反日映画と名高いアンジェリーナ・ジョリー監督の 「アンブロークン」。
私も日記で1年くらい前に、少し書いた気がします。
文春、産経等が取り上げる前の、ネットで噂されてた時に。
軽く触れた程度ですが、当時は少し怒ってた記憶があります。
いろいろと情報が出てくるようになって、それらへのコメントも見比べると…。
印象も変わるものですねぇ。(*´Д`)
まずもって、週刊文春が圧倒的にクズだという事が、徐々に理解できてきました。
基本、売れれば良しのタブロイド紙であって、センセーショナルな見出しや、倫理的に疑問符がつく取材方法、事実を捻じ曲げたゲスな記事が多い。
一方で、佐村河内のようなスクープも飛ばし、また池上彰さんや宮崎哲弥さんのような識者が質の高いコラムを寄稿するものだから、文春の記事全てに信憑性が高いと信じる人もいる。
(さすがに週刊新潮と比べると、文春のほうがマシです)
産経は文春に比べると良心的だと思いますが、やや勇み足だったりすることも…。
アンブロークンについては、映画の元になった原作で明らかにおかしい記述と、文春と産経が勘違いでバッシングを煽った部分と、ネトウヨさんの付和雷同とで収拾がつかなくなってる状況のようです。
おおまかには、この動画で説明され尽してる感じかな。
町山智浩が映画「アンブロークン」を解説
…なんか、これ聞いたらもう筋書き分かっちゃので、反日映画じゃなくても観る価値無いような気がするんですけど。(*´ω`*)プッ
問題になってる 「日本軍による食人」。
私も最初、ネットで見た時に違和感を禁じ得なかった部分で、腹を立てた記憶があります。
映画の原作に事実誤認や誇張はあるようですが、しかし、ある程度は事実だったようです。
小笠原事件(wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E4%BA%8B%E4%BB%B6
まとめサイトより
http://matome.naver.jp/odai/2139287546042366301
秦郁彦さんの著書の中でも少し触れられているそうです。
吉田清二証言の嘘を暴いた人が否定しないのであれば、反日のための捏造ということはないでしょう。
世界の歴史を見れば、たとえばナポレオンのロシア遠征で食料が無くなり、味方で殺し合って飢えを凌いだ兵士もいた、という話もあります。
戦争の極限状態では、食人がありえないことではない。
しかし、小笠原事件は飢えから発生したものではなく 「儀式」 の要素はあったとのこと。
ただ、原作にある 「生きたまま食べた」 は誤りの模様。
その一方、戦時中の日本軍に生きたままの捕虜で人体実験をした事例などはあった。
いろいろなことが整理されないまま語られ、時には誇張もされている印象です。
(明らかな反日活動も、あるでしょう)
そして町山さんの映画解説でもあったとおり、原作にあった食人に関する記述は1行程度であり(そこに誇張や誤りはあった)、しかし映画では省かれていること。
「日本を貶めるための捏造」 「反日映画」 と大騒ぎするほどのものではないとの意見は、妥当かもしれません。
アンジョリーナ・ジョリーに対する個人的な印象は元からあまり良くないので置くとして、アンブロークンに対する日本社会の(一部の)過剰反応は、傍から見て「幼児的」と受け止められる可能性はあります。
まぁ 反日映画でなかったとして、ルイ・ザンペリーニ氏が尊敬に値する人物だとして、しかしアンジェリーナ的な米国人の上から目線とか、「日本は対テロで協力してくれてる」とか(米国の中東での失敗に、日本を巻き込むなよと)、個人的にいろいろ思うところはあるのですが…。
--------------------------
以下は、参考程度に。
戦中に捕虜虐待を行ったとされる渡辺 睦裕さん本人のインタビューについては、こちらのようです。
Unbroken (アンブロークン)公式予告編非公式字幕 (埋め込みコードが無いのでリンク添付)
https://www.youtube.com/watch?v=HgZjvg7Ygg4
左派系の 「反日映画じゃない」 という記事
LITERAの記事
http://news.livedoor.com/article/detail/9747311/
ハフィントンポスト
http://www.huffingtonpost.jp/naoko-fukuda/unbroken_b_6674774.html
朝日新聞の記事
http://www.asahi.com/articles/DA3S11653749.html
朝日の記事については、また改めて書きます。
(Change.orgについても触れられているため)
左派とは少し違う視点で、古谷経衡さんのツイート。
アンジェリーナ・ジョリー監督の日本未公開映画『unbroken』について、詳細は今月号の月刊WILLに寄稿した拙稿を読んで欲しいが、この映画は、良く日本の右派から批判されるような「反日映画」というよりも、もっと深い、アンジーの心の闇が投射された作品なのである。
— 古谷経衡 (@aniotahosyu) 2015, 3月 28
Will(保守系の雑誌)については、殉愛騒動で信用ゼロ状態なので、当然のように買わずに立ち読み。
古谷さんの記事を読んで、
なるほど、そういう視点もあるのか…と思いました。
彼女の幼少の頃からの体験で、監督として作品の傾向があるのだとか。
(暴力、戦争、父権への抵抗、などなど)
アンブロークンが反日映画として炎上したことが良いのか悪いのか私には判断不明ですが、いろいろと勉強になった次第でございます。