目次

「炉守の休暇」概要

「炉守の休暇」リプレイ

作成レギュレーション

世界観

戦闘の考察

判定まとめ

スカウトかレンジャーか


「炉守の休暇」概要

創作物のマーケットプレイスBOOTHで掲載されているソード・ワールド2.5のシナリオです。

 

知人にGMをしてもらい、5人分のPCで攻略しました。

 

 

シナリオ紹介文より抜粋↓

 

〇概要

キングスレイ鉄鋼共和国・第二都市ヒスダリア(II-320)に存在する巨大製錬炉を護る妖精ドモヴォーイ(ML-187)と、彼が約350年前に生き別れとなった元ヒスドゥール大裂穴(II-320)の地下火山に棲む竜の子を再会させることが目的のシナリオです。

 

〇基本情報

使用ルールブック:基本ルールブックⅠ・Ⅱ・Ⅲ、『エピックトレジャリー』、『モンストラスロア』

所要時間:約 8 時間(テキストロールプレイ+通話の場合)

PL人数:4~5人 Lv.帯:9~10

 

PC4~5人向けシナリオですが、当日集まったPLは2人で、PL2人で5人分のPCを動かして攻略しました。

 

所要時間は長めとなっていますが、オフセッション2人卓で、本編4時間以内でした。


気に入ったシナリオなので感想を書いておこうと思います。


以下、リプレイ感想です。


↓ネタバレ注意!

 

「炉守の休暇」リプレイ

 プロローグ

キングスレイ鉄鋼共和国第二都市、ヒスダリア。


〈大破局〉前に地下火山から持ち出されたマグマによる炎で製鉄を行う精錬所があり、今もその炎は途絶えていない。


魔術師ビアンカ(エルフ/17歳/♀)ら5人の冒険者たちは、今日は仕事もなく、のんびりしていた。



No.1 ドゥームフィスト(エルフ/122歳/♂)生まれ:斥候

ファイター10スカウト9エンハンサー4アルケミスト2


No.2 ビアンカ(エルフ/17歳/♀)生まれ:魔術師

ソーサラー10スカウト9セージ5


No.3 クリスティーナ(エルフ/26歳/♀)生まれ:操霊術師

コンジャラー10スカウト9セージ5


No.4 ドナルド(エルフ/16歳/♂)生まれ:妖精使い

フェアリーテイマー10スカウト9レンジャー5


No.5 エドモンド(エルフ/20歳/♂)生まれ:森羅導師

ドルイド10スカウト9ウォーリーダー5


突然、冒険者ギルドの扉が叩かれる。⋯現れたのは、製鉄所で働くドワーフの作業員だ。


作業員「突然すまない。⋯今すぐに来られる冒険者はいないか?」


ビアンカ「まぁ、ついていくだけなら」

 

作業員「なんじゃ、ひ弱な耳長しかおらんのか。仕方ない、お前さんたちに頼もうかの」


5人は(彼にとって)足早に溶鉱炉へと向かうドワーフに連れられ、真っ赤に燃え盛る溶鉱炉へと向かう。


 中央製鉄所

作業員「さて、君たちを呼んだ理由だが⋯製鉄所は今大掃除をしておる。それで、掃除をしている最中に、炉の奥から声がしたんじゃ


ビアンカ「それで、なんと言っていたのですか?」


作業員「とにかく『冒険者を呼んで欲しい』とのことじゃった。それ以上のことは、わしには分からん」


ビアンカ「なるほど。それで、私たちを呼びにきたのですね」


作業員「わしとしては、同じドワーフの冒険者が一番じゃったが。そんなことは言っておれん」


冒険者は、大きな建物の中に入る。中からは、かなりの熱気を感じられる。


⋯そこには、高さ50mはあるような、巨大な製錬炉があった。


今は大掃除が行われており、炉の中では炎に包まれながら、ドワーフたちが作業をしているのが見える。

 

作業員「さあ、こっちの方じゃ」

 

炉に近づくと、中から声が聞こえてくる。

 

?「おっと、お主らは冒険者じゃな?」

 

長い灰色の髭を蓄えた、体毛に覆われた老人が中から現れる。

 

ビアンカ「ドモヴォーイだね。古代種妖精だよ」

※古代種妖精はフェアリーテイマー技能で自動判別できない

 

隣で、作業員が驚いて目を見開いている。

 

作業員「⋯なんと?!伝説は本当だったのじゃな」


老人の姿をした妖精ドモヴォーイは続ける。


ドモヴォーイ「で、わしが呼び出した理由じゃがな。わしはもともとヒスドゥール連邦の地下火山のマグマの中におった。この精錬所を作るために、マグマごと人族に連れてこられた、というわけじゃ」


ドゥーム「⋯なるほど」


ドモヴォーイ「その時、わしが可愛がっておった竜の子を置いてきてしもうた。じゃから、会わせてほしいんじゃ」


ビアンカ「今は暇ですからね。しかし、それは何年前のことなのですか?」


ドモヴォーイ「何年前、とは⋯」

 

妖精使いなら誰もが知ることだが、妖精は時間の概念がない。作業員が口を挟む。

 

作業員「この製鉄所が作られたのは〈大破局〉よりも前のことじゃぞ?」

 

ビアンカ「そんな!300年以上も前のことじゃないですか?!その竜の子も今ではずっと大きくなっているのでは?!」


ドモヴォーイ「はて、300年、というのが、いったいどれほどのものかよく分らんがのう」


ビアンカ「エルフが生まれて、老いるくらいには長い時間です」


ドモヴォーイ「そうなんじゃな」


作業員が忠告する。


作業員「連峰の地下火山か⋯かなり危険な場所じゃ。棲み付いている蛮族が厄介だと、鉱夫が嘆いておったわい」


ドゥーム「蛮族か。なるほど」


ビアンカ「何か持って行った方がいいものは?」


作業員「ドワーフでなければ、灼熱地獄じゃな。耐熱装備が必要じゃろうな」


ビアンカ「分かりました。サバイバルコートを買っていきましょう。依頼ということなら、報酬は?」


老人の妖精はうむ、と考え込む。


ドモヴォーイ「わしは一文無しじゃぞ?が、地下火山はいい鉱石が取れるから、それを君らが採掘してきたらわしが加工しよう。どうじゃ?」


加工品のリストを聞く。


ドゥーム「この中に欲しいものはないが、売れば高いだろうな」


ビアンカ「そうですね。分かりました。ぜひ、竜の子に⋯もう子どもではないかもしれませんが、その子に会いにいきましょう。きっと、喜んでくれますよ。私たちに付いてきて下さいね」


 遭遇戦

地下火山の簡単な見取り図をもらうと、一行は大烈穴を進む。


切り立った崖を斜めに沿うように、下へ降りていく。中はごつごつとした岩場で、見通しは悪い。


ビアンカ「中に蛮族がいるみたい!」


蛮族「人族、立ち去れ。ここ、通さない。俺たちの、場所」


戦闘を開始する。


ビアンカ「空を飛んでいるフーグルモーターが3体、奥にいる参謀風のボルグアサシネイターが2体!」


クリスティーナ「アサシネイターは厄介だけど、私の【バインド・オペレーション】で動きを封じることはできる。⋯けど、その必要はなさそうね」

※ボルグアサシネイターは《影走り》によって移動妨害を受けないため、後衛が2回攻撃の餌食になってしまう。【バインド・オペレーション】は対象の移動を制限移動に限定することができ、有効な対抗手段となる。


4人の魔法使いが瞬間的に詠唱を行った次の瞬間、蛮族は猛烈な波動に吞み込まれ、消し飛んでいった。

《ファストアクション》で2回主動作が可能。どうでもいいけど斥候魔法使いは早口言葉上手いと思う。


ドゥーム「俺の出番、なかったな」


ビアンカ「待って。奥から誰かがこちらを伺っていた」


何者かがこちらを伺っていたようだ。恐らく、人族が攻めてきたと今頃伝わっているだろう。


 分かれ道

ドゥーム「地下火山の地図をドワーフのじいさんから教えてもらってきたわけだが」


ビアンカ「右と左に分かれているね。まずは、様子を伺ってみましょう」


まず、左に続く道を観察する。


ドゥーム「足跡がある。それもたくさん」


ビアンカ「きっと、蛮族でしょうね」


続いて、右に続く道を観察する。


ビアンカ「声が聞こえてくる?」


ドナルド「妖精語だ」


何を言っているか分からないが、妖精がいると考えて間違いないだろう。


ドゥーム「俺は蛮族を追いかけたい。何者かが覗き見していたんだろう?」


ビアンカ「私は妖精が気になるけど⋯そうね、蛮族がいるなら放っておけないわね」


一行は、蛮族らしき足跡が続いている左の道を進んでいく。


 蛮族の集落

広い空間に、建造物がいくつも見える。よく観察すると、蛮族の姿が見える。


ビアンカ「先ほど戦った蛮族と比べると、ずっと弱いと思う。ただ、少し数が多いね」


ドゥーム「隠れて様子を伺ってみるか」


ドゥームは身を潜めて蛮族の会話を盗み聞きしたが、汎用蛮族語の会話を聞き取ることができなかった。

※隠密判定(スカウト+敏捷度ボーナス)。GMが勘違いしており、スカウト+器用度と指定したため、器用度の低い後衛組は参加しなかった。一応指摘したのだが、隠蔽判定と勘違いしていたのだろうか。

※ファイターのドゥームは汎用蛮族語を習得しておらず、「人族が攻めてきたので、ドラゴンに退治を依頼した」という内容を聞き取ることができなかった。これはシナリオ上重要で、ビアンカが参加していれば聞き取れた。


ドゥームは戻って報告する。


ドゥーム「そういうことだ。会話の内容までは分からなかった」


ビアンカ「⋯なら、仕方ないわね。隣のエリアの様子を伺ってみましょう」


来た道とは別に、二手に道が分かれている。


右からは、時折マグマの吹き出すような音が聞こえてくる。


ビアンカ「こっちはちょっと危なそうだね」


左からは、咆哮が聞こえてくる。


ドゥーム「ドラゴンは、こっちにいるぞ」


ビアンカ「私はちょっと不安かな。このまま行ってもいいのかな、って。引き返して、妖精に会ってから話を聞きたいな」

※「ダンジョンはすべて踏破してから進むもの」というこだわりがあるのだが、TRPGをしていると理解できないという反応をされることがよくある。某有名アニメのエルフを意識しているわけではなく、筆者がもともとそういう性格だからだが、のんびりしすぎだと思われるらしい。この日もそうだったが、とにかく先を急ぎたい人は多い。

※今回は筆者が折れた。もっとも同卓PLは複数PCの処理に慣れていないのか、かなり疲れている様子だった。加えて、会話が得意な人ではないし、長引かせるのはよくないという判断。


ドゥーム「左に進もう。火竜はそこにいる!」


 戸惑いの再会

ビアンカ「竜の子はなんていう名前なの?」


ドモヴォーイ「思い出したぞ。ディルムというんじゃった」


ビアンカ「その子の名前を呼んであげましょう」


坑道を進むと、大きな火竜が冒険者を認識する。


?「侵入者どもめ!貴様らは侵略者だと聞いている!このような場所にやってくるなど他に理由があるものか!」


戸惑いつつも、ビアンカは答える。


ビアンカ「ディルムなの?妖精のお爺さんがあなたに会いたい、って言うから連れてきてあげたわ」


ドモヴォーイ「お主、ディルムじゃろう?」


怒りを露わにしていた火竜は、戸惑いながらも再会の喜びを露わにする。


ディルム「⋯爺や!本当に、爺やなのか?!」


ドモヴォーイ「会いたかったぞ、ディルム。こんなに大きくなって」


再会を喜んだ後、ディルムは冷静に疑問をつぶやく。


ディルム「とはいえ、ここに棲んでいる者に、人族が侵略に来たと言われたのだ。確かに、私はずっとここに住んでいたため知識に乏しいのだが⋯事実ではないのか?」


直後、蛇頭の蛮族が汎用蛮族語でディルムに言う。


?「ディルム様!その侵入者を始末して下さい!」


ディルムは首をかしげている。ビアンカは言う。


ビアンカ「お爺ちゃん、なんとか言ってよ!仕方ないわ、私たちの依頼はお爺さんをあなたに会わせることです。依頼は達成されました。蛮族を倒すために来たのではありません。今から帰りますよ、だから通して下さい」


ディルム「⋯なるほど、侵入者ではなかったのだな。せっかく訓練をつけてやったというのに、私を騙していたとは」


蛇頭の蛮族はやれやれ、とため息をつく。


?「ですが、貴様らは人族。我らバルバロスにとって争わない理由はないのですよ。ディルム、あなたも用済みです」


背後から4体の蛮族が現れ、臨戦態勢に入る。


 決戦

ビアンカ「蛇頭の蛮族はケパラマルガウラ。奥にいるのは、オーガウォーロードね。手前の3体は⋯」


クリスティーナ「オーガバーサーカーよ!」

※ビアンカは自動失敗。クリスティーナが魔物知識判定に成功。


ドモヴォーイとレッサードラゴンには別の蛮族が襲い掛かっている。


先ほど戦った蛮族よりも強い。だが、4人は高速で詠唱し、猛烈な魔法の渦を生み出していく。


4人の猛攻によって、蛇頭の蛮族の背後から現れた4体は反撃の機会すら与えられず倒れていった。


ドゥーム「これで決める!」


両手で握りしめたアックスを振りかざすと、魔法で大ダメージを受けていたケパラマルガウラは、その一撃で弾き飛ばされていった。


背後ではまだ妖精と幻獣が蛮族と戦っていたが、勝敗は明らかだった。


 旅立ち

蛮族をすべて倒すと、不意にディルムがドラゴン語でつぶやいた。


ディルム「あれでも、数百年は共にいた者たちだ。何が正しいのか⋯」


ビアンカ「あれが、蛮族たちの本質なのよ」


ビアンカはドラゴン語で答える。ディルムは、驚いた様子で振り向く。

※【タング】(真語魔法)を行使すると、未知の言語で会話できるようになる


ドモヴォーイ「ずっと、地下火山で待っておったか」


ディルム「もう死んでしまったかもしれないと思っていた。それでも、いつか戻ってくるのではないかと、待ち続けていた」


ドモヴォーイ「⋯寂しい思いをさせてしまったのう」


ディルム「私は、世間知らずだ。ここを出て、世界を知ろうと思う」


ビアンカ「洞窟を抜け出して、世の中を見るのよ」


彼女は言う。ライダーギルドにも来てね、と添えて。


ドモヴォーイ「精錬所は居心地がいいからの。たまに遊びにくるといい」


ドゥーム(いや、街にドラゴンが出たらそれはそれで大騒ぎだろ)


火竜は翼を広げ、大空へと羽ばたいていった。


 エピローグ

ドモヴォーイ「君たちのお陰で、ディルムに会うことができた。さあ、約束の品を作ってやろうぞ」


彼は炎嵐の盾2つとクァッドブレイズを持ってきた。


ビアンカ「ありがとう。私も楽しかったよ」


老人の姿をした妖精は、再び炎の中へ消えていく。


ドモヴォーイ「では、冒険者よ。また休暇に会おう」


作成レギュレーション

50000経験点、28回成長です。作成レベルは9または10です。


基本的には、10レベルで作成することでしょう。


ただ、成長回数に関するレギュレーションがやや特殊です。各能力値7回を上限として、好きに割り振ることができます。


前衛のファイターは知力、精神力以外の能力値に7回ずつ、後衛の4人は器用度、筋力以外の能力値に7回ずつ振り分けました。


そのため、5人中3人は筋力ボーナス0です。


本来、筋力ボーナスを使う判定は少ないので普段なら困ることはあまりないのですが、今回は報酬に大きく関わってきます。


鉱石を掘り起こすための判定は、「冒険者レベル+筋力ボーナス」が基準値です。


⋯これを聞いて、開いた口が塞がりませんでした。


でも、非力なエルフが頑張って力仕事しようとしているの、微笑ましくないですか……??


ですが、ファイターは【マッスルベアー】を習得しており〈熊の爪〉込みで筋力ボーナスが+3されます。


したがって、判定の筋力ボーナスは5でした。


ファイターでも素の筋力は12しかありません。これは知力と同じ値です。


それでも、Sランクの両手武器で【マッスルベアー】や【ヴォーパルウェポン】を習得すれば、期待値で30点ほどの物理ダメージを出せます。宣言特技による上昇分は含めていません。


前衛は、特技や技能の習得によって火力を上げることが特に重要です。


短期決戦だったので消耗品費は少なく、一番多かったPCで200G(魔香草×2)です。

※クライマックス戦闘は出目7で先制(先制値20)できる状況で全員7以上を出したので指輪を破壊せずに済みました


ファイターとコンジャラーに至っては、消耗品はゼロでした。

※余裕があったためマテリアルカードは使用しませんでした


報酬としては十分です。


世界観

世界観へのリスペクトが感じられるシナリオでした。


妖精には時間の概念がない、という設定があります。


そのため、ドモヴォーイはドラゴンの赤子が成長してレッサードラゴンになっているだろう、ということが想像できません。


また、人族と蛮族は相容れない存在です。


ドラゴンはドモヴォーイがいつか帰って来ると信じて火山でずっと待っていました。


そのため、彼は世間知らずです。それは、シナリオの進行における重要な要素となっています。


登場するキャラクターの設定が深掘りされていると、ストーリーに深みが出てきます。


分岐次第では、戦いに勝っても依頼に失敗になるのは面白いポイントだと思います。


非戦闘パートの進行が後の展開で重要になるのはいいことです。


「考えながら進める」ことが重要なシナリオです。

※個人的には好きなプロットなのですが、同卓は戦いしか脳がない人もそこそこいるので環境的に悩ましいところです


戦闘の考察

実際にセッションで使用したキャラクターです。

※覚えやすいアルファベット順


No.1 ドゥームフィスト(エルフ/122歳/♂)

ファイター10スカウト9エンハンサー4アルケミスト2



No.2 ビアンカ(エルフ/17歳/♀)

ソーサラー10スカウト9セージ5



No.3 クリスティーナ(エルフ/26歳/♀)

コンジャラー10スカウト9セージ5



No.4 ドナルド(エルフ/16歳/♂)

フェアリーテイマー10スカウト9レンジャー5



No.5 エドモンド(エルフ/20歳/♂)

ドルイド10スカウト9ウォーリーダー5



ファイターは同卓のPLが使用していたため、名前等が変更されています。また、宣言特技は《斬り返しⅡ》に変更しました。


メイン技能が10レベルとスカウト9レベルは全員共通です。


9レベル習得したスカウトが戦闘、探索の両面において大いに役立ってくれました。


残りの経験点は5500点です。B技能なら5レベル分習得できます。


セージが2人とも5レベルなのは、レベル帯を考慮すると低いですが、〈叡智のとんがり帽子〉と〈インテリアニマルサック〉を装備することで、魔物知識判定に+3しています。


なお、後衛は全員、知力ボーナス5でした。


魔物知識判定の基準値は13です。これは、スカウト9レベルの先制力(9+4=13)と同じ値です。


ドルイドがウォーリーダーを習得していますが、短期決戦(先攻1ラウンド)ではあまり活躍しなかった印象です。


ただ、先制判定の出目が悪かった場合は、1ラウンドで終わりません。鼓砲の効果で敵の魔法に抵抗しやすくなるため、活躍していたでしょう。


判定まとめ

このシナリオで、非戦闘パートで要求される可能性がある判定をまとめました。


●スカウト、レンジャー+敏捷度B

隠密判定


●スカウト、レンジャー+知力B

危険感知判定

聞き耳判定

探索判定(レンジャー:自然環境のみ)

異常感知判定(レンジャー:自然環境のみ)


●セージ、ライダー+知力B

魔物知識判定

※ライダーは弱点不可


●セージ、バード、アルケミスト+知力B

見識判定

※通過しなかったルートで要求、目標値16


●冒険者レベル+筋力B

鉱石を採掘するための判定


リストから分かるように、スカウト、レンジャー技能レベルを参照する判定が頻出です。


シティアドベンチャーで図書館で文献を調査したり、古代の遺跡で知識があるかどうかの判定をしたりするような状況は、相対的にセージ知識判定が増える印象があります。


レンジャーに関して、地下火山を自然環境と裁定するかどうかはGM次第です。


公式シナリオは自然環境に関する裁定が厳しく、今回のケースは自然環境とみなさない可能性が高いです。

※「草木が生えている」ことが1つの目安です


ただ、人工的に作られた環境でなければ、自然環境とみなすGMも多いです。

※このシナリオは自然環境に関する言及はありません


自然環境と裁定しないなら、探索判定、異常感知判定がスカウトのみとなります。

※レンジャーで探索能力を重視するなら〈グリーンベルト〉を購入しましょう。少々値が張りますが...


スカウトかレンジャーか

大まかにビルドを組んだ際に、思い浮かんだのは


A技能 10レベル

スカウト or レンジャー 9レベル

B技能 5レベル or エンハンサー4アルケミスト2


という構成でした。スカウトまたはレンジャーを習得するメリットについて考えてみたいと思います。


スカウトの自動習得の特技は以下の通りです。


5レベル《トレジャーハント》

7レベル《ファストアクション》

9レベル《影走り》


レンジャーの自動習得の特技は以下の通りです。


5レベル《サバイバビリティ》

7レベル《不屈》

9レベル《ポーションマスター》


自動習得の特技については、スカウトは全般的に攻撃寄り、レンジャーは全般的に防御寄りです。


《ファストアクション》が先手必勝で有利なのは言うまでもなく、《影走り》を前衛が習得すると、厄介な後衛を移動妨害を受けずに仕留めることができ、攻撃面で有利に働きます。


当卓は剣のかけらがミドルで合計9個、クライマックスで合計17個に増量されていましたが、先攻1ラウンドで倒し切ることができました。


《ファストアクション》は非常に強力です。


一方、レンジャーの自動習得の特技は、耐久力が上昇するものが多いです。


《サバイバビリティ》は、装備〈グリーンベルト〉と組み合わせると使い勝手がいいです。


ボス戦の強力な魔法攻撃を、一度だけ必ずサイコロを振らずに抵抗力判定に自動成功します。


《不屈》《ポーションマスター》も、耐久面で非常に強力な特技です。


スカウトを習得するなら短期決戦向け、レンジャーを習得するなら持久戦向けです。


こればかりは好みですが、お財布に優しいのは間違いなく短期決戦パーティです。


次回