ヘルタースケルター感想、ネタバレ有り | Le-Chat麻雀エンタメ

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なんやかんやでみんな気になる「ヘルタースケルター」。
一応観てきました。
平日、仕事前に見に行ったのになぜか超満員。
しかしそのうちの何人かがのちにいなくなってしまうとはこの時知る由もなかった・・・・


上映開始20分くらいでバストトップを晒し、窪塚洋介と濃厚な濡れ場を見せた沢尻エリカ。
正直ここまでがっつりやるとは知らなかったのでちょっとびっくりしました。
あと驚いたのが、このあたりのシーンで観客のうち4人くらいが出ていってしまったこと。
ここまでやるとは思っていなかったんでしょう。もったいねーな、金。

ストーリーとしては一昔古い感じ。別に面白くも目新しくもない。というか、原作者はもっとなんか伝えたいことがありそうな気がしないでもない。原作読んでないからわかんないけど。

演出とか映像面は、よくも悪くも「あー、蜷川実花だな」という。賛否両論あって仕方ないと思います。
が、沢尻エリカがバラエティ番組の撮影中に錯乱して半狂乱になってしまうシーンはどう考えても残念な演出と言わざるをえない。
冗長だし何の狂気も感じられないし、とにかくなぜあんな演出になってしまったのか、ここで一気に陳腐さを感じさせられました。

ちなみにBGMは五月蝿い。とにかくウルサイ。
映画好き、とくに邦画好きの人は耐えられないレベルかも。


キャスティングは素晴らしい。
桃井かおりや綾野剛、寺島しのぶ、窪塚洋介などの脇役が素晴らしいのはまあ観るまでもなく分かると思うんですが、
やっぱり主演に沢尻エリカをキャスティングしたのも正解だと思います(寺島しのぶの役はもっと若い女優でもよかった気がするけど。)。
ハッキリ言ってこんな映画、まず「沢尻エリカが主演します」ってのがありきで成り立つもんです。
役柄とは別の、「女優 沢尻エリカ」としてスキャンダラスな芸風?があってこそ。

ちなみに、かなり多くの人が期待しているであろう大森南朋はきわめて微妙です。
大森南朋さんが悪いんじゃなくて、多分だれがやってもあんな感じになってしまうんだろうな、っていう感じ。
セリフやら演出やらがどうにも寒い。キャラとして実写だとキツイ。



そういえば1つだけ印象に残っているシーンがあって、沢尻エリカ演じるりりこが「もうこんなの耐えられない・辞めたい」みたいな気持ちを泣きながら吐露するシーン。
普通の映画だと、ああいうシーンは時間設定を夜にすることが多い。
例えば主人公が今までずっと仕事がんばってきたけど、いよいよ気持ちの糸が切れて「もう仕事辞めたい・・・」と泣くシーンがあったとしたら、まあ時間設定は夜とか雨とかですよ。
対して「ヘルタースケルター」における例のシーンは、もうね、真昼間。むしろ朝かもしんない。どっかのビルの屋上で泣く。
でもこの“外で”“太陽が登ってて”っていうのが妙に引っかかるわけ。普通の映画なら何の違和感もないシーンが、この映画だと違和感ありまくり。
その違和感の原因は、それまでほとんどのシーンで、普段の演じているりりこの世界や心情、アングラだったりスタジオのなかに閉じ込められていたり色々と繕っていたり、っていうのをずっと描き続けてきたからであって、
正常な人たちとは生活も心もあらゆるめんで捻れてしまっているってことをうまく表している。
実際、映画全体でほとんどのシーンが夜か雨かどっかの建物の中。
そんな中でこのシーンは非常に効果的だったと思う。


まあ基本的には蜷川実花の極彩色な画を楽しみつつ「沢尻エリカが脱いだ!」ことに驚いてギャーギャー言うための映画だと思います。
あと、「やっぱり沢尻エリカはかわいい」だの「いや、あんな生意気なクセに演技はクソだったじゃないか」だのグダグダと文句を言うのがいいです。
話のネタとしては観ておいて損はないと思うので、金と時間にやや余裕がある人は「海猿」より先にこっちを見ておくべきです。