※2024年年末に開催されたオフセッションキャンペーン卓(全10回)の第5回シナリオです。

※前編・後編の2パートに分かれています。

 

※作成レギュレーション9-10(50000経験点、80000G、700名誉点、28回成長)

→ルールブックⅢ72,74頁参照

 

◯必要なもの

ソード・ワールド2.5ルールブックⅠ〜Ⅲ

キャラクターシート

筆記用具

ダイス

 

◯GM向け記載事項

 

◯シナリオNPC(ユリウス)

 

◯サンプルキャラクター(4人)

以下、シナリオ本編です(ネタバレ注意!)

〇冒険者の追憶・前編(S7-1

想定PL人数:2人~4

 

3人以下の場合、下記のような裁定を適用する

ユリウス(ゆとシート)を各種判定(魔物知識判定・先制判定を含む)に参加させる

2人の場合、下記のような裁定を適用する

ユリウス(ゆとシート)を含む3人で戦闘を開始する

 

○サンプルキャラクター組み合わせ例

2人:フェリクス、セシリア、ユリウス(フェロー)

3人:フェリクス、セシリア、フィンセント

4人:フェリクス、セシリア、フィンセント、アシュリー

 

〇シナリオの概要

君たちに聖杯探しを依頼した冒険者の領主がギルドを訪れた。また別の依頼があるという。

彼の領地の村で原因不明の病気が流行しているらしい。原因を突き止め、解決してほしい。

 

〇シナリオの流れ

1 プロローグ

2 遭遇

聞き込み

4 決戦

エピローグ

 

 

1 プロローグ

 

多くの冒険者が集う街、港湾都市ハーヴェス。

時刻は夕方。皆さんがギルドで暇そうにしていると、エルフの男性が話しかけます。

 

ユリウス「君たちがラダック村で聖杯を見つけてきてくれた冒険者か。この前はご苦労だった」

 

彼はアリアナにラダック村の遺跡調査を依頼した人物です。話には続きがあるようです。

 

ユリウス「私が領主をしている地域の村落で原因不明の病気が流行している。アリアナに調査を依頼するはずだったが、彼女は神出鬼没だ。彼女に同行していた君たちに声をかけることになった」

 

・依頼主は、その地域の領主ユリウス(29歳エルフ男性)

・依頼内容は、原因不明の病気が蔓延する村落で調査を行い、原因を解明すること

・村へは、領主であるユリウスが直接案内してくれる

・基本報酬は1人あたり10000G

・ただし、不測の事態が発生した場合は追加報酬が支払われることがある

 

※プレイヤーが2人の場合、以下の台詞が追加されます

ユリウス「この人数では心許ないな。私も参戦しよう」

 

村への行程は一日がかりです。現在、他に依頼はありません。ユリウスが自己紹介をします。

 

ユリウス「先代の当主が急逝して、一人息子だった私は借金を背負うことになった。銃の腕に自信があり、失われた家門を取り戻すため冒険者となった。ユーシズ魔道学院で事件を解決した際、貴重な文献を発見して女王に功績を認められた。今は母や3人の姉を呼び寄せて貴族の座に返り咲き、冒険者を引退したが、今もなお冒険者として活動していた頃を懐かしく思い出すことがある」

 

2 遭遇

 

村に向かう途中、巨大な蛇と遭遇しました。

 

※プレイヤーが2人の場合、以下の台詞が追加されます

ユリウス「血が騒ぐな。私の二丁拳銃の腕を見せよう」

 

ノイジィラトルスネイク(Ⅱ399頁)

知名度17、弱点値20

 

〇剣のかけら

3人:5×部位数(生命抵抗力12+2d、精神抵抗力12+2d

4人:10×部位数(生命抵抗力13+2d、精神抵抗力13+2d

 

巨大な蛇が襲い掛かります。目標値15で先制判定をどうぞ。

 

〇戦利品表

自動:770G(赤A

2-420G(赤B

5-8120G(赤A

9-320G(赤A

 

巨大な蛇を倒しました。ユリウスが言います。

 

ユリウス「村落はもうすぐだ。今夜は村に泊まることになるだろう」

 

3-1 聞き込み調査(女性)

 

村に到着しました。宿泊費はユリウスが出してくれます。

 

ビアンカ「よくぞおいで下さいました。もう夜なので、明日改めて調査して頂けたらと思います」

 

彼女は村長の孫で、名はビアンカ(16歳、エルフ)です。明日、話を聞くことができるでしょう。

 

朝になりました。ビアンカに質問することができます。

 

村について

ビアンカ「人口は250人ほどで、村民の多くは農業や漁業に従事しています。村の女性は採集に出る人も多く、果物や木の実、キノコなどが私たちの食事に並びます。都市から離れているため他の地域との交流は活発ではありません。人口構成は人間が5割、ドワーフが3割、エルフが2割です」

 

村で流行している病気について

ビアンカ「一カ月ほど前から謎の腹痛と嘔吐に悩まされる人がたびたび出るようになりました。酷い場合は痙攣する人もいます。しかし、幸いなことに命に別条はないようです。一週間ほど前から旅人の女性がこの村に滞在しているのですが、その方が神聖魔法で治して下さいます」

 

※病気知識判定(レンジャー、セージ+知力B)が可能

12以上:毒属性または病気属性の症状であると分かる

16以上:リフレッシュ(神聖10)などで治療が可能な症状であると分かる

 

旅人について(→ロクサネの宿泊先が判明する)

ビアンカ「ロクサネという人間の女性です。20歳くらいの方でしょうか。人助けがしたいということで、成人してから各地を渡り歩いていて困っている人がいたら助けているそうです。ありがたいことです。ロクサネさんを訪ねてみてはどうでしょうか」

 

ビアンカは病気に罹ったことがないのか

ビアンカ「幸いにも、私は一度も症状が出たことはありません。そういえば、エルフの村民で病気にかかった人は少ないですね。かかったのは人間やドワーフが多いみたいです」

 

 

※病気知識判定(レンジャー、セージ+知力B)が可能

 

16以上:エルフは毒や病気に耐性があることを思い出す

20以上:食べ物が原因ではないかと分かる

 

他に聞き込みができそうな人はいないか

ビアンカ「村民は朝早くから仕事に出かけるので、聞き込みができるとしたらロクサネさんと、他はバーナードが病気で休養しているみたいです。2人を訪ねてみてはどうでしょうか」

 

バーナードについて(→バーナードの住居が判明する)

ビアンカ「彼はドワーフで歳は私と同じです。他の地域は炭鉱で働くドワーフも多いと聞きますが、この村では漁業に従事する人が多いです。彼は明日か明後日には仕事に戻れるそうです」

 

動物や蛮族について

ビアンカ「このあたりは守りの剣の影響がないので蛮族が出てもおかしくはないのですが、幸いにも強力な蛮族は少なく、村民が戦えるくらいの下級蛮族しか出ないと聞いています。また、凶暴な野生動物の目撃情報もありません」

 

最後に、聞き込み判定(冒険者レベル+知力B)が可能です。

 

【達成値16以上19以下】

さらに、1つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

【達成値20以上】

さらに、2つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

 

※すべての情報の開示に成功すると、以下の台詞が追加され月光の魔符(+3を人数分獲得します

ビアンカ「話を聞いて頂き、ありがとうございました。どうか病気の原因を突き止めて下さい」

 

ビアンカへの聞き込みが終わりました。引き続き、聞き込みを行うことができます。

 

3-2 聞き込み調査(男性)

 

バーナードの住居に到着しました。ドワーフの男性が出迎えます。

 

バーナード「村長が依頼した冒険者か。ここ最近、謎の病気が流行っているんだ」

 

彼はバーナード(16歳、ドワーフ)です。バーナードに質問することができます。

 

村について

バーナード「俺たちドワーフは漁業をしている者が多いが、ビアンカのようなエルフは狩りや採集をする者が多い。頭がよくて動きが素早いのが多いからな。人間は漁業をする者もいれば、狩りや採集をするのもいる。村の外のことはよく知らないな」

 

村で流行している病気について(→「決戦」に進めるようになる)

バーナード「一カ月ほど前からかな。流行り出したのは。一週間くらい前からロクサネという旅人がこの村に来ていて、すぐに治してくれるんだが、いつまでも頼り切りという訳にはいかないよな。気のせいかもしれないが、採集してきた果実やキノコをたくさん食べた日ほど、その後病人がよく出る気がするんだ。エルフが採集している場所なら知っているな」

 

旅人の資金源について

バーナード「まったく気にしていなかったが、ロクサネが生計を立てている方法は気になるな。各地で役に立っているみたいだし、パトロンでもいるんじゃないのか。ドーデン地方の出身と言っていたはずだ」

 

病気に罹った時の症状について(→ロクサネの宿泊先が判明する)

バーナード「自分は大丈夫と思っていたが、3日前急に腹痛に襲われてな。めまいもしたが、ロクサネという神官の旅人が来てすぐ治してくれた。神聖魔法ってすごいんだな。村に神官はいない。あれは驚いた。ロクサネに会ったら、念のためもう一度俺の家に来て欲しいって言ってくれないか」

 

 

※病気知識判定(レンジャー、セージ+知力B)が可能

 

16以上:エルフは毒や病気に耐性があることを思い出す

20以上:キノコによる食中毒が原因ではないかと分かる

 

ビアンカについて

バーナード「村長の孫娘だ。結婚はしていない、この歳のエルフはまだガキ扱いだからな。村の外の世界を知りたいと言っているが、村長は少し頭が固いんだ。その願いは叶いそうにないな。村の連中が捕ってきた魚や果実やキノコをまとめて調理する係といったところだな」

 

動物や蛮族について

バーナード「強い蛮族や野生動物が出た、という話は聞いたことがないな。それに、ロクサネは戦闘もできるらしいな。武勇伝を聞かされたよ。牛の頭がついた蛮族が『人族の女だ』と言って、襲ってきたみたいだが返り討ちにしたんだってな。冗談だと思ってからかったら、証拠にその蛮族が持っていた指令書を見せてくれたよ。まぁ、俺は蛮族語を読めないんだがな」

→魔物知識判定(セージ、ライダー+知力B)が可能

 

ミノタウロス(Ⅱ379頁)

知名度10、弱点値17

 

最後に、聞き込み判定(冒険者レベル+知力B、目標値秘匿)が可能です。

 

【達成値16以上19以下】

さらに、1つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

【達成値20以上】

さらに、2つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

 

※すべての情報の開示に成功すると、以下の台詞が追加され陽光の魔符(+3を人数分獲得します

バーナード「話を聞いてくれてありがとう。頼む、病気の原因を突き止めてくれ」

 

3-3 聞き込み調査(神官)

 

ロクサネの宿泊先に到着しました。神官の女性が出迎えます。

 

ロクサネ「冒険者の方ですね。村長からお話は聞いております」

 

彼女はロクサネ(20歳、人間)です。ロクサネに質問することができます。

 

彼女は用心が浅いようです。手荷物に見知らぬ言語(汎用蛮族語の読文を習得していれば、汎用蛮族語と分かる)で書かれた手記が見えます。

 

スリ(スカウト+器用度B)を試みれば、内容を知ることができるかもしれません。

※ロクサネは平目で危険感知判定を行う

※内容を読むと、最後のページに別の言語(ドーデン地方語)で「私が倒したミノタウロスの証拠」と書かれている

※スリが露見した場合、以下の台詞が追加される(→「動物や蛮族について」の情報を開示する)

ロクサネ「あなたを見損ないました…でも私は優しいので今回ばかりは許してあげます。でも、次に私の物を盗もうとしたら許してあげないですからね?改心して下さいね。これは、私が蛮族を倒した時の証拠品なのです」

 

村について

ロクサネ「村の皆さんは自給自足の生活を送っていて、のどかでとてもいい村ですね。私も、生まれ育ったのはこのような村です。守りの剣の影響を受けないため、蛮族が出ないか心配ですね。でも、私は戦えるのでいざという時は村の皆さんを守ってみせますよ」

 

村で流行している病気について

ロクサネ「一カ月ほど前から謎の腹痛と嘔吐に悩まされる人がたびたび出るようになったそうです。皆さんは私が治してあげていますよ。魔法で治せる症状のようです」

 

ロクサネについて

ロクサネ「私ですか?5年前、成人して故郷を旅立ちました。子どもの頃、村を訪ねてきた村人に外の世界を教えてもらったのです。私も、旅をしたいと思いました。神聖魔法が使えますから、各地の村で困っている人を助けてあげるようなこともしていますよ」

 

ロクサネの信仰する神は何か(聖印を見せてくれる)

ロクサネ「私は賢神キルヒア様を信仰していますよ。故郷に神殿があります。これが聖印です」

 

旅の資金源について

ロクサネ「そうですね、あなた達は冒険者なので、特別に教えてあげましょう。私は、神聖魔法の他に、操霊魔法も使えます。リザレクションという魔法をご存じですか?世の理に背いて、死者を蘇生する魔法です。この世に未練のある冒険者の方は、高額な費用を払って私に『まだ生きていたい』とお願いするのです。その気持ちはよく分かります。願いを聞いてあげることで、旅を続けられます。操霊魔術師が迫害されている集落もありますから、くれぐれも村の方には内緒でお願いしますね」

 

ロクサネは病気に罹ったことがないのか

ロクサネ「私は罹ったことがないです。罹る人もいれば、罹らない人もいるようです。エルフの方は罹りにくいみたいです。もし罹っても、魔法ですぐに治せますよ」

 

他に聞き込みができそうな人はいないか(→森に行けるようになる)

ロクサネ「皆さんはお仕事で出かけているので、戻られるまでは聞き込みができそうにないですね。森に採集に行った方に会いに行けば、仕事の合間ならお話を聞けるかもしれませんね」

 

バーナードについて

ロクサネ「彼は酷い症状でしたが、私の魔法ですぐに治りましたよ。もし体調が悪くなるようなことがあれば、私を呼んで欲しいと言ってあります。彼に会いましたか?」

 

動物や蛮族について(→蛮族語で書かれた指令書を見せてくれる)

ロクサネ「凶暴な動物や蛮族は少ないと聞きますが、私も冒険者並みに戦うことはできますよ。私がいれば安心です。牛の頭のついた蛮族が私を襲ってきましたが、返り討ちにしましたよ。誰も信じてくれないのですが、これが証拠です。私にバニッシュをかけて蛮族が化けていないか確かめてもいいですよ。厳しいこの世界を生き抜くのに、慎重になるに越したことはありません」

 

最後に、聞き込み判定(冒険者レベル+知力B)が可能です。

 

【達成値16以上19以下】

さらに、1つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

【達成値20以上】

さらに、2つの情報が得られました(聞き込みしていない情報を開示する)

 

※すべての情報の開示に成功すると、以下の台詞が追加され15点魔晶石を人数分獲得します

ロクサネ「お話を聞いて頂き、ありがとうございます。あなた方のお役に立てればと思います」

 

4 決戦

 

※ロクサネに聞き込みを行っていた場合、他に聞き込みができそうな人がいないか尋ねていれば森への行き方を教えてくれる

※森への行き方を知らない場合、足跡追跡判定(スカウトorレンジャー+知力B、難易度16)に成功すれば森に辿り着くことができる(時間をかけて再挑戦できる)

 

森にやってきました。ここでは探索(スカウトorレンジャー+知力B)が可能です。

 

自動:人数分のキノコを見つけました

16以上:さらに、人数分の5点魔晶石を見つけました

20以上:さらに、人数分の10点魔晶石を見つけました

 

キノコを見つけると、ユリウスが一口で食べました。彼は言います。

※シークレットダイスで生命抵抗力判定(目標値16、「優しき水」で+2のボーナス修正)を行う

 

成功:「これは私の生まれ育った集落でよく見かけたキノコだ。何度か食べたこともある」

失敗:「ん?少し気分が悪いな。前に食べた時は平気だったのだが…」

 

皆さんも、キノコを食べることができます。

※生命抵抗力判定を行う。毒属性、「優しき水」のキャラクターは+2のボーナス修正

 

16以上:あなたはHPMP2d点回復しました。

15未満:あなたは毒キノコを食べてしまいました。HPMP2d点減少します。

 

また、このキノコを見て薬品学判定(レンジャー、セージ+知力B)が可能です。

 

12以上:致死性の低い毒キノコであることを思い出しました

16以上:この地域に生えている食用キノコによく似ていると思いました

20以上:ドーデン地方に自生する毒キノコであることを思い出しました

 

ユリウスが思い出したように言います。

 

ユリウス「エルフは少々の毒なら気にせず何でも食べることができる。エルフの病人が少ないという話だったが、このキノコが原因か?」

 

村に戻って報告すれば、村の病気は解決するかもしれません。

 

GM向け記載事項

次のいずれかを満たせば、4-1に進みます。満たさなければ、4-2に進みます。

1 バーナードがロクサネに来てほしいと言っていたことをロクサネに伝えていない

2 ロクサネに対してスリを試みた結果、露見した

 

4-1 決戦(蛮族+神官)

 

村に戻ろうとすると、大きな角と青黒い肌を持つ蛮族と覆面の女が姿を現しました。

 

ディアボロルテナント(Ⅱ391頁)

知名度19、弱点値22

 

邪教の高司祭(Ⅲ442頁)

知名度13、弱点なし

※蛮族を倒すか、HPが半分以下(端数切り上げ)になると投降する

 

〇剣のかけら【ディアボロルテナント】

3人:なし

4人:5×部位数(生命抵抗力15+2d、精神抵抗力15+2d

 

神官は蛮族に従っているように見えます。目標値19で先制判定をどうぞ。

 

〇戦利品表

自動:アビスシャード(200G×1d

2-7300G(金A×1d

8-122200G(金S

13-4900G(金S

 

蛮族を倒し、神官の女は投降しました。覆面を取ると、正体はロクサネでした。

ロクサネ「私は・・・ここで死ぬのでしょうか」

 

4-2 決戦(蛮族)

 

村に戻ろうとすると、大きな角と青黒い肌を持つ蛮族が姿を現しました。

 

ディアボロルテナント(Ⅱ391頁)

知名度19、弱点値22

 

〇剣のかけら

3人:なし

4人:5×部位数(生命抵抗力15+2d、精神抵抗力15+2d

 

蛮族が襲い掛かかります。目標値19で先制判定をどうぞ。

 

〇戦利品表

自動:アビスシャード(200G×1d

2-7300G(金A×1d

8-122200G(金S

13-4900G(金S

 

蛮族の持ち物から、汎用蛮族語で書かれた計画書を見つけました。

※ユリウスが汎用蛮族語の読文を習得しています

 

ユリウス「どうやら、彼は人族の都市を乗っ取るため、まずはこの村の者を仲間に引き入れることを計画していたようだ。そのため、第二の剣の神を崇める人族の神官と協力することになった。この村に滞在している神官といえば・・・」

 

彼がそう言ったとき、誰かが駆け寄ってきます。

 

ロクサネ「すごい音がして見に来ましたけど、皆さん大丈夫ですか・・・なんということでしょう」

 

無残に倒された蛮族を見て、その場に座り込んでしまいます。ロクサネは蛮族の協力者でした。魔物知識判定が可能です。

 

邪教の高司祭(Ⅲ442頁)

知名度13、弱点なし

 

5 エピローグ

 

戦闘に敗北した場合、生死判定に成功していれば依頼されていた「村人の症状の原因の究明」を達成したとして、基本報酬を受け取ることができます。

生死判定に失敗したなら、基本報酬を受け取るためには蘇生が必要です。この村に滞在していた神官のロクサネがリザレクションを行使してくれます。蘇生費用は不要です。

 

〇基礎報酬(10000G3000経験点、+2成長)

条件:原因の解明

 

○戦闘に勝利→5-1

○戦闘に敗北→5-2

 

5-1 エピローグ(戦闘に勝利)

 

※誰も言わなければユリウスが言います

ユリウス「死にたくなければ正直に話すことだ」

 

ラーリス神官のロクサネは投降しました。正直に話せば処刑されることはないと知ると邪神を崇めるようになった経緯や、村の計画について話し始めます。

 

ロクサネはドーデン地方の村の出身でした。成人する半月ほど前、毒キノコで生死をさまよう経験をしました。

山菜を集めるために1人で森に出かけていたとき、身体に毒が回って動けなくなりました。そのまま森で夜を迎えます。私はまだ死にたくない、と神にすがる思いでした。

 

故郷の森は夜になると凶悪な蛮族が活動すると言われていました。意識が朦朧とする中、大柄な蛮族が近付いてくるのが分かりました。

彼女はこのまま何もできずに蛮族に殺されるのだろうか、たとえそうでなくともゆっくりと死を待つだけだろうか、などと考えました。

 

すると、近付いてきた蛮族は交易共通語で「まだ生きていたいか?」と語りかけます。ロクサネは力を振り絞り頷きました。

蛮族はロクサネに魔法をかけました。すると、彼女の身体から毒が消えてなくなりました。その後、傷を癒す魔法をかけ、倒れていたロクサネはすっかり元気になりました。

 

蛮族の正体はダークトロールアデプト(→Ⅱ388頁)です。続いて「この力が欲しいか?」とロクサネに尋ねました。彼女は頷きます。

すると、彼は「汝に主の加護があらんことを」と言って儀式を行いました。彼は言います。

 

蛮族「我が人族の社会にこの教えを広めることはできないが、汝ならできる。私は蛮族だが汝は人族だ。与えられたその命の意味を考えよ。己の為すべきことを。

主の教えは邪教として人族の社会で迫害を受けている。だが、その教えは汝の命を繋ぎとめた。私は主の教えが正当な教えとして認められるべきだと考えている。

主の教えを広めよ。そのために持たざる人間に恩を売り、仲間とせよ。それが汝の為すべきこと」

 

そう言うと、蛮族は暗闇の中に消えていきました。手元にはラーリスの聖印があります。

ロクサネはラーリスが邪神であることを知っていました。でも、ラーリスを信仰する蛮族は彼女の命の恩人です。「死にたくない」という願いが、神に届いたかのように思えました。きっと、トロールはラーリスによって遣わされたのでしょう。そう思うことにしました。

 

半月後、彼女は成人すると村を出て各地を渡り歩く旅に出ます。旅の目的はラーリスの教えを広めることでした。当然ながら、彼女の真意は秘匿されました。

彼女は汎用蛮族語を習得し、トロールたちと協力しながら各地で信徒を獲得していきました。

 

また、神聖魔法のほかに操霊魔法を習得したのは、この世に未練を持つ者のためにリザレクションを行使するためです。また、蘇生された冒険者が支払う高額な蘇生費用で旅の資金を得ていました。

また、彼女は自身が死を極端に恐れているため、人を殺すことができません。もし、戦闘であなた達が敗北して死亡しても、無償でリザレクションを行使するつもりでした。

 

5年の年月が経ち、神官としての実力は彼女を救った蛮族と同等まで成長しました。

ディアボロルテナントは人族の都市を乗っ取る計画を立てていたため、穢れのない人族の配下を必要としていました。ロクサネはラーリスの教えを広めるため、2人の利害は一致しました。

 

彼女は、素晴らしい教えを広めているつもりでした。人を殺めてはいけないという考えから致死性の低い毒キノコを村の周辺に植えることにしました。村の病気を治す親切な神官を演じながら、邪神の教えを広めようとしていたのです。

 

ユリウスは次のように言います。

 

ユリウス「脅せば服従させることはできるが、本来信仰とは強制されるべきものではない。かつて、この者は神官に命を助けられたことがある。誰かを助けたいという思いは本物だろう。問題は、この者を救ったのが第二の剣の邪神を崇める神官だったことだ。

レベレイションによる祝福を受けた者はその神に仕える者となり、同時に他の神への信仰を失う。ハーヴェスには高位の神官もいる。神官になりたい者がいると言って紹介すれば、喜んで協力してくれるだろう。

この者は我々と渡り合えるほどの実力者で、投獄するには惜しい人材だ。ハーヴェスに預けてみようと思う」

 

プリースト技能レベル10以上のキャラクターがいれば、レベレイションを行使して信仰する神の聖印を与えてもよいでしょう。

 

〇ボーナス(+10000G+4000経験点、+2成長)

条件:戦闘に勝利

 

○名誉点(人数による調整)

3人:+70

 

5-2 エピローグ(戦闘に敗北)

 

戦闘に敗北しました。しかし、蛮族の姿はありません。

神官のロクサネが駆け寄ってきます。大丈夫ですか?と声をかけてきました。蛮族を追い払ったとのことです。操霊魔法が使えるため、必要なら無償で蘇生を行うと申し出ます。

 

あなた達は彼女の申し出に違和感を覚えたかもしれません。とはいえ、彼女が蛮族を追い払ったのでとどめを刺されずに済みました。村を後にしながらユリウスは言います。

 

ユリウス「命拾いした。とんでもなく強い蛮族だったな。ところで、死者を蘇生することに拒絶反応を示さない神官とは珍しいな。第一の剣の神を信仰する者は穢れに対して否定的だ」

 

次回