僕のフィリピン  ~その後のフィリピン・ラウンドトリップノート~ -370ページ目

島とインターネット

ビーチ1

 

 

真冬の日本から逃げ出すようにやって来た僕達は、ついにビーチの上に降り立った。

僕はビーチサンダルをパンパンと叩いて短パンのポケットにねじ込み、バカンスを楽しむヨーロピアンの間をぬってビーチロードへ出た。

D’Mall (ビーチに対して垂直に伸びているショッピングストリート) をゆっくり歩いて、程なくボラカイ日本語サービス (BJS) に到着した。

 

代表の小川さんとは約2年ぶりの対面。

出発前Eメールで頻繁にやり取りしていたせいか、ついこの前も会っていたような錯覚に陥る。

ノートパソコンを開き、僕達と対面するように座っている小川さんを見て、

この島と日本を繋ぐインターネットの事を改めて考えてみた。

 

在職中、出勤前に僕の送ったEメールは、この小さな島の小さなオフィスに届けられ小川さんはここから僕宛に返信を送る。

 一見当たり前のような事だけど、 “ここと繋がっていた” という現場を目の当たりにしてインターネットというツールの素晴らしさを改めて実感した。

今更ながらインターネットの無限の可能性に感激してしまった。

 

BJSには今回、ホテルの手配、エアポートアシスト、それからまだ行き先は決まっていないが国内航空券のチケッティングなどをお願いしている。

向かいにあるブルーベリーレストランからいただいたジントニックを飲みながらの、ゆる~いブリーフィングが進む。

 

予約してあるホテル、ル・ソレイユに荷を解き、記念すべきボラカイでの滞在が始まった。

 

 

               ・           ・            ・

 

 

頭が痛い。

僕は昨夜、少し飲みすぎたようだ。

カミさんがどこかよそよそしいのは、その事に関する無言の批判だと気付く。

サマープレイスというボラカイ屈指のバーがある。

そこで働くスタッフ達が久しぶりにやって来た僕達の事を覚えていてくれて、うれしさのあまりついつい・・・。

時間はたっぷりあるのだ。

何も焦る必要などないのにどうもショートパッケージで旅行している感覚で行動してしまう。

これではイカン!と僕達はボラカイの長い長いビーチの端から端までを毎朝散歩することにした。

 

毎朝の散歩では、物売りやボートマンたちがひっきりなしに声を掛けてくる。断るとあっさり引いてしまうシャイな人たちがほとんどだ。

少しだけ現地の言葉が話せる僕は、その誘いを丁寧に断り続けた。

「ごめん、何もしないためにここに来たんだ。何かしたくなったら声をかけるから。」

 その内彼らはビーチをプラプラ歩く僕達を見かけると、遠くから大きく手を振ったり日が暮れてから道端で会うと “楽しんでるか?” といった感じでウインクしてくれるようになった。

 

そのようにして1日中ノンビリと過ごし、数日たつと、何もしないことをすることにも随分と慣れた。

ありあまる時間をどのように過ごしていいか解らなかった僕達はようやく旅人モードに入ったというわけだ。

焦ること無く自分のペースで過ごせるようになった事が、少し誇らしい。

 

僕達は節約のため、または気分を変えるために違う宿泊先を探す事にした。

おかげさまで、BJSからの情報と毎朝の散歩でボラカイのホテル事情にすっかり詳しくなっていた。