昔々、僕はおにぎりをもって歩いていると、柿の種を持ったサルさんとばったり会いました。すると、
「このカキの種をまけば、毎年おいしいカキの実がなるよ。どうだい、おにぎりと交換してあげようか。」
と勧めてきました。これはすごい!僕はサルさんにお礼をいい、おにぎりとカキの種を交換しました。
家に帰って僕はさっそく種をまき、せっせと水をやりながら、
♪早く芽出せ、カキの種
♪早く芽出せ、カキの種
♪出せねばはさみでほじくるど
と歌をうたいました。すると芽が出てきました。
♪早く実になれ、カキの種
♪早く実になれ、カキの種
♪ならねばハサミでちょん切るぞー
しまいには、木ができ、カキがたくさん連なっていました。
「よし、これでカキが食べられるぞ。」
とうれしくなりました。そして、カキの実を取りにいこうとしましたが、僕は木に登れないのです。
「どうしよう。」
と、思いきや、サルさんは赤いカキの実を食べ始めたではありませんか。
僕は怒って、
「ずるいよ、サルさん。わたしにもカキを下さい。」
と叫びました。それなのにサルさんは、
「うるさい、これでもくらえ!」
とまだ青くて固いカキの実を僕になげつけ、カキの実が見事に僕のはさみに命中しました。
いったーい!
僕のはさみはポッキリ割れました。
「いたい、いたい、サルさんずるい。」
悔しさと痛みで僕は泣きながら家に帰りました。そして心配してお見舞いに来てくれた友達の臼とハチとクリにいままでの出来事を話しました。臼たちはカンカン。
臼とハチとクリに別れを告げ、しばらくするとー。
〝コンコン〟と戸をたたく音が聞こえました。
〝誰かな?〟と思い、戸を開けるとサルさんが立っていました。そして、
「カニさん、ゴメンネ。」
と目に涙をためてあやまりました。
よく見ると、サルさんのおしりは赤くはれ、所々にコブができていました。なんと臼とクリとハチはサルさんに腹を立て、サルさんをこらしめてくれたのです。
それから、僕、サルさん、臼、クリ、ハチは仲良しになりました。
おしまい
【動画ver.】
◆横浜の個別指導・グループ指導学習塾・作文教室 学習塾ラーニング・ラボ横浜天王町教室Webサイトへ









