白い肌の異常な夜(1971) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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風森湛(かざもり しずか)と申します。
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空いてる時間に記事を書き溜め
UPしている状態です。
リコメ等 遅れがちですが
気長にお付き合いください。

※古い映画ですのでネタバレも含みます。

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The Beguiled ─ 欺く者

1971年  アメリカ映画  105分
監督・製作/ドン・シーゲル
(『ボディ・スナッチャー(1956)』『ダーティハリー(1971)』
脚本/ジョン・B・シェリー×グライムス・グライス
原作/トーマス・カリナン
撮影/ブルース・サーティーズ
編集/カール・パインジター
音楽/ラロ・シフリン
【キャスト】
ジョン・マクバニー(北軍の伍長)/クリント・イーストウッド
マーサ・ファンスワース(校長)/ジェラルディン・ペイジ
エドウィナ(教師)/エリザベス・ハートマン
ドリス(教師)/ダーリーン・カー
ハリー(黒人奴隷)/メエ・マーサー
キャロル(小悪魔的な生徒)/ジョー・アン・ハリス
エミー(亀を飼っている生徒)/パメリン・ファーディン
アビゲイル(生徒)/メロディ・トーマス
リジー(生徒)/ペギー・ドライヤー
ジェニー(生徒)/パッツィー・マティック
マイルズ・ファンスワース(マーサ校長の兄。故人)/パトリック・カリトン
南軍将校/チャーリー・ブリッグス
南軍将校/チャールズ・マーティン
兵士/マット・クラーク
兵士/バディ・ヴァン・ホーン

南北戦争末期の南部、深い森の中に建つファンスワース女子学院。中年の校長ミス・マーサと二人の女教師、数人の少女達(10代後半から10歳前後)、ファンスワース家の女中ハリーと女ばかりで暮していた。一番幼いエミーが森でキノコ採りをしていると、血だらけの兵士と出会う。北軍のマクバニー伍長だった。マーサ校長の指示で彼は学院に匿われ介護を受ける。松葉杖で動ける様になった彼は女達が自分に惹かれている事に気付き、其々に甘い言葉を囁く。一人の男を巡って女達は次第に理性を失う。マクバニーは大人びた媚態を見せるキャロルの誘惑に乗る。その現場を目撃したエドウィナは、追って来た彼を嫉妬の怒りで階段から突き落とす。彼は再び脚を傷めてしまい、マーサは「彼の命を救う為だ」とその脚を切断する。目覚めたマクバニーは怒り狂い、校長の秘密をばらしてやると脅し、幼いエミーの亀を壁に投げつけて殺すなど乱暴を働く。そんな彼を鎮めたのは、彼に真実の愛を捧げるエドウィナだけだった。冷静さを取り戻したマクバニーは、彼の為にと仲直りの食事会を開いた校長や生徒を前に謝罪し、エドウィナと結婚して学院を出ると話す。そして彼は、校長の指示でエミーが採ってきたキノコの料理を美味しそうに頬張る。やがて彼は倒れ・・・・・・。

何だかポルノ映画の様な邦題で、公開当時 原題通り騙された(特に男性)方もいらしたのでは?なんですが、本作はなかなかレベルの高いサスペンス映画です。
TVで初めて観た時ゾゾゾゾゾ~っっっっっ!とした事が忘れられません。
近年の映画で「男性諸氏~元気ないぞ~♪(爆!)」的な作品が多い様に感じていましたが(男性主役のおもろい映画を観てないだけですね~、はい!)、既に40年前から男性は女性を恐れてた事をリアルに物語っています。それくらい恐い女達のお話。

男もそうだと思いますが、女は幼稚園児だろうが100歳のお婆ちゃんだろうが女です。
女の園に男が紛れ込んだら さあ!大変!です。それがカールおじさん風男性なら穏やかなままかも知れませんが(こら!)、40歳前後のクリント・イーストウッドですから、そりゃあ皆ウキウキしちゃいますよねラブラブ!。無理もない。

皆で男性を獲り合うってだけならお軽いコメディになりそうですが、19世紀のミステリー文学の様に秘密を持った人物が校長で、展開におどろどろしい雰囲気が溢れます。
ブロンテ姉妹やらバイロンやらに毒されると(鍛えられたと言いなはれ!)、こういうミステリーが好物になっちゃうのかも知れません(こらこら!)。
校長の秘密とは、実兄(故人)との禁じられた関係でした。

とりあえずハーレム状態を楽しむチャラ男も、少女やおばちゃんとも遊んでもいいけれど、伴侶にと考えるなら年齢的に釣り合い清楚で知的な美人教師エドウィナが一番ターゲットな訳です。それにジェラシーの悪魔っ子少女キャロルは、何と南軍兵に彼を引き渡そうとさえする。「あたしの物にならないなら死んで!」とでも言うのか。

でも登場する女達全員、結局は「自分の物にならないなら死んで!」タイプなんです。
清楚なエドウィナだって彼を階段から突き落とすし、からかわれたと感じた校長は彼の脚を切断するし、チビッ子のエミーまで指示とは言え理解して○キノコを。
どなたも容易に想像なさる通りの結末で哀れマクバニーは・・・。

確かに彼は不実な面が有ったし、調子に乗って女達を弄びました。
果たして彼に下った罰は相当なものか?ちょっと酷い!と思われるか?
まだまだ足りないっ!
・・・と感じられるのか?それによって貴女の「白い肌度」は決まります♪
(だから「白い肌」は内容にあんまりマッチしてないんだっつの!)


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ちなみに黒人奴隷のハリーにまでモーションかけるチャラ男、かなりバカです(笑)。
だけどハリーが一番冷静でチャラい言葉に乗らないし(当時の白人と黒人の垣根をわきまえている)、要所要所で主人である校長に鋭い一言を発する冷徹さも。或いは、こういう人が一番怖い女なのかも知れませんね?



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一番心惹かれた彼女だけに誠実であったら、或いは二人は幸せになれたかも?
(他の恐い女達がおとなしく祝福してくれるとは思い難いんだけどね~。恐っ!)