例えば次のような問題を解く時に、ノートにどんな風に書きますか?
(テキストやプリントに書き込むというのはナシです!)
【問題】
次の日本語に合うように空欄に適当な語を入れなさい。
1.彼は5年前アメリカに住んでいました。
He ( ) in America five years ( ).
2.私は昨日英語を勉強しました。
I ( ) English ( ).
概ね中学2年生で学習する動詞の過去形の問題です。
問題の内容自体はあまり関係ないので、まだ過去形を学習していない人も心配せずに読み進めて下さい。
すでに過去形の学習が終わってしまっている人も内容に気を取られずノートの書き方を見直してみて下さい。
さて、上の問題をノートを使って学習する際、みなさんはどのようにノートに書きますか?
例えばこんな形ですか?
【A】

英語の文法問題、または英語に限らずいわゆる空欄補充問題のノートではよく見る形ですね。
こんな風にノートを書くという人も多いのではないでしょうか?
では、こんな風に書く人はいるでしょうか?
【B】

これは、【A】とは違って、英文一文を記入していますね。
さらに空欄補充問題の答えをなる単語には下線を引いて強調しています。
さきほどの答えの単語のみを書いているだけよりも、英文一文を最初から最後まで書いている分、単に空所補充問題を解いたというだけではない学習ができていますね。
「ただ問題を写しただけじゃん」
「写すの面倒だから写さないだけだし」
という声が聞こえて来そうですが、「ただ写しただけ」でも意味はあるんですね。
もちろん単語だけを書くのも意味はありますが、英文一文を書くことで、単語という断片的な知識が一文の中で活用されている状況を見ることができるのですね。
ではでは、こんな風に書く人はいますか?
【C】

これは【B】のタイプに問題の日本語も書いているというパターンですね。
「問題文まで写すのは余計に面倒」
「わざわざ問題文を写して意味あるの?」
という声が聞こえて来そうですが、問題文(日本語)と答えを含む一文(英語)が一緒に書いてあることで、意味を照らし合わせて理解することができます。
というわけで意味があるんですね。
特に、日本語と英語では文の主要な要素(主語・動詞・目的語など)の語順が違いますので、その点を意識できるように書いてみるとより、両者の違いがはっきりして文法の学習としては効果的なものになるでしょう。
さぁ、では最後にこんなタイプはどうでしょう?
【D】

これは【C】のパターンの変化形ですね。
【C】では、日本語と英語はタテに並んでいましたが、【D】では、ヨコ(日本語が左、英語が右)に並んでいます。
このようにして空欄補充問題をノートに書いているのを見たことはほとんどありませんが、これもやはり利点の大きいノートの書き方です。
このように日本語と英語が区分けされていれば、例えば日本語が書いてある部分を隠せば、英文和訳をすることが出来るし、英語部分を隠せば、日本語英訳(英作文)をすることが出来る。
しかも、答えは隠した部分ですぐに確認できます。
単なる空所補充の文法問題がノートの書き方一つで、別のテーマの学習ができるようになるわけです。
授業中などのわずかな時間で文法問題を解答することが目的の場合は、【A】にように書けるだけでも十分かもしれません。
ただし、自分で(家庭学習で)復習する(もう一度同じ問題をやる)場合には、【B】や【C】さらには【D】のようにノートが作れるようになると一つの作業でいくつかの学習を進めることにつながります。
そうなんです。
要は、何を目的としてノートを書くのか、これを考えてより良い書き方をするのが大切となります。
今回のようにお話してくると、賢い人は、
「どうせ【D】が一番良いから、【D】のように書くようにしなさい!って言うんでしょ!?」
と言うかもしれませんが、それは大間違い。
目的によってより良い方法を考えることがなければ、どんな方法、形も「自分にとって」それほど意味のあるものにはならないでしょう。
「良い方法」「おすすめの方法」を見聞きしたら、一度自分自身でも考えてみましょう。
「何でこの方法が良いのか?」
「自分にとって、自分の学習にとって、この方法はどんな意味があるのか?」
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