アンドリュー・ヒューイット
撮影/ピアーズ・マクグレイル
編集/ライアン・デンマーク
【キャスト】
メリキャット(妹)/タイッサ・ファーミガ
コンスタンス(姉)/アレクサンドラ・ダダリオ
ジュリアン(姉妹の伯父)/クリスピン・グローヴァー
チャールズ(姉妹の従兄弟)/セバスチャン・スタン
姉妹の父/スティーブン・ホーガン
姉妹の母/マリア・ドイル・ケネディ
ステラ(コーヒーショップの店主)/ジョナンア・クロウフォード
ジム(村の消防士)/イアン・トナー
ボビー(同上)/ピーター・クーナン
クラーク夫妻(一家に同情的)/ポーラ・マルコムソン×ピーター・オメーラ
【あらすじ】地方にある大きな屋敷。18歳のメリキャットは、6年前、ヒ素を盛って両親殺害容疑のかかった姉コンスタンスと、事件以来 車椅子生活の伯父ジュリアンと暮らす。同じ村の住民たちから一家は忌み嫌われており、メリキャットは魔法を信じることで現実逃避をしがちだった。ある日、姉妹の従兄弟チャールズが会いに来て、しばらく屋敷に滞在することに。コンスタンスは彼と親しくなっていくが、明らかに財産目当ての彼をメリキャットは疎ましく思う。屋敷から出て行くよう頼んでも彼は居座り、やがて家長の様に振舞い始め・・・。
昨年やっと原作を読んだ小説の映画化作品です。
原作を好きになったので、映画化には一抹の不安がありました。
BGMが何だか『サイコ』(1960年)を思い起こさせました。
でも目を覆うようなシーン皆無で恐くありません♪
先ずは肝心のヒロイン・メリキャット。
小説では彼女の一人称でストーリー展開する為、
彼女の異常さが展開と共に分かってくるゾクゾク感がありました。
でも、映像はいきなり本人(役)が登場するので異様さが一目瞭然。
(冒頭ではまだそれほどでもありません)
タイッサ・ファーミガは『記憶探偵と鍵のかかった少女』しか知りません。
その際思った通り、サイコでホラーでルックスがピッタリです♪(褒めてます!)
小説では見えない周囲の様子も画面には同時に登場するので
より分かり易く、シーンを把握し易かったという利点もありました。
何より、小説では存在の影が薄く感じられたお姉ちゃんが恐かった!
終始 作り笑いを浮かべて優しい話し方をするけれど何処か異様。
姉役の女優のルックスも雰囲気作りに良かった。
ジュリアン伯父さんが原作より若々しい雰囲気で「ふむ?」だったけど
壊れ具合の醸し出し方が実に良かったです。
ディナーの席で必ず殺人事件の話をリピートする様子が何とも♪
特にメリキャットと掛け合いで異常さを繰り出すシーンは見事。
なので、悪いヤツであるチャールズがとっても普通の人にしか見えない(笑)。
一家の財産目当てに乗り込んだのに、変な一家に振り回されて。
それでも、最悪の結果に至ったのは自業自得でした(きっぱり!)。
その辺は原作から大きくアレンジした部分なので「おお!」となりました。
映画ではそれくらい過激にしないと恐さが伝わらないからかな?
原作の雰囲気とは異なってはいましたが、壊してはいません。
ヒッチコック映画がお好きな方には好まれるのではないかと。
60年代の雰囲気と古い屋敷や調度などセットも見どころで
上質なサスペンス風に仕上がっておりお薦めです♪