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分かってくれる人が一人でもいれば、人生は変えられると思います。



両親やパートナーじゃなくてもいい、たった一人でもいいから、自分のことを無条件で愛してくれたり信頼してくれたり、分かってくれる人がいれば、人は安心して強く生きていけます。



こんな話を聞きました。

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ある小学校に、子どもたちのために良いクラスをつくろうと日々努力する先生がいました。

その先生が5年生の担任になったとき、ひとりの少年に目が留まりました。服はいつも汚れていて、授業には遅刻し、居眠りもする。みんなが元気に手を挙げて発言する中、彼だけは一度も手を挙げませんでした。

先生は、どうしてもその少年を好きになれず、次第に距離を置くようになりました。中間記録には、少年の悪いところばかりが並びました。


ある日、先生はふと少年の過去の記録を読み返しました。

1年生の記録には、こう書かれていました。「朗らかで友達思い。人に親切で、勉強もよくできる。将来が楽しみな子です」

先生は驚きました。「きっと別の子の記録だ」と思いました。


しかし、2年生になるとこう記されていました。「母親が病気で、世話をしなければならず、遅刻が増えている」

3年生では、「母親の病状が悪化し、疲れて教室で居眠りをすることがある」

そして3年生の後半には、「母親が亡くなり、深い悲しみに沈んでいる」

4年生の記録には、「父親は生きる気力を失い、アルコールに依存。子どもに暴力をふるうようになった」

先生の胸に、鋭い痛みが走りました。


今まで「だめな子」と決めつけていた少年が、実は深い悲しみと苦しみの中で懸命に生きていた、

その事実が、先生の心を大きく揺さぶりました。


その日の放課後、先生は少年に声をかけました。「先生は夕方まで教室にいるから、一緒に勉強していかない?わからないところは教えてあげるよ」

少年は、初めて笑顔を見せました。


それからの日々、少年は毎日教室に残り、予習・復習に励みました。

ある日、授業中に少年が初めて手を挙げました。その瞬間、先生の胸に喜びがあふれました。少年は少しずつ、自信を取り戻していったのです。

6年生になると、先生は少年の担任ではなくなりました。


卒業の日、先生のもとに一枚のカードが届きました。

「先生は僕のお母さんのようです。今まで出会った中で、一番素晴らしい先生でした。」


それから6年後、またカードが届きました。

「明日は高校の卒業式です。5年生のとき先生に出会えて本当に幸せでした。奨学金をいただき、医学部に進学できることになりました。」


さらに10年後

「先生に出会えたことに心から感謝しています。父に叩かれた経験があるからこそ、痛みのわかる医者になれると思います。僕にとって最高の先生は、5年生のときの先生です。」


そして、ある年の春。

届いたのは結婚式の招待状でした。そこには、たった一行

「母親の席に座ってください。」


先生は、嬉しさと感動で涙が止まりませんでした。

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もし「この人はダメ」なんて感じてしまう人がいたとして、もしかするとその人のほんの一面だけを見て本質の部分は見えないまま、決めつけてしまっているだけなのかもしれません。




人にとって大切なのは、分かってくれることだと思います。



大切なことは、

「知っている」ではなく、
「分かってくれる」こと。




人は、「分かってくれる」人に惹かれるんです。

「知っている」と「分かってくれる」という言葉、同じようなことを言っているように聞こえるのですが、全く違います。


「分かってくれる」とは、その人の情報を「知らなくても」できることなんです。

感覚的に傍にいてくれるという状態。

寄り添ってくれている状態。




「知っている」とは、その人の情報を得ていることです。


「知っている」と「分かってくれる」の違い、似ているようで全然違いますね。


人は、「分かってくれる」人を求めているのだと思います。




私も、長年務めた会社員を辞めて何の実績も保証も無い自営業の世界に飛び込もうとしたとき、色々な人に反対されたり呆れられたり離れられたりしましたが、数少ない「分かってくれる人」がどれだけ心の支えになったか。

その人がいなければ、今の私はいないと断言できます。



私も、誰かを分かってあげられるような人間になりたいと思います。

 

 

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