直接民主制を導入した元気会のこととかも書いてたら5000千字を突破してた記事です。(汗)
「NHKから国民を守る党」(N国党)という、世の中に出てきた頃はおかしな政治勢力と思われながら、今では小学生すら面白がって真似をする「NHKをぶっ壊す」というパワーワードと共に支持層も急拡大して、とうとう国会議員も当選した党があります。
NHK内のスタジオで「NHKをぶっ壊す」を連呼する立花考志代表。
(参議院議員に当選)
この政権放送は、既に320万以上の視聴。
単純に面白いし、庶民に響くことを語っている。
それを心理学的に考察している動画もあります。
立花さん。いろいろ考えてやってるのだなとは思ってましたが、ここまで学問的な論理と一致してると面白いです。
心理学の理論を知りつつ狙ってやったのか、たまたま理論と一致したのかは知りません。
しかし実際に現象が起きてるしそれが理論に裏打ちされてるのがいいですね。
選挙後のアベプラも参考になるかな。
とまあ、3つ動画をペタペタ貼ったわけですが。
これらを参考にしつつ自分の考えも書いておきましょうか。
(学術的な理論とかじゃなく、庶民の感想です)
直接民主制と憲法改正に関与
さらに丸山ほだか氏を勧誘
N国党、けっこう無茶苦茶に見えることを言ってます。(;´Д`)
政党要件を満たす勢力になったとはいえ、まだ一議席ですからね。
一見すると「NHK関係ねーじゃん」とツッコミたくなる題目でもある。
しかも多数派工作のために、大批判を浴びた丸山ほだか氏にラブコールを送っている。
私の基本的なスタンスだと、ひたすらツッコミを入れていくのですが…。
立花さんの動画で話しを聞いてたら、わりと納得できるところが何とも言えず…。
結論を先に書くと、
N国党に関しては全部いいんじゃねーかな…という感想になってます。
もちろん基本的には
・直接民主制 → それだけは止めとけ、松田公太氏の元気会の時もさんざん批判した。スイスとか弊害多い
・憲法改正発議 → とりあえず自衛隊を明記とか安全保障上一歩も進んでない議論でも記念受験的にやっとけ
・丸山ほだか氏 → 相手にするな、干しとけ
こんな感じなんです。
しかし、N国党ということで考えると、全部やってもいいんじゃないかなと。
大前提に、スクランブル放送が実現したら立花氏は政治家を辞めると言っております。
N国党も解散(というか、残った人が勝手にやるぽい)という方針が明言されています。
なので直接民主制については、この「期限付き政党の実験」という感覚で緩く見てます。
どうせ直接民主制を本気で続ける人は多くないと思いますし。部分的に残る感じかな。
あまくで党内の直接民主制であって法令化を目指すとかではないですから、N国党の戦略と含めて考えると批判するのも野暮かなという観点も。
憲法改正は、スクランブル放送を自民党に呑んでもらうための引き換え条件で乗るようです。
自民党側は今回の選挙で参議院の議席が4つ足りなくなったという一般論ですので、そこで交渉ができると考えている様子です。
(ただし、公明党が本当に改憲に賛成するのか…という根本的な謎はありますから一般論でいいのかは不明)
丸山ほだか氏については、議員を5人以上にするためなのだとか。
公職選挙法における政党要件を満たすことで「NHK討論に出演できる」という謎の展開になります。
まあ、確かにこれは面白そうですよね。w
政党要件と言っても、公職選挙法基準と政党助成法基準があるそうです。
下の動画(6月13日時点で【祝】要件達成と言ってるw)を見るまでよく知りませんでしたが、今回N国が達成したのが政党助成法基準の政党要件のようです。
議員数5 or 選挙得票数2%(1人以上の国会議員)
さらに得票数2%も比例区と選挙区で別れるため、選挙区に候補を大量投入してそちらで2%超えを達成。
これを前回の統一地方選のN国や、幸福実現党というサンプルをもとに勝てると計算。
選挙区に大量投入することで比例票も増える。
その大量候補の出馬資金をYoutube動画だけで1億円、10日ほどで集めてしまう。
しかも立花氏個人の選挙運動に使った金は20万だけ。
どんだけ策士やねん。(;´Д`)
立花氏が「早く国会議員辞めたい」と言ってて嘘っぽくないのは、「自分の選挙運動に20万しか使ってない」ということもあるのかも…。
それはともかくNHKの日曜討論に出演ということを考えると、公職選挙法基準で5人の議員を集める必要がある。
そのための丸山ほだか氏。
立花氏自身が 「毒をもって毒(NHK)を制する」 という自覚があると言ってた中で(つまりN国党が毒であると自分で言ってる)、そこに丸山ほだか氏を加えるのは…………まぁ、それならいいんじゃないかなと。
自民党や立民、維新など長期的に運営する党がやったら批判しますけどね。
N国党は目的や期限が明確化してて、なりふり構わまず日曜討論に出て行く戦略のようですし。
「毒を持って毒を制する」と言い切ってる勢力に綺麗事で批判しても無意味ですしね。
というかまあ、日曜討論に出てほしいし。ヽ(・∀・)ノ
あとは、直接民主制も微妙に絡んでくるというか。
癖の強そうな丸山ほだか氏とか、逆に左派系議員が入っても、党内直接民主制なら「必ずしも議員の色に染まっていく党ではない」ということですからね。立花氏自身も「ウイングの広い自民党もあるし、左右に関わらず入ってもらいたい」というスタンス。
それでいて、所属議員の発信の自由などは担保されるでしょうから、そりゃ丸山氏にも悪くないでしょうし。
立花氏もあんまり綺麗事言ってなくて「金の力で来てもらう」と非常に分かりやすい。
(政党助成金の要件を満たした政党に議員がひとり加わると2千万追加があり、それは来てくれたらあげますよ…という取引らしい)
こういう政治家にありそうな裏事情(資金)について、動画視聴者やアベプラ視聴者にも変に濁さず 「国会は数の力が重要」 「NHK討論に出る」 と、そのための手法として割り切ってやってるのは、けっこう好きですね。
いろいろ面白いから、丸山ほだか氏の問題とか、この際どうでも良くなったかな。ヽ(・∀・)ノ
※ 私はツイッターで丸山ほだか氏はボロカスに批判しています。今後も彼個人はアルコール依存克服を除き応援しないと思います。
松田公太氏の元気会
直接民主制の前例としては、松田公太さんの「日本を元気にする会」(元気会)がありました。
アントニオ猪木さんとか山田太郎さんが所属してたところですね。
私は、みんなの党の頃から松田氏や山田氏は応援していました。(今は特に応援してないが)
しかし応援してる時ですら、元気会の直接民主制はボロクソに批判してた。
支持率0%じゃねーか。バーカバーカ、みたいなゴミ扱い。
まあ支持率0は気の毒でもあるのだけど、支持率0の直接民主って、どんな民意なんだよ…。
という根本的な問題から、外の人に面白そうだと思わせて呼び込む仕掛けが無いことまで含め、ほぼほぼ壊滅的にダメというか。
(崩壊する前にクソ真面目に民主主義を考える的なマンガ冊子を作ってて、これはもうダメだなと。変なとこで真面目すぎるんだよ)
それで、冒頭に3つ貼った動画の3つ目。
3分くらいかな、三浦瑠麗氏が 「松田公太さんの政党が続かなかった」 という感じのことを指摘しているのですが、これは直接民主政党が失敗したと言えるのか、個人的に微妙なんですよね。
自分は外から批判して 「もっと、こうすりゃいいんじゃねーの」 と無責任に気楽に書いていたので、中で議論はしてませんが外部の人を取り込んでいく勢いのなさは確り見てました。
松田氏が主催した安保法制に関する議論(ニコ生で議論前と後にアンケをとるなど実験をしていた)も見て、かなり問題点も見つけて外からの意見書を送ったりしていました。
そういう意味で、「そもそも出来ることをあまりしていない」というのはあります。
直接民主制を行っている党員数を朝生で突っ込まれて、松田氏が焦りながら 「すでに3桁を超えて4桁になった」 とか言ったあたりで 「いま1000人超えたくらい…て、分り易く言ったら格好悪いと思ったのか」 と、痛々しい感じはありました。
まあ初期段階では何人集まるとか全く読めないでしょう。
たしか元気会は何の根拠もなく20万集めるとか言ってて「4桁」を越えたあたりで伸びなくなった。
N国は同じ轍を踏まないように読めない初期目標は濁しながら、まずは 「面白そう!」 と思ってもらえる宣伝をしたり、実際にゲーム性があるシステムにしないとダメでしょうね。
もし議論のプラットフォームだけ整えて真面目な感じが出来ても、元気会みたいに1000人くらいしか集まらなかったら意味ないから。
元気会の見通しが厳しくなった所属議員の山田太郎氏(自民で今回当選)の番組をけっこう見ていましたが、結局のところ彼は独自に「表現の自由を守る会」を作って、結局個人で2万人を超えるサポーターを集めています。
表現の自由を守る会 公式
番組の中で元気会の立ち上げに深く関わった山田氏自身が 「もう元気会はどうでも良くなった」 的なことを言ってしまうくらい、ワンイシューで簡単登録だと人の集まりが違うと体感していた。
(元気会の直接民主制に実名登録が必要であり、それをするまで中の議論サンプル的なものすら見れない、なので外部が興味を持つこともありえないという悪循環があった)
こういった様々な、 「直接民主制普及のためにあまり手を打ってない」 (何もしてないわけじゃないが、外部から興味がもてない)がありました。 ただしこれは細かく観察してた私が書いているもので、大切な部分は別のところにもあります。
5人しか居なかった所属議員が抜けてしまう
神奈川の元参議院議員で、今回落選した井上義行さん。
小田原北条祭りでも元気よく手を振ってる姿を拝見したことがありますが、安倍首相の元秘書だそうです。
この方、元気会に所属してたのですが自民党に行ってしまいます。
これで政党要件を失って、資金的に行き詰まった可能性。
(松田氏が経営者として成功しているので断言は避けておきます)
仮に資金的に余裕があっても支持率0%のまま数少ない党員が抜けていく。
みんなの党時代から一緒にやってた行田郁子氏も会派は参加してくれても党には入ってくれてない。
党員は20万くらい掲げていた目標に遠く及ばず1000人くらい。
こういう状況では、「直接民主制党は失敗する」 と言い切れるかは微妙です。
というか、そもそも、この政党は一度も選挙を戦っていません。
元みんなの党の議員の行き場がなくなったので看板を変えて集まった。
結成時から 「みんなの党の解党」 という負の遺産に引きずられていた勢いのない政党でした。
元みんなの党の支持者が熱烈に支持したわけでもなかったですし、中には私のように批判してた人すらいます。
ネットの情報発信力の違い
オタク票を集めたと言われる山田太郎氏(自民で当選、元気会にも所属してた)がネットドブ板選挙を展開して得票を伸ばしたということになってます。
もちろん山田太郎氏のSNS活用は他の多くの議員に比べて優れているでしょう。
しかし山田氏は結局、2016年の参議院選挙で落選しており、そのため今回は自民党で出馬しています。
「ネットの力で」本当に伸びたのは、N国の立花考志氏のほうが圧倒的かなと思います。
あくまで一つの情報ですが、Youtubeの登録人数で比較すると。
立花孝志氏 18万 (毎日のように更新)
山田太郎氏 4800 (ほぼ毎週のように動画配信)
和田政宗氏 5400 (自民党、動画配信が活発)
やながせ氏 4700 (維新、音喜多氏とともにネット動画配信が活発)
他の「ネットを有効活用してる議員」と比べて、桁が二つ違う情報拡散力。
N国は元気会と違って
・選挙に勝って勢いがある
・政党助成金の要件を失う可能性がほぼ無い
・Youtube配信という強力な武器がある
これだけあれば、松田公太氏の時と同じになるとは単純に言えないと思います。
もちろん松田氏の政党を批判していた自分としては、「人々に直接民主制が面白いと思ってもらえて集まってもらえるか」 という出発点のところから懸念材料はあります。
松田公太氏や山田太郎氏、そして当時東京都議だった音喜多氏も、自分たちは面白いと思って始めたものの、彼らの意識高い系の感覚ほどに人は集まりませんでした。しかも先述したように、外部の人を誘う方法まで面白味が無かった。というか中で何をやってるか外から議論のサンプルすら見れなかった。
このあたりをN国の勢いとか面白いアイデアで克服するとか。
あるいは元気会と違って長期運営が出来る見込みなので焦らずどっしり進めていくとか…でしょうか。
まあ私としては小難しそうな直接民主制の推進より、N国党がNHK討論ですき放題言いまくる展開があれば、それで十分ですけど。