新聞の国会詳報が議員個人の簡易報告より情報量が少ないケースが多く、大雑把に何が議論されているか把握できている程度です。
国会中継のインターネット放送があることは知っていますが、物理的に全部見るのは無理。
文字でパパっと概要を掴めて、詳報を追えることが好ましいのだけど…そのような都合の良い媒体ってあるのかぃな。
気になる議論
幾つかあるので、時間があれば詳細まで見ていきたいところ。
・「集団的自衛権がなぜ違憲なのか」 木村草太氏の解説本
(アマゾン)
8月22日発売。
当日、いつもの書店に寄るとすでに売り切れでした。
ブックカバーが欲しいので、アマゾンでは注文せずに本屋で注文。
木村さんの安保法制に対する議論は、これが決定版になるっぽいので、確認しておきたい。
私は集団的自衛権合憲派の百地章さんの言について、たとえば宮台真司さんと「天皇と日本のナショナリズム」で対談された皇室の世継ぎ議論では両氏の見解の一致に同意できます。不健全なナショナリズムを煽っている印象の日本会議ですが、全否定ではありません。
ただし、集団的自衛権の議論では、百地氏より木村草太氏の説が正しいと思っています。
おそらく 「国際法で認められている自衛権」 に対して、それを義務のような位置づけにするか、義務では無く国内法で抑制できる権限とするか、という議論。
なんとなくですが、集団的自衛権と国連の集団安全保障がごちゃごちゃに議論されていることも、あるように思います。
国際秩序を守るための集団安全保障の話であるはずが、なんの脈絡も無く集団的自衛権にすり替わった議論が展開され、なぜか義務化の話になっているような気が…。
(もちろん、国連の集団安保理に欠陥があることなどを押さえたうえでの議論は別でしょうが)
散見されがちな議論の混乱を見て自分も混乱しない様に、知的基礎体力の向上は必要です。
とりま本を読んで勉強しようと思います。
・中西けんじ議員の国会質疑
8/4(火)参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会報告① ホルムズ海峡封鎖によるLNG不足
http://nakanishikenji.jp/diet/16116
公式HPでの報告が充実しています。
議会の写真、質疑に利用した資料、文章での解説、動画の添付。
他の議員さんの報告より、かなり丁寧です。
しかし公式以外の媒体とさほどリンクさせておらず、あまり拡散していないのがもったいない。
平たく言えば、気の利いた個人商店を構えてみたものの、商店街と比べてロケーションが悪く、人目に触れる機会が少ない。
たとえばアメブロ、ブロゴスなど 「他の人気ブロガーのついで」 に見てもらえる工夫があれば、もう少し拡散すると思われます。
とはいえ議論の内容もHP構成もしっかりしているので、基礎的な学習に役立ちそうです。
・拉致問題、チベット・ウイグル問題
確か昨日の読売新聞で社説と4面、次世代の党の和田政宗氏の質疑が記載されていたはず。
チベット・ウイグルの人権問題について。
さらに数日前には同議員の拉致問題についての質疑も。
どちらも重要なことで、チェックしておきたいところ。
拉致問題。
なんやかやあるので、少しだけ整理しておきます。
(一般的な議論を整理という意味では無く、私の頭の中身を整理です)
①
和田議員と総理や閣僚とのやり取り。
これはこれで見ておきたいところ。
今、国会でどのような議論がされているのか。
②
報道では、北朝鮮側が再調査の終了を告げたと言われ、菅官房長官が否定しています。
http://mainichi.jp/select/news/20150821k0000m010027000c.html
これは、どこに真実があるのか一般には把握できない話かな…。
北と韓国が緩衝地帯で緊張を高めたり、きな臭い動きもあります。
何らかの関係性もあるのかもしれず、注視。
③
元気会の猪木氏が訪朝予定とかなんとか…。
http://www.hochi.co.jp/topics/20150820-OHT1T50087.html
あまり本筋の交渉とは関係なさそうだけど…いちおうメモ。
④
拉致問題と邦人保護 集団的自衛権と国際法
国会の議論①を確認することに加えて、2つ気になる論点。
ひとつが青山繁晴氏のブログ(7月25日)の内容。
昨年の国会で議論された内容では、「ほかの救済の手段がないような極めて例外的な場合には、保護、救出するために必要最小限度の実力を行使することが自衛権の行使として国際法上は認められることがあり得る」と示されていること。
もうひとつが、木村草太氏の「憲法の条件」という本、P150より。
「実は集団的自衛権・個別的自衛権以外に武力行使を正当化する資格があることを、みんなが知らないんです。
安倍首相がよく挙げる在外邦人の救出については、実は「在外自国民保護」という別の資格があるんですよね。それがどのような場合にどこまで認められるのかは、国連憲章に明文化された規定がないので、国際法の解釈に委ねられています。
たとえば外国にいる日本人を、武力行使してでも助けに行くことは、個別的自衛権の延長だという説明もあるし、あるいは個別的自衛権でも集団的自衛権でもなくて、一定の要件を満たしていれば武力行使は可能だという解釈もある。
また、日本船舶が通るところに機雷がある場合、それを破壊して通行可能にすることは、個別的自衛権で正当化できる場合も多いでしょうし、「緊急避難」と言って、個別的自衛権とも集団的自衛権とも違う国際慣習法上の正当化事由を主張することもできるでしょう。つまり、自国民の保護は、集団的自衛権とは分けて考えたほうがいいんです。」
引用終わり。
これ、拉致問題にも当てはまるのだろうか…と、素人的に思わないでもない話。
当てはまるのであれば、国会で議論されている事のちゃぶ台返しになるのかどうか。
素人的にどれが正しいのか、さっぱり判断がつきません…。
⑤
情報
北朝鮮の再調査の件と絡みますが…。
そもそも自衛隊の派遣等で拉致被害者を救出するにしても、情報が無いのでは…?
という素朴な疑問。
情報も無いまま派兵していいのか。
現実的な救出作戦では無く、とりま派兵して取り戻すのか。
(さすがに、それを主張する人は無いと思うが)
上に記した通り、再調査結果の有無で日朝が押し問答をしている状態です。
外交で解決するのでなければ、どういう想定で実力行使の話をしているのか分かり難い。
(ミサイル防衛の話は別、かな。たぶん)
また仮に安保法制や集団的自衛権と拉致問題を絡めて考える際、④の木村草太氏の議論なども踏まえ、法的に自衛隊を派遣する資格を得る議論なのか、それとは違って米軍との協力体制(情報共有や作戦のバックアップ)を重視した議論なのか、傍で見ていて整理がされていない印象です。。
(青山氏が出演した朝まで生テレビでも、その区分けを前提とした議論はなく、安保法制に賛成すれば拉致被害者救出に繋がるようなぼんやりとした印象を与えるだけの議論でした。)
チベット、ウイグル問題。
問題提起には非常に意味を感じます。
まず、事実認識と情報の共有でしょうか。
おそらく、ひとつ気を付けたほうが良いことは、この問題を口実に海外での武力行使の意図があると誤解されること。
国内外で、あえて曲解する人は必ずいると思いますので。
そのため、外交上の重要問題と強調することは、毎度毎度怠りないほうが適切かもしれません。
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他の国会議論も可能なら追いたいところですが、おそらく民主党などの質疑よりも、元みんなの党の議員さんの質疑を追った方が面白そうです。
安倍総理から蓮舫さんへの野次などが話題になり、その動画を少しだけ見たところ、彼女の主張は現在も法的に明記されてない内容に対しての批判でした。
(核兵器輸送など、従来から日本がやらないと決めていること、またクラスター爆弾のように国際的にやらないと決まっていること)
ここに安保法制での変化に対応して明記が必要となるのであれば、今回から明記が必要となる論理的説明が無いと説得力に欠けるのですが、そこを飛ばしていたように感じます。
もちろん、個人的に法的縛りはあっても良いようにも思いますが…だとすれば与党に難癖をつけるようなやり方ではなく、提案(対案)として出すほうが効果的だったはずです。
安保法案を廃案に追い込むつもりなら、せめてダメな理由をきちんと突かないと…。(汗)