編み物と著作権問題は、私のライフワークの活動につながっているのを知って関心を持っています。
今、ネット上でニッターの皆さんの間で話題になっているyoutuberの炎上から知りました。
心あるニッターの皆さんに開かれた動画サイト利用の継続を主目的として活動されている様子でしょうか。
それについては、Elycheterさんが丁寧に状況を解説されています。
私はyoutuberではないし詳しくないのですが、youtubeのルール運用で一方的なクレームにより被害を受けた方々がいるようです。
問題となったyoutuuberのビデオで聞きましたが、私にも違和感があるものでした。
(ですが、ここで探っているのは、個人的に関心を持ったことで、炎上騒動についてではありません。)
自分自身の日頃のモヤモヤを確認するために、調べるようになりました。
編み物と著作権2で書いたように、自分も編み物と著作権の問題に足を突っ込んでいました。(手かな??)
そして、実用品と美術作品の境がどこにあるか、知的財産権になり得るのか、誰が調査するのか、
と言う点に関心を持ちました。
さらにライフワークである「植物遺伝資源と農民の権利」と言う観点から眺めているうちに、
編み物界隈で起きていることも、その他の領域で今噴出している課題と同根だとわかりました。
古からの知恵、先人の努力と伝統的文化の継承、そして異文化への移転や新しい解釈、新しい技術etc....
公共財と、知的財産権の線引き、グレーゾーン、解釈など。
その背景にある経済の新しい潮流と古い仕組みの対立。
また、編み物は知的財産権の中で、どのように扱われるのか?というのことも興味深いです。
著作権法のサイトによる著作物の定義は、
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」
例としては、
一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
二 音楽の著作物
三 舞踊又は無言劇の著作物
四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
五 建築の著作物
六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
七 映画の著作物
八 写真の著作物
九 プログラムの著作物
そして面白いのは
「編集物でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。」
と言う項目。
編み物そのものは、様々な知恵を素材を選択し編集していると解釈するならば、作家の創造性次第で著作物としての保護対象になると言うことでしょうか。
そして、創造性がポイントなので、例えば編み物の初心者でも芸術的であれば保護対象になりえるし、熟練の編み物の先生でも作品に芸術性がなければ実用品として保護対象にならないのでしょう。
でもそれを調査する仕組みは、編み物の場合どうなっているのか?
その他、
● 保護対象となる著作物は、日本国民もしくは日本にある法人事務所による著作物、つまり外国籍 youtuberが日本の法律に則った法人格を持たずに発信していれば編み物作品がそもそも著作権の対象か以前に、著作権の保護対象になっていないと言うことでしょうか。
● 翻訳権は著者に帰属するので、日本の作家の書籍の図面を、許可なく外国語で発信するなどは違法ですね。
丁寧に著作権法を読んでいけば、色々と関係箇所があり、例外もありそうで難しいです。
過去の判例や、海外の事例も読んでみたいと思いました。
ある領域で裾野が広がっていくに連れておきるコンフリクト、
つまり、趣味の延長を小さな仕事に発展させるまでのスピードがあるネット情報拡散世代と、
技術と知恵と上質なネットワークを持ちながら草の根的につながる熟練世代とのギャップは編み物の世界でもあったんですね。
でも、編み物の世界では熟練層の厚みが状況を機会に変えていて、応援したくなります。
たねの世界は逆です。
イシューの注目度が急激に高まった結果、
活動家、消費者、若手などの情報拡散を好む裾野層や直接かかわらない層が主流になり、心情とズレがある”正義”に飲み込まれてしまった。
技術と知識があるにもかかわらず、言葉も想いも飲み込んだのは熟練層になってしまった様相です。
言い換えると、日本的情緒でやりとりしてきたものは「権利」の世界で言葉を口にする機会がない感じでしょうか。