シャネル最後のクロコダイルレザー・・ | カリスマ大野貴博ディレクターブログ
2023-12-05 01:00:00

シャネル最後のクロコダイルレザー・・

テーマ:QVCジャパン

 

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2023年も残すところ少しとなった。日本のテレビ通販から火が付いきクロコダイルブームが永遠に続くと思っていた業界人の期待を裏切ったのが10年前から7年前。この期間、世界のクロコダイルレザーへの扱い方が両極端になった。エルメスはフランスのタンナーを子会社にしその後、オーストラリアの養殖場を配下に入れた。しかし、2015年動物愛護団体PETAがエルメスの養殖場での解体シーンを動画、YOUTUBEで発信、数々のメディアが取り上げ、取りやめるよう抗議され続け、2023年パリコレでもショーの中にPETAの人が紛れ込み、抗議のプラカードを持ってランウェイを歩くなどの問題になり続いている。ルイヴィトン率いるLVMHは世界最大クロコダイル商社ヘンロン社を買収し十数年後、LVMHに属する各ブランドが2019年頃からクロコダイル商品を店頭展開し始めたが、こちらも2020年動物愛護団体から取り扱いをやめるよう抗議されている。エシカル、倫理的なことだが、僕は決してPETAに同意することはないが、毛皮しかりPETAが動き始めると、セレブや富裕層もPETAの考えに同調するようになる。

 

丁度その頃、僕の作品がイタリアVOGUEの表紙を飾った頃だった。その時から雑誌編集長からは大野の作品はとても素晴らしい、イタリアから発信することを応援したいと何年もの間、協力を続けていただいた。しかし、エルメス、ルイヴィトン等のPETAの動きにも注意し始めた。雑誌にクロコダイル商品が紹介されるだけでも出版社が抗議されることもある。SNSでも同じ。そして、2018年シャネルがクロコダイル、エキゾチックレザーの取り扱い禁止を宣言した。シャネルにクロコダイルレザーを供給していたケリングになる前の元フランスクロコのオーナーらは、本当に贅沢にレザー開発をし続けていた。何種類もの仕上げにカラー展開。そんなスペシャルなクロコダイルレザーの中にシャネル用に開発されたクロコダイルレザーがあり、その仕上りの美しさと美術的な感性はほれぼれする程、熱心に見ていると大野なら特別に数枚ならと僕自身でセレクトさせてくれた。既にシャネルが仕入れしなくなることも決定していたのもあったが、グッチ率いるケリングには展開させなかった裏話がある。

 

フランスのブランドであってもクロコダイル製品はイタリアで作られていた。レザー製品の製造はイタリアが多い。そのために、ミラノのプラダ財団近くにフランスクロコ社の倉庫があったのだが、コロナ禍、突然クローズした。イタリアではケリンググループのエキゾチックレザーはカラベルが統括することとなった。実はコロナ禍、ヨーロッパではクロコダイルレザーの売れ行きが悪化した。クロコに限らずレザー全般、ヨーロッパではコロナの影響で家から出ることも出来ず、工場もストップしていたことが一番の原因。でも、僕は長年付き合った彼らの少しでも役に立ちたいと、製造、販売予定もないのに仕入れすることを決定した。ビデオ会議でクロコダイルレザーを1枚1枚見せていただきながらカラーのセレクトをした。もちろん、グレーディングまでは出来ないが、彼らはグローバルスタンダードの企業、全てのワニ革にサイテスタグとグレーディングシールが貼られている。グレード、カラー、仕上げが明記されバーコード管理されているシールだ。

 

不思議なことに日本にはどういう訳なない。どちらかと言うと問屋が相手先を見てグレーディングを行っている。問屋の言うことを聞けと言わんばかりな印象を受ける。忖度ありきのグレーディングかと思うくらいで、グローバルなビジネスが出来ない上にグレーな部分も多い。そもそも、クロコダイルを扱うブランドがなかったこともあり、日本ではそのような成長は無かったと言うのが正しいのかもしれないが・・とにかく、ヨーロッパのレザーメーカーらとは長いお付き合いの中で出来た信頼と実績がある。いくら景気が悪化したコロナ禍であっても僕を騙すような人はいない。だから、素晴らしいクロコダイルレザーを数百枚仕入れした。当初はネットでクロコダイルレザーを買ったようなイメージだった。コロナじゃなければ、すぐイタリアへ行くのだがが、フェラーリが何台買えたかと(笑)良い経験をした気がする。

 

実はその際、色々なことをアドバイスしてくれた彼らがケリング本社へゴールドをPRしてくれた。そんな彼らがいたからQVCで最後の素晴らしい本物のマットクロコ作品が紹介出来た。丁度、昨年の12月が放映だったかと・・僕の作品には真実のストーリーがある。このストーリーを知れば、よりゴールド作品のことが好きになってくれることだろう。そして、どれ程までの価値あるクロコダイルレザー、Aグレードだけを扱っている意味を知れば、持つことに価値があることが分かっていただけることでしょう。

 

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QVCクロコダイル商品販売禁止に関して:全世界のQRG グループのブランド各社(QVC, HSN, Zulily, Ballard Designs, Frontgate, Garnet Hill, and Grandin Road)が掲げる Global 経営環境を鑑み、環境への責任、サステイナブルな社会の実現に向けた取組の一環として、本ステートメントを定められています。「本ステートメントにて、“絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する 条約”(所謂ワシントン条約)の規制対象種(例:ワニ目、メキシコパイソン科等)が含まました。従ってQVCでクロコダイル作品の販売を今後廃止しますことになりましたこと、ご報告させていただきます。詳細は下のバナーをクリック下さい。

 

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