目次

武器ランクを上げるメリット

Aランク

Sランク

SSランク

魔法の武器化

イグニダイト加工

まとめ

 

武器ランクを上げるメリット

ソード・ワールド2.5は、Bランク武器を装備するのに特技は必要ありません。

 

A、S、SSランクの武器を装備するためには、戦闘特技の習得が必須です。


《武器習熟A(S)/**》を習得すると、指定カテゴリのA(S)ランク武器を装備できます。


《武器の達人》を習得すると、すべてのSSランク武器を装備できます。


高ランクの武器を装備する最大のメリットは、与えるダメージが上昇することです。


また《武器習熟A(S)/**》を習得すると、指定カテゴリの武器による攻撃で与えるダメージが1(3)点上昇します。


このボーナスは、使用する武器がBランクでも発生します。


この記事では、ランク、カテゴリ別にダメージ期待値の上昇幅を検証しました。


 近接攻撃武器、ボウ

基本的に、必筋が同じであれば、あるステータスが上昇すれば、別のステータスが代わりに下降するように設定されています。具体的には、


威力+5(追加ダメージ+1)

命中力修正+1

クリティカル値-1


上記の3要素は等価です。つまり、威力が5上昇すると、命中力修正が-1またはクリティカル値+1となります。


〈ソード〉を基準とすると、多くの場合


〈アックス〉

威力+5クリティカル値+1

〈メイス〉

威力+5命中力修正+1クリティカル値+2

〈格闘〉※パンチ

命中力修正+1クリティカル値+1


のような法則性があります。


また、必筋が1上がると、威力が+1されます。


Bランク〈ソード〉の場合、「必筋 = 威力表」です。


詳しい計算式は省略しますが、出目10でクリティカルする場合、威力が5上がるとダメージ期待値は+1です。

※無限等比級数の和

※クリティカルを考慮しない場合、威力が6上がるごとにダメージ期待値が1上昇します


 スタッフ

ドルイドの魔法戦士等を除き、カテゴリ〈スタッフ〉の武器を近接攻撃で使用する状況は限定的です。

※〈宿り木の棒杖〉加工ができるのは、カテゴリ〈スタッフ〉の武器のみです


今回の考察では詳しく触れませんが、マナスタッフ等特別な効果が設定されている〈スタッフ〉は打撃武器としての威力が低めであることに注意が必要です。

※モンストラスロア48ページ記載のカテゴリ〈スタッフ〉の武器は、カテゴリ〈メイス〉の武器の威力を5下げて防護点を+1に変更した性能となります。性能はメイスに近く、筋力さえ合えば実用性は高いです。


 ガン

カテゴリ〈ガン〉は、威力が設定されていません。


代わりに、最大装填数と射程が設定されています。


最大装填数が少ないほど、また、射程が短いほど、他のステータスが上昇します。


〈ロングバレル〉は装填数が1と少ない代わりに、命中力修正や追加ダメージが優秀です。


そのため、高レベル帯の作成でも最有力候補の一つです。

※カテゴリ〈クロスボウ〉〈投擲〉は、今回の考察から割愛します


Aランク

《武器習熟A/**》は、初期作成から習得できます。


アタッカー構成の前衛なら、宣言特技と選択になります。宣言特技で


《薙ぎ払いⅠ》(ファイター)

《鎧貫きⅠ》(グラップラー)


を習得するつもりなら、レベル3からの習得となるため、最速で《武器習熟A/**》を習得することになるでしょう。


《武器習熟A/**》を習得すると、指定カテゴリの武器によるダメージが+1されます。


必筋15の「用法:1H」の〈ソード〉の威力は


○ブロードソード(Bランク)

15

○タルワール(Aランク)

20


B→A:威力+5(ダメージ期待値+1)


となります。特技による上昇分と合わせると、


B→A:ダメージ期待値+2(うち、特技分+1)


武器と特技の上昇分は半分ずつです。

※初期作成の場合、グラップラーは武器の価格が安いので《武器習熟A/格闘》の習得がお勧めです。ファイターの場合、1200Gの初期資金でAランク装備は少々厳しいですが、Bランク武器を購入する場合でも、特技の固定値分はリスクなしでダメージを増やせるため選択肢の一つです。


Sランク

Sランク武器を装備するためには《武器習熟S/**》の習得が必須です。


《武器習熟S/**》の習得には、前提として


《武器習熟A/**》


の習得が必須で、合計2枠必要です。


《武器習熟S/**》は、レベル5から習得できます。


前衛ならいずれ習得したい《頑強》や、魔法戦士なら基本的に習得する《マルチアクション》を同じレベル5から習得できることを踏まえると、レベル5の特技は競合が激しいです。


それでも、アタッカーならなるべく最速で、妥協してもレベル7までに習得したいところです。


《武器習熟S/**》を習得すると、《武器習熟A/**》と合わせて指定カテゴリの武器によるダメージが+3されます。


《武器習熟S/**》のみの上昇分は+2です。


この差は意外と大きく、特に攻撃回数の多いグラップラーや《薙ぎ払いⅠ》を習得しているファイターは、装備する武器がAランクだとしても習得する価値があります。


必筋15の「用法:1H」の〈ソード〉の威力は


○ブロードソード(Bランク)

15

○タルワール(Aランク)

20

○ミスリルソード銀製(Sランク)

25


B→S:威力+10(ダメージ期待値+2)

A→S:威力+5(ダメージ期待値+1)


となります。特技による上昇分と合わせると、


B→S:ダメージ期待値+5(うち、特技分+3)

A→S:ダメージ期待値+3(うち、特技分+2)


実は、武器よりも特技による上昇分の方が大きくなります。

※よく筆者は「武器習熟Sは特技の固定値のために取るもの」と言っているのですが、知人は理解してくれません。でも、知識を重んじる皆さんなら分かってくれますよね?知識は偉大です。皆さんもキルヒア様を信仰しませんか?


メイスは少々事情が異なります。


A→S:命中力修正+1


となり、命中しやすくなる代わりに威力はそのままです。


SSランク

SSランク武器を装備するには《武器の達人》の習得が必須です。


《武器の達人》の習得には、前提として


《武器習熟A/**》

《武器習熟S/**》


の習得が必須で、合計3枠必要です。


《武器の達人》は、冒険者レベル11以上で習得が可能です。


SSランク武器を購入する資金さえあれば、最速で習得しましょう。

 

※ファイターの作成例(レベル11)

01《武器習熟A/ソード》

03《薙ぎ払いⅡ》

05《武器習熟S/ソード》

07《頑強》

09《超頑強》

11《武器の達人》

 

※フェンサーの作成例(レベル11)

01《武器習熟A/フレイル》

03《必殺攻撃Ⅲ》

05《武器習熟S/フレイル》

07《回避行動Ⅱ》

09《頑強》

11《武器の達人》

 

※バトルダンサーの作成例(レベル11)

01《必殺攻撃Ⅲ》

01《武器習熟A/ウォーハンマー》

03《抵抗強化Ⅱ》

05《武器習熟S/ウォーハンマー》

07《回避行動Ⅱ》

09《頑強》

11《武器の達人》

 

SSランクはすべて〈魔法の武器〉です。〈魔法の武器〉化することはできません。

 

SSランク武器のダメージ期待値はSランク武器よりも高くなります。

 

ただし、SSランク武器には、Sランク以下の武器とは明確に異なる点があります。


それは「両手武器は、追加ダメージが高く設定されている」ことです。


「用法:1H両」の〈ハイペリオン〉は、両手持ちで使用すると威力が10上昇するだけでなく、追加ダメージが+1から+3に変更されています。


〈魔法の武器〉のSランク武器と比較すると


S→SS(用法:1H):威力+10

S→SS(用法:2H):威力+10&追加ダメージ+2


「威力+5 = ダメージ+1」として換算すると


S→SS(用法:1H):ダメージ+2

S→SS(用法:2H):ダメージ+4


となりました。Bランク武器との比較は、以下のようになります。


B→SS(用法:1H):ダメージ+7

B→SS(用法:2H):ダメージ+9


基本的にSSランク武器は「用法:2H」のビルドで採用すると効率がよくなります。


また、SSランクは特殊な効果を持つものもあります。これらの武器は、計算式が異なります。

※Sランクで特殊な効果を持つ武器(〈首切り刀〉など)については、計算式は通常武器を〈魔法の武器〉化した場合と同じです


基本的には、有利な効果を持つものは本来の計算式で得られる威力よりも低威力となります。


一方、〈ガイスター〉は不利な効果が設定されている代わりに、本来の計算式で算出されるはずの威力よりも高威力となっています。


魔法の武器化

中~高レベルの作成を複雑で面白くさせる要素の一つです。


特に中レベル帯では、資金の都合上


「B(A)ランクなら魔法の武器化できるが、A(S)ランクならできない」


といった事態が発生しがちです。これについて考察します。


〈魔法の武器〉化は、既に〈魔法の武器〉である武器に施すことはできません。


たとえば、Sランクのソード〈首切り刀〉は魔法の武器であることを表すマークが記されています。


〈魔法の武器〉化の費用は、それぞれ


B:5000G

A:10000G

S:20000G


です。ランクが上がると2倍になります。効果は、一律


命中力修正+1

追加ダメージ+1


です。「威力+5 = 追加ダメージ+1」と仮定すると、性能が高い順に

※戦闘特技による上昇分を含まない


Sランク(魔):命中+1、ダメージ+3

Aランク(魔):命中+1、ダメージ+2

Bランク(魔):命中+1、ダメージ+1

Sランク(通):ダメージ+2

Aランク(通):ダメージ+1

Bランク(通)


となります。Sランクの通常武器と、Bランクの〈魔法の武器〉が同じくらいの性能です。

※練技【キャッツアイ】の命中力修正+1に対し、練技【マッスルベアー】は追加ダメージ+2のため、同じ値なら命中力を高く評価しました


必筋が同じ武器があるなら、Aランクの通常武器よりはBランクの〈魔法の武器〉の方が高性能です。


ただ、どの武器を選ぶかは、最終的には資金と相談です。


必筋15の「用法:1H」の〈ソード〉で総コストを比較すると、


Sランク(魔):27500G

Aランク(魔):11210G

Bランク(魔):5340G

Sランク(通):7500G

Aランク(通):1210G

Bランク(通):340G


となりました。

※Sランク〈ミスリルソード〉のみ銀製です。厳密には同条件ではありません。


性能順と総コスト順は、概ね一致しています。


イグニダイト加工

イグニダイト加工の費用は、それぞれ


B:5000G

A:10000G

S:20000G

SS:40000G


です。B~Sランクに関していえば、〈魔法の武器〉化と同じコストです。


性能については、


○B~Sランク

威力+5(=ダメージ+1)

○SSランク

威力+10(=ダメージ+2)


となります。B~Sランクについては〈魔法の武器〉化を施した上で、それでもなお資金に余裕があれば検討することになるでしょう。


まとめ

武器ランク上昇によるダメージ上昇をまとめると、以下のようになりました。


  特技 武器 特技+武器 累計
B→A  +1  +1        +2  +2
A→S  +2  +1        +3  +5
S→SS(1H)    +2          +7
S→SS(2H)    +4    +9


キャラクター作成と所持金の制約は切り離せない関係にあります。


限られた所持金で作成する以上は、費用対効果の高い要素から順に投資することになるでしょう。


SSランクの武器を使用するなら「用法:2H」の武器がおすすめです。


Sランク武器は〈首切り刀〉〈カーメンキャッパー〉等優秀な武器が揃っています。


《武器の達人》を採用するなら、上昇幅が大きい「用法:2H」の武器を装備する可能性が高いでしょう。


SSランク武器を採用する機会は限定的ですが、レベル11以上の作成ならぜひ一度は使ってみたいものです。

※筆者はいつもエルフで後衛をするので、残念ながらなかなかその機会に恵まれることはありません


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