目次
ビルド考察の前提
公式シナリオの敵
オリジナルシナリオの敵
少数の強敵を出すメリット
少数の強敵を出すデメリット
ビルド考察の前提
このブログでは、SW2.5のビルド考察の記事を書いているのですが、(今まで書いていませんでしたが)大前提があります。
それは、「公式シナリオの環境を想定している」ことです。
したがって、オリジナルシナリオ卓ではかみ合わない可能性もあります。
そのような卓では、最適な構成は「卓による」としか言いようがない…と思っていましたが、最近オリジナルシナリオの敵には、特定の傾向があるのではないか、という仮説が立ちました。
あくまで筆者の知人の話なので、一般的に当てはまる保証はありません。
公式シナリオの敵
公式シナリオの場合、ボス戦は複数の敵と戦うことが多いです。
典型的な3~5人向けシナリオの場合、決戦はボス1体と取り巻き2~4体、という具合に調整されています。
敵ボスが複数部位であれば、取り巻きの数は減るか、最少人数ならいなくなることもあります。
PCの人数と敵の数が近いため、敵のレベルも離れすぎず、バランスが取れています。
オリジナルシナリオの敵
一方で、筆者の知人のGMは、少数の強敵を出す傾向があります。
実際、筆者もシナリオを作り始めた時は、この傾向が強かったです。
敵の数が少ないということは、敵ボスは公式シナリオの平均的な敵ボスよりも強くなります。
自分のオリジナルシナリオもこの傾向があったので、GMの心理はある程度予想がつきます。少数の敵を出すメリット、デメリットを考察したいと思います。
少数の強敵を出すメリット
まず、GMの処理が楽です。
敵の数が少ないため、当然といえば当然です。
次に、プレイヤーは「強敵と戦った」といった実感が得られます。
レベル4の4人パーティで、レベル7の魔神を倒したら、その充足感はひとしおです。
最後に、これは結果論なのですが、GMが出そうとした魔物が強すぎた結果、取り巻きを削除せざるを得なくなった、というものです。
調整の一環として、強敵を登場させるために取り巻きを減らすのは選択肢の一つです。
少数の強敵を出すデメリット
最大のデメリットは、特定技能の活躍の場がなくなることです。
前衛と後衛に分けて考察してみます。
前衛
結論から言えば、強敵を出す卓では、ファイター一択となる可能性があります。
前衛は、タンクの性能が重要です。タンクは大まかに分けて二つあり、防御型と回避型に分類されます。
防御型の場合、たとえば防護点が10点なら、期待値で打撃点が15点の敵に対しても、20点の敵に対しても、等しく「10点」の物理ダメージを軽減します。
一方、回避盾はオール・オア・ナッシングです。
魔物のレベルが上がる場合、単純に考えると命中力・回避力・打撃点は1点ずつ上昇します。
防御型のファイターの場合、敵のレベルが1上昇してもほとんど影響はありません。
※魔物が習得している宣言特技等が高レベルのものに置き換わるため、実際のダメージはもっと増えます
ファイターと対照的に、回避盾は弱い敵に対する完封性能は高いものの、強敵に対してまともに機能しないという特徴を持ちます。
フェンサーが嫌いなら、高レベルの強敵を自陣で登場させると存分に痛めつけることができます。
したがって、モンストラスロアを導入して、他のPLに後衛のドルイドをしてもらうようなケースを除くと、グラップラーやフェンサーは候補になく、ファイター一択となってしまう可能性があります。
※公式のバランス調整でも、レベル7の作成は実質ファイター一択のような状況になりがちなので、レベル帯によってはファイター一択になってしまうことはあります。そもそもファイター自体が強いです。
後衛
前衛の場合、命中力や回避力、ダメージを上げるバフが豊富なため、少数の強敵と戦うことが予め分かっているのなら、パーティ全体で協力して前衛を強化する選択が取れます。
しかし、魔力や魔法行使判定を上げる手段が限られている魔法使いは、適正レベル以上に敵レベルが上がると、ダメージディーラーとして活躍することは難しいです。
また、ダメージディーラー向け技能であるソーサラーやフェアリーテイマーは、「対象:1エリア」の魔法を習得する中レベル帯以上で活躍が難しくなります。
※妖精魔法は、味方を強化するバフは意外と少ないです。純粋な回復等は得意です。
仮に抵抗されても、本来のダメージの半分は通るため《魔法制御》アタッカーは、敵が3体以上いれば1.5体分以上のダメージを与えることができます。
上記が、後衛は《魔法制御》型が強いと言われる理由の一つです。
しかし、敵の数が少ないと、エリア攻撃型のPCは活躍の場がなくなります。
まとめると「PLが望むなら(当日のパーティが強敵に対応した構成なら)、本来から外れた強さや数の敵を出しても問題ないが、総合的なバランスを考えるなら公式シナリオの調整を参考にすべき」となります。