「取り出し授業」 | 作文・読解力など国語力向上 学習塾ラーニング・ラボ横浜天王町教室のスタッフブログ!

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作文・小論文・読解力など国語力UPのための塾。横浜市保土ヶ谷区にある学習塾ラーニング・ラボのスタッフブログです。教室での出来事、教育ニュース・新聞記事・書籍についてのコメント、当塾オリジナルの「基礎講座」で作成した生徒の作品なども発表します。



先日、知り合いのママさんとお話をしている際に、相談というわけではありませんが、世間話の流れでこんなお話を聞きました。

お子さんが学校の先生に、学習面で少々気になる部分があるから「取り出し」の授業をやった方が良いのではないかと提案されたのだそうです。

大変心配になって、家庭教師とか個別指導の塾などにお願いした方が良いのかとご主人ともお話をされたようですが、どうしたものかと不安に思われていたようです。


ただ、よくよくお話を聞いてみると、学習面で何か重大な問題があるというわけではなく、また、遅れが出ているのかというとそういうわけでもないということらしい。

また友人関係や生活面などで何か問題があるのかと言えば、そうでもないらしい。



(え?じゃあなんで「取り出し」授業するの?)


どうやら少々集中力に欠ける部分があるようで、授業中に次の作業に移る際に少々スタートが遅れるとか、「心ここにあらず」的な瞬間が多々あるようらしいのです。


んー。


(それだけで「取り出し」授業やるのか?)


もちろん、注意力欠如とか集中力欠如などは問題といえば問題です。

ただ、「○○さん、次これねー」と一声かければ済んでいることであれば、わざわざ「取り出し」までする必要があるのでしょうか?

最終的には場の空気とか流れを感じ取って自ら行動を取れるようにならなければ社会生活上支障が出て来る場面の多々あるでしょう。

それであれば、逆に「取り出し」て個で何か指導をするよりも、集団の中でそうした空気を肌で感じさせる体験があった方が良いと思うのですが。


先生としては、そうした行動が続き学習面で他の子たちに遅れを取ることを心配しているということらしいのですが、やっぱり私の中ではずっと「?」が飛んでいます。


なので、私はそのママさんに、少々学年配当の学習事項の習得が遅れるくらいは気にしないで、何が一番大事なことか、何を大切にして学習を進めるのかという芯の部分をブラさずに持つことが大事なのでは!?とお話しました。

もちろん学年が学習が遅れれば、次学年で苦労するとか、いずれ入試などが控えていれば、それまでにここまでは終わっていないと、などなど学習に期限が切られることが多いのも事実。

でも、そうしたものへの対応はその時が来れば、気持ちが入っていれば、いくらでも取り戻せます。


それよりも、今ちょっと気になるからといって殊更に特別視して、「取り出し」などをしてしまうことの弊害の方が気になります。

授業中に一人だけ別の場所で勉強していたら、当然クラスメートは「なに?」と気になります。

そうした周りの空気は当人にも当然伝わり何となく気まずい雰囲気ができてしまうかもしれません。

もちろん本人がみんなとの授業ではなく、一人で学習をすることを望んでいる、あるいは、何か別に問題があって「取り出し」た方が当人にとっても周囲にとっても良いという場合は別です。



こんなこと言うと塾の講師としてどうなの!?と言われてしまうかもしれませんが、
学習において、短期的な成果やテストの点数などに過度にしばられてはいないでしょうか。

それらが大事なことは十二分に分かっているつもりです。

でも、それを追うがあまり、例えば深夜まで机に向かったり早朝からドリルをやったり、それが原因で健康を害したとしたら・・・
それって本末転倒のように思うのですが、いかがでしょう。

また、成績やテストの点数を追うばかりで、きちんと学習の積み重ねが出来ていなかったとしたら、何となく成績やテストの点数はとってきたけど、そして、それなりの学校に進学したけど、でも、実力が伴っていないなんてのはある意味で悲劇です。

だからもう少し、特に小学生とか中学生の段階では、コアの部分、ここは絶対はずさないようにという部分を保護者も児童、生徒も認識して学習を進めていければ良いのにと思わずにはいられません。

その方がきっと得るものが多いはずです。


単に、周囲の人や、テストの合計点にだけ目を配るのではなく、何を大事にし、どんなことができるようになったのか、以前よりどんな成長をしているのか、これからどんなことに挑戦していくのか、そんなことが教科の学習を通じても、定期テストを通じても考えられるようになれば、少々の「遅れ」なんて誤差みたいなものではないでしょうか。


もちろん、これはそれぞれのご家庭や個人の価値観とでもいうべきものですから、ここに記したことはあくまでも私個人の見解です。


ですが、教育というものに向き合い、色んな方と共に学んできた人間の考えではあります。



あなたはどうお感じになられましたか?