みなさん、こちらの本を読んだことはありますか?

 

おおたとしまささんの勇者たちの中学受験~わが子が本気になったとき、私の目が覚めたとき

 
 

中学受験最後の3週間、そして人生で最も長い1週間といわれる入試本番期間中の、 親子の濃密な心情を克明に描いた衝撃作です。

親子3組の実話をもとにしたノンフィクション物語であり、真剣勝負のルポルタージュでもあります。

 

夫に勧められて読みました。

読んだ感想は、まるでドラマを見ているようでした。

「いつも本を勧めても、あんまり読まないのに、珍しいね。」

と、夫にも驚かれるくらい、お話に引き込まれて一気に読み終えてしまいましたニコニコ


あらすじ 

【エピソード1:アユタ】

開成、麻布、武蔵といったトップオブトップの御三家レベルは難しいとしても、栄光、聖光、浅野といった神奈川御三家あたりに行ければいいなあ、と父親は思っていた

 

【エピソード2:ハヤト】

塾で三冠に最も近い男の話。三冠とは男子最難関である灘、開成、筑駒の全てに合格することを意味する

幼少期から異才を放ち、三冠に最も近い次男と、その長男、父親と母親のお話

 

【エピソード3:コズエ】

勉強をさぼっているわけではなかったが、やっぱり中学受験の偏差値50は難しいんだなと実感した、家族の話

 

この本のいいところは、塾や学校名が実名であるところです。私も夫も中学受験の経験がないので、大変参考になりました。

中学受験塾について、無知につけこみ不安を煽って、冷静さを失ったところでその場しのぎの解決策を与えるカルト、

最難関合格称号を得るためのトロフィー受験は中学受験の恥部、とばっさり切り捨てたり、

中小塾を選ぶ時のポイントが列挙されていたり。

なかなか小説や漫画では書けないことも書かれていて、とても参考になります。

 

どうしても高校受験からしか経験していないと、偏差値50は普通と捉えてしまいがちですが、全国の8割が受験する高校受験の偏差値50と、ごく一部の学力上位層が受験する中学受験の偏差値50は難易度がまるで違うということ、

上位層が集まるサピックスの偏差値50と四谷大塚の偏差値50も違うということなど、

中学受験経験者には当たり前のことかもしれませんが、未経験者には参考になることがたくさん書いてあります。

 

特に印象に残ったこと

 

・評価は相対的で無意味

エピソード1~3を読んでみると、受験する子によってそのレベルは違うので、客観的と思われるように見える評価といえども、相対的で無意味というのは説得力があります。

通常の感覚で言えば、聖光学院は勝ち組ですが、受験生にとっては評価は相対的といえます。

(エピソード1では聖光学院に合格できれば勝利、エピソード2では聖光学院に合格しても失敗)
 

・中学受験で大切なのはどこにたどり着いたかではなく、どう歩んできたか

(中学受験の偏差値なんて12歳時点のものでしかない、結局、合格の12歳辞時点での結果であり、今後の人生をどう生きるかの礎を中学受験を通して経験できれば、今後の人生においてはプラスになる。その歩みを親が気づかせてあげること

”自分には努力して挑戦する勇気があるという確信は人生を長きにわたって支える土台”
筆者が経験を通して得て欲しいと願うのはこの感覚だと思いました。)
 

・中学受験の親のメンタル
(仮に合格できなかったときにどんな言葉をかけてあげられるか、受験期間中の子どもへの接し方など)
全般を通して、中学受験を”生きる上で何より大切なことを伝える千載一遇のチャンス”と捉えていることが、読んでいて印象に残りました。

・人生には結果よりも大切なことがある
傷つくのを恐れずに挑戦すること、努力すること、支え合うこと、感謝すること、自分の信じることをやり抜こうとすること、これらが全て親子の誇りとなる
結果は人生の一瞬の状態を写した一枚の写真に過ぎない
そこにどんな解釈を付け加えるかは、常にそのあとの生き方が決める
中学受験という経験から人生を生きる上で大切な教訓を得る
両親が中学受験のプロセスを通してそのような教訓に気づいて伝える
たとえ全滅してもやってよかったと思える境地に至ること
中学受験で第1志望に合格できるのは三割にも満たない

どんなに優秀な子がどんなに努力しても起こりうる現実を受け入れる覚悟を親自身がまず持つことが、親が最初にすべきこと

・やり方を間違えれば中学受験は親子を壊す凶器になる
親子を壊す一番の原因は第1志望でなければ、意味がないというゼロ100思考
目の前のひとふさのぶどうしかこの世に存在しないと思い込むことが、第2志望でも納得できない心理の本質
ありのままの子供を受け入れて

 

など、一文一文に魂が込められているようで、読んでいて常に心を揺さぶられ、その度に考えさせられます。

 

私が読んで特に印象に残ったのが、【エピソード2:ハヤト】
塾で三冠に最も近い男の話、です。

塾の先生に受験直前で罵倒された(こんなこと、あるんですね。。。)ことを親に言えなかった、と子どもが訴えた場面でした。その子の気持ちを思うと、味方になってくれる人がいなくて、誰にも言えなくて本当に辛かっただろうなと、胸が張り裂けそうでした。そして、受験ではなくても、日頃から子どもの気持ちを受け止てあげられているかな?子どもの意思を尊重することができているかな?と振り返ってみると、できている自信がないです。

子どもに「親に言っても無駄」と思われないように、子どもの気持ちをきちんと受け止めてあげないといけないと思いました。

 

今まで偏差値でしか見てなかった母親が、お兄ちゃんが”優しい子に育ってくれた”、と気づいた場面では、心の底からホッとしました。そして、受験エリートとしてのプライドを回復するための高校受験ではなく、偏差値やテストの点数で人間を評価する価値観と決別する、という選択ができたことが、とても良かったなと思いました。

 

 

七田式 社会科・理科ソング

中学受験の社会と理科をこれだけで乗り切ったという口コミもあるくらい、要点が集約されていて良かったです。かけ流しておくだけで子どもが覚えて口ずさんでいます。

 

くもんの読解力を高めるロジカル国語、子どもが気に入っています。毎日1話ずつやっています。

 

こちらの2冊も読んで参考にしています。

 

 

 

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