ポール・マッカートニー「カミング・アップ」(1980)。。ポール、ウィングスの両名義カップリング | マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

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1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

1979年7月から8月にかけてレコーディングされたポール・マッカートニーのソロ・アルバム「マッカートニーII /McCartney II」
 
1980年1月、幻に終わったウィングス日本公演の騒動も冷めやらない1980年5月16日にイギリスでリリースされました。
 
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ビートルズの解散後、本格的なソロ活動のスタートとなった「McCartney」から10年という区切りにリリースした本アルバム。
当時は、「McCartney」リリース後と同様、チープなテクノ・ポップとして酷評されたアルバムでしたが、近年、再評価が進み、アーカイヴ・コレクションなどで、未発表曲などもリリースされると、ポールの時代を先取りしたサウンドとして、評価が変わってきています。
 
ポールののちのインタビューなどによると、当時、ウィングスとしての活動の限界、というような事を話していましたが、当時の様々な記録からは、「マッカートニーII」は、ひょっとしたらウィングスのアルバムとしてリリースされる可能性もあったのでは。。と思ってしまいます。
 
レコーディング・マスター・テープ・ボックスには、ウィングスと書かれています。
 
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また、アルバム・ジャケットと同様の写真をメンバーも撮影していました。
 
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ちなみにポールもジャケット用に様々な表情の写真を撮影しています。
 
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日本では、逮捕された時のジョークと言われたジャケットでした。
 
ウィングスの存続がわからないままリリースされた「マッカートニーII」でしたが、1stシングルとなった「カミング・アップ / Coming Up」は、A面がアルバムからのシングル・カット、B面には、前年、1979年12月に行われたウィングスのグラスゴー公演からのライヴ・ヴァージョンが採用され、アメリカではこのB面ヴァージョンがA面としてリリースされています。(B面には未発表曲であった「ランチ・ボックス~オッド・ソックス」も収録されています。)
 
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当時の日本では、来日公演中止の影響もまだ大きく、シングルの表ジャケには意味深に「あのポール・マッカートニーが」と記載されており、解説にも触れられています。
 
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「カミング・アップ」は秀逸なPVも作成され、ポールの一人で様々なミュージシャンを演じた姿が大きな話題になりました。
 
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30代後半のポールがビートルズの衣装を着ても、何の違和感もありません。。
 
そういえばジョージもソロ作の「ディン・ドン」でビートルズ時代の衣装を着ていました(^-^;
 
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【Paul McCartney - Coming Up】

 

 

こちらはウィングスとしてのライヴ・ヴァージョンです。
 
【Paul McCartney&Wings - Coming Up】

 

 

この曲は、アメリカのビルボードで1位、イギリスでも2位となる大ヒットとなりましたが、ポール自身もお気に入りのようで、ライヴでもよく披露する曲となっています。
 
【Paul McCartney - Coming Up(2013) - 6 Music Live】
また、2011年にリリースされたアーカイヴ・コレクションでは、この曲のロング・ヴァージョンがオフィシャル・リリースされましたが、元々はオフィシャル・リリース・ヴァージョンより1分30秒以上長い、5分30秒を超えるヴァージョンでしたが、リリースにあたり、現在のヴァージョンに編集しています。
このあたりが、ポールのセンスと言えるのではないでしょうか。。
 
【Paul McCartney: "Coming Up" (Full Length Verison)】
ライヴでも、とても映える「カミング・アップ」。
ぜひ、次の日本公演で聞きたいものです♪