クラピア導入の成否を分ける「工法」と「専用シート」の基礎知識
クラピアを導入する際、最も重要な選択の一つが「防草シートを併用するか否か」という工法の決定です。
結論から申し上げますと、法面(のりめん)や太陽光発電所敷地など、「普段、人が足を踏み入れない場所」において、防草シート併用工法はメンテナンスコストを最小化する最適解となります。
しかし、その一方で、お子様が走り回ったり、ペットが遊んだりする「人が頻繁に歩く庭」に採用する場合には、後に詳しく解説する致命的なリスク(欠陥)が潜んでいることを理解しておく必要があります。
本記事で解説する「クラピア用防草シート」とは
本記事で取り上げる「クラピア用防草シート」とは、一般的な雑草対策シートとは異なり、クラピアの根がシート繊維の隙間を通って地面に到達できる特殊構造(通根性)を持った専用シートのことを指します。
市場では「クラピアガーデンシート」や「クラピア専用オリジナルシート」などの総称で呼ばれることもありますが、具体的には以下のような製品群が該当します。
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クラピアマルチシート
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クラピアバイオシート
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植栽シートライト
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二層構造防草シート など
これらのシートは、「雑草は抑えつつ、クラピアの根だけは通す」という相反する機能を両立させるために開発された、高度な資材です。
なぜ「庭」で「防草シート+クラピア」が失敗するのか
法面(のりめん)や太陽光発電所のような「人が歩かない場所」であれば、シート工法は最強です。しかし、「人が遊ぶ・歩く庭」では以下の致命的な欠陥が露呈します。
1. 「根のアンカー効果」が効かない(めくれる)
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直植えなら、根が地中深く無数に張り巡らされ、それが「杭」の役割をして地面と一体化します。
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しかし防草シートがあると、根はシートの繊維に絡む程度で、地面と強力に結合しません。
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その結果、子供が走ったりスパイクで踏ん張ったりすると、カーペットが床からズレるように、クラピア層ごと「ベロン」と剥がれます。
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シートの上は土がないため、保水力やクッション性が皆無です。
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踏圧(踏まれるダメージ)を受けた際、直植えなら土が衝撃を吸収しますが、シート工法だと「金槌で叩かれる」ように根や茎が潰されます。
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一度ハゲてしまうと、露出した黒いシートが夏場に高熱になり、周囲のランナーが火傷して侵入できず、ハゲた部分が永久に残るという悪循環に陥ります。
3. 「浮き」による足元の悪さ
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成長すると、シートとクラピアの間に空間ができ(サッチの堆積など)、歩くとフワフワ、ブカブカします。
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子供たちが走り回る場所であれば、この足元の不安定さは転倒の原因にもなり、広場としては不適格です。
一大決心クラピアのシートを剥いで直接植えた
植えて後悔クラピアで失敗した例を紹介します
なぜメーカー・販売店はこれを言わないのか?
ここがユーザーさんが一番歯がゆく感じておられる点だと思います。彼らが「シート必須」と言い続けるのには、彼らなりの(売る側の)論理があります。
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「雑草クレーム」が一番怖いから
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販売店にとって一番恐ろしいクレームは「高い金を出して植えたのに、雑草だらけじゃないか!」と言われることです。
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これを100%防ぐにはシートを敷かせるのが一番確実です。数年後に剥がれることよりも、「今の雑草を抑えること」を優先してセールスします。
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シートの利益率が良い
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苗だけ売るよりも、高単価な専用シートをセットで売った方がビジネスとして美味しい、という側面も否定できません。
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私からのメッセージ
「見るための緑化(法面)」と「使うための緑化(広場・庭)」は全く別物です。メーカーは一律にシートを勧めますが、子供やペットが遊ぶなら、手間はかかっても「直植え」じゃないと、後で絶対に後悔します。 めくれて黒いシートがむき出しになった庭は、悲惨ですよ。
ご留意点





