大河・世界史(18)ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮(2012) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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En kongelig affære ─ 王室の情事

2012年  デンマーク×スウェーデン×チェコ合作  137分
監督・脚本/ニコライ・アーセル
脚本/ラスマス・ヘイスターバング
原作/ボーディル・スティンセン=レト
製作/ミタ・ルイーズ・フォルデイガー 他
製作総指揮/ピーター・ガーデン×ラース・フォン・トリアー 他
音楽/ガブリエル・ヤレド×シリル・オフォール
撮影/ラスムス・ヴィデベック
編集/ミケル・E・G・ニールセン×スパー・レイク
プロダクション・デザイン/ニルス・サイアー
衣装/マノン・ラスミュッセン
【キャスト】
ストルーエンセ(デンマーク王のドイツ人侍医)/マッツ・ミケルセン
カロリーネ(英国王家出身のデンマーク王妃)/アリシア・ヴィキャンデル
クリスチャン(デンマーク国王)/ミケル・ボー・フォルスゴー
ユリアーネ王太后(先代王の継室)/トリーヌ・ディルホム
オーベ・ヘー=グルベア(政治家、ストルーエンセと対立)/デヴィッド・デンシック
ランツァウ(ストルーエンセを利用する貴族)/トーマス・ガブリエルソン
ブラント(ストルーエンセの側近)/サイロン・ビョルン・メルヴィル
ベルンストルフ(枢密院議長)/ベント・マイディング
オーガスタ(英王太子妃、カロリーネの母)/ハリエット・ウォルター
ルイーセ(デンマーク王家の女官、後にカロリーネの親友)/ローラ・ブロ

絶対王政末期の18世紀後半、野心家のドイツ人ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセは、精神を病んだデンマーク国王クリスチャン7世の侍医に就く。王の唯一の理解者であり親友となる一方、ストルーエンセは孤独な王妃カロリーネ・マティルデの心も虜にし、禁断の恋に落ちていく。やがて啓蒙思想を信奉するストルーエンセは、国王の言動を操り、事実上の摂政として数々の改革に乗り出していくが、不満を募らせた保守派貴族たちは密かに政変を起こそうと画策する。欲望渦巻く宮廷の権力争いの行方、そして侍医と王妃の許されざる愛の結末とは・・・(MW.参照)。

錦織圭はマッケンローになれなかった・・・。負けるのはプロスポーツでは当たり前の事だけど、問題は負け方って専門家でもないのに何度も言ってるアホです(;^_^A 
でも、次もガンバレ!Kei!テニスキラキラ

それはさておき、前回の『女王フアナ』から半年以上ぶりの「大河・世界史シリーズ」更新でございます。全く知らない物語であり、マッツ・ミケルセンが恋愛ドラマの主演?(こら!)と興味を引かれネット観。歴史物は結末を知らない方がホントに楽しめますが、大体予想がつくラストでありました。

ヒロインであるデンマーク王妃はイングランド人なので、本名(英語表記)はキャロライン・マティルダ・オブ・ウェールズ(英国王位継承者の娘だけど、誕生前に父は王太子のまま死去)。15歳で17歳のデンマーク王クリスチャン7世と結婚するも、夫は統合失調症(だと思われる病気)で結婚生活は不幸だったようです。で、王の侍医となった14歳年上のストルーエンセと不倫関係となります(長男=皇太子は王の子だけど、次に生まれた王女は愛人の子らしい)。

有名なフランス王妃のパターンと似てますね(年齢も近くキャロラインの方が4歳年上)。違っていたのは、キャロラインの愛人医師は啓蒙活動家で野心家だったこと。映画の二人は心から愛し合っていましたが、本物のおっさんには若い王妃を利用した臭いがプンプンです。

史実はともかく、劇中の孤独な王妃が、朴訥な(カッコイイ)中年医師に惹かれていく様子がロマンティック。マッツの風貌が役柄に良い風味を加えてます。正統性二枚目だったら嫌味に映る所でしょう。若い王妃役のアリシアは充分可愛らしいのですが、何だか広瀬アリスに似てるな~と。だがしかし、医者なんだから避妊には気を付けなきゃ(妊娠させるのも目的だったのか?)と、思ったりもしました。

そして、あくまで恋する二人が主役なので彼等の目線で描かれ、啓蒙思想をデンマークに普及させましょう!良い国作ろう!と頑張る。が、旧態依然とする王族、貴族社会に容認される筈がないというお話でした。妻を奪われた格好の王ですが、売春宿に通ったりするタイプでしたし、後世に「後悔している」意志を書き残しているので、案外 描かれてる内容も外れてないのかな?心身共に健康な王だったら、起こらなかった悲劇とも思えました。

ロマンティックなマッツ・ミケルセンが見られるという、割とお得感の有る映画でした。マッツはともかく、歴史に興味のある方なら充分面白いと思います。