【書き起こし】「イタリアで劇場に行こう」まいにちイタリア語2018年12月21日放送分第22課 | Laylahの猫足イタリア語

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らいらです。「NHKまいにちイタリア語」でのやり直しイタリア語の学習記録をぺたり♪イタリア語で伝える愛の言葉・愛の表現もどうぞ☆

ひらめき電球今日覚えた使えるイタリア語
 
 
 
 
本 Lezione 22 台詞劇に行ってみよう!(3) Andiamo a vedere il teatro di prosa!(3)

 

 

 

2018年12月21日放送分の書き起こし
 
 
 
メガネ 今日は劇場に関連する単語を覚えながら、その知識を深めていきましょう。

女の子 Sono sicura che vi sarà utile. Allora, incominciamo!
 
 
 
 

 

 

Lezione 22

 

 

 
 
メガネ 今週のテーマは、
 
 
 
 
Andiamo a vedere il teatro di prosa!(3)

 

台詞劇に行ってみよう!(3)です。

 

 

 
 
 
 
今日の3つのキーワード。

 


1つ目は?

 

 

 

 

 

finzione 虚構

 

 

 

 

 

2つ目は?

 

 


inquietante 不安を誘う

 

 

 

 


3つ目は?

 

 

 

 
espediente 手法、方便

 

 

 

 

 

女の子 Siete pronti?

 

 

 

 

 
メガネ では、今週のスキットを聞いてみましょう。


女の子 Ascoltiamo!

 

 

 

 

 

<スキット省略>

 

 

 
 
 
 
メガネ それでは、今日のキーワードを見ていきましょう。
 
1つ目は?

 

 

 

finzione
 

 


スキットではどこに出ていたでしょうか。聞いてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

Si crea un conflitto tra "realtà" e finzione.

「現実」と虚構の間に軋轢を生む。

 

 

 
 

 

 

この作品が書かれた当時の伝統的なお芝居なら、舞台上のお芝居が finzione 虚構の世界であって、観客は realtà 、つまり現実の世界からそれを見るわけですよね。

女の子 Ma in questo opera il mondo degli attori che fanno le prove sembra un prolungamento della realtà. È squallido, confuso.

メガネ でも、この作品では、稽古をしているという俳優たちの世界は、まるで現実の延長線上のようにわびしく雑然としています。

しかも、俳優たちが演じるのが、俳優や座長なんですよね。

女の子 Da così, l'impressione che il confine tra realtà e finzione sia vago.

メガネ 現実と虚構の境界が曖昧になる感じを与えます。

この俳優や座長たちの世界、つまり「現実」(カッコ付きの現実)の中に、とある作者の想像から生まれたという登場人物たちが現れる、つまり finzione 「虚構」が入り込んでくるわけです。

女の子 Questa commedia fu rappresentata per la prima volta nel 1921. E molto probabilmente per il pubblico dell'epoca che aveva visto solo opere dalla tramma lineare dovette provocare un certo imbarazzo.

メガネ この作品は1921年に初演ということですが、おそらく当初の観客は筋の通った作品しか見たことがなかったでしょうし、当惑するものだったに違いありません。

観客としては、どこにどう共感したらよいかわからなかったでしょうね。

女の子 Allo stesso tempo come spettatori si prende coscienza della propria partecipazione al dramma.

メガネ 同時に、劇を見ている人々は、この作品に参加している自分を意識する、つまり登場人物に共感する、というよりも、観客としての自分を意識させられますね。

また、この作品では、俳優が演じること、また演技とは何か、という素朴な疑問も投げかけています。

女の子 Per quanto gli attori provino a recitare la storia dei personaggi, non riusciranno mai a eguagliarli.

 

メガネ 芝居の中で作者に見捨てられた登場人物たちを、俳優役の人たちが演じようとしますが、決して同じようには演じられません。

小説であれば作者の思いは直接読者に届きます。一方、演劇では劇作家のメッセージは直接観客に伝わるのではなく、俳優という媒体を通さなければならないということを明らかにしてしまうんですね。

 

 

 

 

 

 

 

2つ目のキーワードは?

 

 

 

 

 

 

inquietante

 

 

 

 

 
 
メガネ スキットではどのように使われていたでしょうか。聞いてみましょう。

 

 

 

È una situazione inquietante: (...)
 
不安をかもし出す状況だよね。
 
 

 

 

この作品は、舞台上の人々にとっても観客にとっても inquietante 、つまり quieto 「穏やか」ではいられない不安に満ちています。

女の子 Innanzitutto i personaggi provano un quasi totale senso di insoddisfazione.

メガネ まず登場人物は全員不満を抱えています。

最初から、演出家も俳優も、ピランデッロなどという作家の書いたつまらない作品をやらなければならないことに不満です。

女の子 I personaggi si trovano in difficoltà perché sono stati abbandonati dall'autore che gli ha creati.

メガネ 作者に見捨てられた登場人物たちは、生みの親である作家に放り出され困っています。

そして、座長を説得し、なんとか自分たちの物語を演じようとするのですが、今度は見捨てられた登場人物たちの間で見解の違いから争い scontri が起こります。

女の子 Spesso la recitazione o la scena viene interrotta creando un senso continuo di frustrazione.

メガネ 演技や場面は途中頻繁に中断されて、フラストレーションのたまる状況が続きます。

作者に見捨てられた登場人物たちの物語というのが、またとても辛い話です。

女の子 Il padre e la madre si separano dopo la nascita del figlio, e la madre si risposa e altri figli chiamati nella commedia, la figlia, il giovinetto, e la bambina dal secondo marito, che però purtroppo muore.

メガネ 作者に見捨てられた登場人物たちですが、ある父親と母親がいて、息子が生まれた後に別れます。母親は再婚して3人の子供をもうけますが、その再婚相手は亡くなってしまいます。貧しい家計を助けようと、再婚相手との間に生まれた長女は売春をするのですが、その相手の1人が、母親が最初に結婚した男なんですね。

女の子 La storia non si può definire semplice, ma non è anche particolarmente compressa.

メガネ この話自体はそれほど複雑ではありません。

やはり「劇中劇」という複雑になっているのだと思います。

 

 

ただ、それゆえに多くの演劇人を魅了する作品で、今でもしばしば上演されています。
 
 
 
 
 
 

 

 

3つ目のキーワードは?

 

 

espediente
 
 
 

 

スキットで使われている部分を聞いてみましょう。

 

 
 
Questo espediente si chiama "teatro nel teatro".
 
この手法は「劇中劇」というんだ。

 

 

 

 

最後に、 espediente 「手法」を取り上げます。

何かを上手くやり遂げるための方策とか、工夫という意味があります。

teatro nel teatro に関してはピランデッロ以前にも使われていますよね。

女の子 Sì. Per esempio, lo troviamo anche nel teatro di Shakespeare. "Hamlet" coglie il pretesto di uno spettacolo teatrale. Perciò .... di scoprire la verità sulla morte del re, suo padre.

メガネ 劇中劇はシェイクスピアの作品にもありますね。例えば『ハムレット』ですが、芝居を口実に、父である先王の死の真相を暴こうとします。

オペラでは、レオンカヴァッロPagliacci道化師 』という作品が、途中から劇中劇の形をとります。

女の子 In questo tipo di opere il pubblico è al di fuori della finzione, mentre nel dramma di Pirandello, il mondo della realtà in cui si trava il pubblico e la finzione, si mescolano di più.

 

 

 

メガネ 『ハムレット』や『道化師』のような作品では、実際の観客は虚構の外にいるわけですが、ピランデッロの劇では観客を取り巻く現実と虚構を混ぜようとしますね。
 

ピランデッロには『作者を探す六人の登場人物』のほかにも劇中劇のスタイルをとる作品があります。

例えば、 Questa sera si recita a soggetto. 『今宵は即興で演じます』という作品では、客席やロビーの観客の中に俳優を配置して、その場で偶然起きたことであるかのような演出が仕組まれ、ハプニングのようになっています。

女の子 Però tutte le battute sono scritte nella sceneggiatura.

でも、すべて台詞は書かれていますけれどもね。


では、もう一度今週のスキットを聞きましょう。

女の子 Riascoltiamo!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<スキット省略>
 
 

 

 

L'angolo dell'approfondimento

 

 
 
メガネ 深めようのコーナーです。


今日は、『作者を探す六人の登場人物』についてです。

 

 

これは世界の演劇界にとても大きな衝撃を与えた作品です。

 

 

 

 

初演は1921年、ローマのヴァッレ劇場(Teatro Valle)です。

この劇場は18世紀初めに創立された由緒ある劇場で、今もローマの旧市街にあります。

女の子 Alla prima volarono urla e fischi, e anche Pirandello fu ricoperto di insulti.

メガネ 初日には、観客の厳しい怒号が飛び交い、ピランデッロ自身にも罵声が浴びせられたと言います。

どうやら、緞帳もなく、なんの飾りもない裸の舞台が用意されていたことも大きな原因のようです。

今日では、開演前に劇場に入るとしばしば緞帳がなく、舞台が見えていることがあり、観客のほうもそれで特におかしいとも思いません。

しかし、『作者を探す六人の登場人物』の初演の当時は、客入れのときは幕が閉まっていて、幕が開く、幕が上がるというのが芝居の始まりで、舞台は架空の世界としてきちんと飾られているのが当たり前でした。

ですから、初日のとき、客席からガランとした裸の舞台を見た観客は、始まる前から抗議の声を上げたそうです。

女の子 Però in seguito questa commedia è stata rivalutata ed è stata rappresentata in tutto il mondo perché è una commedia nuovativa che scardina gli schemi tradizionali del teatro.

メガネ でも、その次のミラノでの公演では好意的に受け止められ、その後、それまでの演劇の常識を打ち破る斬新な作品として世界中で上演されました。

演劇界に大きな影響を与えたわけです。

イタリアでは、ピランデッロが学校の授業でも取り上げられているということですが?

女の子 Eh, sì. Per esempio, al liceo la mia professoressa ci dava da leggere un libro di Pirandello al mese, e poi commentavamo tutti insieme in classe.

メガネ なるほど。カルラは高校生のとき、先生から毎月1冊ピランデッロの本が課題として出されて、クラスで読んで話し合っていたんですね。

いかがでしたか?

今日はここまでです。

次回もどうぞお楽しみに。
 

女の子 Alla prossima!

 

 

 

 

 
 
 
 
ヘッドフォン Carlaさん女の子(斜体)と石川先生の台詞を例により書き起こしました。(スクリプトがなく答え合わせもできないのですが、学習の記録としてディクテーションに挑戦したものをそのまま載せています)

 

 
 
メモ「まいにちイタリア語2018年12月応用編」より
イタリアで劇場に行こう! Andiamo a teatro in Italia!
Lezione 22 台詞劇に行こう!(3) Andiamo a vedere il teatro di prosa!(3)
 
 
 
 
 
 
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