冷やさないのが世界のスタンダード | レイジーサンデーの整体日記

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SUPレース中に足の肉離れを起こして完全復帰するまで半年かかったという人の話を聞きました。その時、大会本部にいた救務係のファーストエイドの処置が、冷やして固定して圧迫させるというRICE処置だったそうです。

 

 

RICE処置とは、Rest(安静)Ice(冷却)Compression(圧迫)Elevation(挙上)と応急処置に必要な4つの単語の頭文字をとりRICEと呼び、医療機関やスポーツマッサージの専門家が応急処置として勧めています。

出典:NAVERまとめ

 

しかし、この処置は近年、欧米では間違いということで真逆の処置が行われています。その内容とは?怪我の後は、患部を冷やさない、血行を阻害してはいけない、炎症を抑えてはいけない、痛みを抑えてはいけないということです。

 

スポーツの現場にいる人にとってはスタンダードとも言えるこのRICE処置が間違いだと言うと反発の声が上がりそうですが…

実は最近になってRICE処置を提唱したアメリカのDr.Gabe Mirkin(ミルキン博士)が「RICE処置は怪我の回復を助けるのではなく遅らせてしまうかもしれない」と発表しました。

このようにこのRICE処置を提唱した本人が自身の誤りを認める論文を出した事が何よりの証拠です。

 

なぜ炎症を抑えてはいけないのでしょうか?

 

怪我をして炎症を起こすのには、治癒の為に生物に備わった必要不可欠な生理反応だからです

 

  1. 怪我の患部が炎症することによって体温を上げて免疫力を上げます
  2. 炎症がマーカーとなって白血球やリンパ球などが患部に集まって来ます
  3. 損傷した細胞は速やかにマクロァージという炎症細胞に喰われて、患部から排除されます
  4. 組織を再生させる修復ホルモンや酵素などが血流に乗ってやって来ます。

 

このようにマクロファージが活発に活動している時に起こる炎症はこれらの修復作業が進んでいる最中なので、RICE処置のように冷やしたりして血流を阻害してはいけないということです。

 

出典:乾がん免疫クリニック


また痛みというのは筋肉が動ける範囲を患者本人に知らせるシグナルでもあるので、無理な行動を抑えて怪我の患部に負担を掛けないというリミッターでもあることになります。

 

 

 

逆にRICE処置で氷や冷たい物などを当てて炎症や腫れを減らしてしまうと壊れた筋肉組織の近くの血管が縮んでしまい血流が悪くなって修復細胞のマクロファージを送れなくなり再生する機会を防いでしまい、結果回復が遅れてしまうということになります。

 

また氷を使用した後、何時間も血管は開いていない状態が続き、血流が少なくなったことが原因で組織を死滅させ、永久的な神経損傷を引き起こすリスクさえあるとあります。

 

誰もが炎症をネガティブなイメージで捉えていますが炎症という反応は本来、身体を正常な状態に戻すための必要不可欠なものだということを認識したほうが良いかもしれません。

 

実際に当院に通っていただいているテニスの学生は試合中に足首を捻挫したものの冷却や固定もせず少しずつでも動かすことに専念した結果、1週間ほどで復帰した経歴があります。この時は痛みが取れた時点で足首の捻挫の原因を引き起こした部分の筋肉のロックが認められましたので弛めることで通常のパフォーマンスができるまでに回復しました。

 

 

前出のSUPレースで肉離れを起こしてしまったこの方、正しい処置をしていれば半年を棒に振ってしまうことも無かったはずです。

 

欧米では新しい処置の方法が行われていてエビデンスも実際に認められているにも関わらず、未だにRICE処置がスタンダードであると実践している日本のスポーツ医療も大幅な方向転換の時期が来ているのかもしれません・・・

 

もし怪我で回復が遅れてしまっている方や、同じような場所ばかり怪我をしてしまうと悩んでいる方は、お近くのミオンパシーの整体院、治療院もしくはレイジーサンデー整体スタジオまでご相談ください。