コマツの野路国夫社長は二十七日、東京都内の本社で記者会見し、グループ全体が好調な中で苦戦しているコマツNTC(富山県南砺市)の太陽電池製造用工作機械「ワイヤーソー」について、「回復は少なくとも二〇一三年以降になる」との見通しを示した。
太陽電池は太陽光発電装置に必要な基幹部品で、一一年三月期は欧州で需要が拡大。中国で製造していたため、ワイヤーソーの中国向け輸出が急増し、産業機械部門の稼ぎ頭となった。しかし、昨年七月ごろから減少し、一二年三月期の売上高は44%減の四百六十五億円だった。
太陽光発電の普及に積極的だったスペインやドイツ政府が太陽光発電の買い取り予算を削減し、太陽電池の需要も縮小。さらに、中国の金融引き締めで設備投資が急減し、ワイヤーソーにも急ブレーキがかかった。
コマツは中国の設備投資が今年九月ごろから回復すると予想するが、太陽電池の需要ははっきりせず、一三年三月期は61%減の百八十億円と厳しい見通しを立てた。このため、産業機械部門の売上高も12%の減収予想。
野路社長は「中国は太陽光発電に積極的な姿勢を見せているほか、日本でも自然エネルギー発電の買い取り制度が固まってきており、需要が増える可能性もあるが、政策次第なので読みづらい状況だ」と語った。
一三年三月期のグループ全体は、鉱山機械や建設機械が伸び、増収増益を予想している。
出典:中日新聞