維新の分裂騒動。
ついに松野代表による大量除除籍処分に至りました。
維新、162人を除籍決定
新党合流見込みの地方議員ら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151015-00000040-asahi-pol
こういう形は好ましくないと一般論を並べることも出来ますが、
すでに橋下氏が戦争を吹っ掛けている状態なので、名も資金も渡さず追い出すのもひとつの道。
除籍そのものの是非はともかく
全体的に見ると大阪維新が悪い。
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どうも、いろんな声を見てると幾つか切り分けて考えたほうが良い。
たとえば橋下人気、選挙の強さ、創業者であること。
これ、騒動の筋論とはあまり関係ありません。
橋下さんの影響力は間違いなく大きいのだけど、それと今回、大阪側が筋を通してるかは別。
また、おおさか維新の政策、これを支持するか否かも別。
組む相手(民主)が云々も、別。
否、ほんとは、政策もしくは路線については対立軸になって、それを論争することは筋です。
しかしその過程をぶっ壊して喧嘩を始めたのが大阪側ですので、それに対処する、という話にならざるを得ないということ。
(後述の松野代表の記者会見映像を参照、あちらに筋があります)
個人的に改革勢力としては大阪維新系の路線を支持したいところなのですが、(私はイデオロギー的には大阪と関東の中間くらいの立ち位置、改革勢力としては大阪をより評価)、しかし、それと筋論は違うため、切り分けて考えています。
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関東維新悪者説。
これについては事の発端になった柿沢氏の行動への見方で全然変わります。
まるで旧結いの党が仕組んだ陰謀の様に流布する人も居ますので、そこは整理しておきます。
(残念なことに、元みんなの落選議員や、現職の議員が事実性の無い煽りをしていました)
当時幹事長だった柿沢氏が、小林節教授(維新の安保法案にお墨付きをくれた憲法学者)の要請に応じて選挙応援に行ったこと。
それに対する大阪維新の反発。
大阪側の主張も一理あり、意見が衝突するのは普通の事だと思います。
しかし幹事長を降ろしたり、党を割るほどの話ではない。
かつて渡辺善美さんの政策秘書をされていた室伏謙一さんのブログを参照します。
http://blogos.com/article/132346/
一部引用
私が政策担当秘書時代、みんなの党では公認も推薦も出さず、党としての対応も決めていない首長選挙に、渡辺代表(当時)が応援演説に行くということはよくあった。党としてではなく個人として応援に行く、そういう建前での話で、特段問題にされることはなかったと記憶している。
そうした事例から考えると、柿沢幹事長の行動は、幹事長辞任はおろか党を分裂させるまでの大問題であったとは到底考えられない。
加えて、柿沢幹事長への口頭注意という処分が軽すぎであり、辞任すべきだとの声が、党として処分を決定後、外野から上がっている。(中には単なる誹謗中傷をtwitterでつぶやく議員もいるようである。)松井府知事の発言にしてもそうである。(ちなみに顧問は役員会のメンバーではない。)もし、党としての決定に異議があるのであれば、外野で騒ぎ立てるのではなく、党規約に基づき正式に申し立てるというのが筋であろう。そうした点から考えると、<問題だ問題だと騒ぎ立て、問題だから分党だとするのは、党の決定に従わないばかりか、党規約に定められた手続を無視し、党の名誉や信頼を毀損する、「反党行為」と断ぜられてしかるべきなのではないだろうか。
松野代表、柿沢幹事長は何も間違っていなのであるならば、そして「反党行為」と断ずることができるのであれば、外野で騒ぎ立てている党所属議員達にはしかるべき処分、例えば除名といった厳しい処分、をもって臨むことを検討してもいいのではないか。(かつて「反党行為」を振りかざして、党所属議員を追い込んでいった党代表がいたが、それと今回の話とは事情が全く異なる。)
さて、今回の分裂騒動、大阪方では橋下市長が目立っているが、反発の意思を声を大にして上げ始めたのは、松井知事である。党規約に基づいた異議申し立てもせずに、ほとんど因縁をつけるかのように外野というより場外で騒ぎ始めたのは、何かタイミングを狙っていたのではないかと思われてならない。
引用終了
私も室伏さんと同じ見方です。
とはいえ橋下氏も当初は穏便で、柿沢氏が辞めることは無い、討論で決着をつけよう、等の仲裁をしていました。
その後、態度を一変させ「偽物だ」と相手を非難して喧嘩を始めるわけですが・・・。
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少し脱線しますが、公開討論は党の恥を晒すようでみっともない・・・との見方もありますし、私も当初はそのように考えていましたが、今は異なります。
たとえば、みんなの党の分裂や解党、そして今でも時折ネット上で散見される「元みんな」の、「あの時ああ言ったこう言った、書類が証拠に残っている、山分け銭ゲバだ、そうじゃない録音がある」等の地方議員も国会議員も入り乱れてのバトルが散見されます。
また、次世代から離党した松沢氏と平沼氏。
松沢氏が離党理由を説明したことに対し、平沼氏は自民に復党する件も含め有権者に説明なし。
どちらが有権者に対して誠実なのか明白です。
これらを鑑みれば、離党、分党、解党などの経緯は、今後の投票行動の参考として、政党がきちんと有権者に示したほうが良いと考えます。
橋下流の巌流島的な公開討論が良いかは疑問ですが、党の議事録の様な、何らかの見解(意見対立のままでも良い)を示すことは、世間がどう評価し誰に投票するか、その指標になると思われます。
個人や少数が抜けた時は、その人たちが注目されるので経緯や意見の対立が分かり易い。
しかし派閥で割れてる時は、誰が何を言ったのか、意識して残し、外に示したほうが良いと思います。当事者があとからポロポロこぼすのではなく、その時に一括して。
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脱線から戻ります。
「本物」「偽物」論争や、お金の話。
これについても、室伏謙一さんのブログを参照。
http://blogos.com/article/137319/
引用すると全文になるので、ここに添付するのは割愛。
端的に筋論で言えば、大阪系のイチャモンでしかないという事です。
そして大量除籍後、10月15日の松野代表の記者会見。
6分10秒あたりから参照を。
私もツイッターでは、ずーーーーっと同じことを呟いていたこと。
「はじめから普通に代表選をやればよかった」
これに尽きます。
党内の政策や路線で揉めたなら、代表選(もしくは党大会)で議論して答えを出していけばよい。
しかし離党ありきで、新党構想をぶちあげ、「偽物」と批判をはじめ、相手を硬化させハードルを上げてから党名や資金の交渉、交渉が決裂したら代表の権限が無いと言う。
(では、今までは権限が無い相手と交渉していたのか?)
そして今から党大会を開くと主張。
一見民主的な手段に訴えているようで、順序が出鱈目。
大阪側が、滅茶苦茶です。(*´Д`)
双方の意見を見た印象では、松野氏側の党執行部が勝つと思います。
繰り返しですが、大阪側が今の執行部の正当性を否定することは、今まで交渉してきた自分達の正当性も否定することになるからです。
難癖をつけつつ交渉して金が貰えるなら貰う、貰えないなら強奪する。
山賊のやり方と言っていいでしょう。
党執行部なりの正当な手続きが成されているとのことですので、そちらが優先されるほうが好ましいと思います。
というかですね、橋下氏たちは大阪のW選挙に専念する云々で離党したのだけど・・・。
そのために離党(分党や新党)の必要ってあったんでしょうか?
野合的な野党再編に反発するにしても、渡辺善美さんも一時言ってた「政党ブロック」などのように、海外でも採用されている「党を残したままの野党編成」もあるわけです。
(今の民主共産がやってることに近い)
普通に考えて、維新が割れる必要が無い。
いやまぁ どうしても 「馬が合わない」 だけで別れるにしてもですよ。
名前とか資金とか、大事なことは揉める前に交渉しておけ・・・と思うわけです。
騙し打ちのように難癖つけるなら、確保すべきを確保した後でしょうよ。
あまりに稚拙です。
橋下贔屓の私ですら擁護しようがありません。