1979年7月から8月にかけてレコーディングされたポール・マッカートニーのソロ・アルバム「マッカートニーII /McCartney II」。
1980年1月、幻に終わったウィングス日本公演の騒動も冷めやらない1980年5月16日にイギリスでリリースされました。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/58/a3/j/o0500050014622622073.jpg?caw=800)
ビートルズの解散後、本格的なソロ活動のスタートとなった「McCartney」から10年という区切りにリリースした本アルバム。
当時は、「McCartney」リリース後と同様、チープなテクノ・ポップとして酷評されたアルバムでしたが、近年、再評価が進み、アーカイヴ・コレクションなどで、未発表曲などもリリースされると、ポールの時代を先取りしたサウンドとして、評価が変わってきています。
ポールののちのインタビューなどによると、当時、ウィングスとしての活動の限界、というような事を話していましたが、当時の様々な記録からは、「マッカートニーII」は、ひょっとしたらウィングスのアルバムとしてリリースされる可能性もあったのでは。。と思ってしまいます。
レコーディング・マスター・テープ・ボックスには、ウィングスと書かれています。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/df/cf/j/o0450060014622622074.jpg?caw=800)
また、アルバム・ジャケットと同様の写真をメンバーも撮影していました。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/b7/70/j/o0450087114622622077.jpg?caw=800)
ちなみにポールもジャケット用に様々な表情の写真を撮影しています。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/c3/33/j/o0600060814622622079.jpg?caw=800)
日本では、逮捕された時のジョークと言われたジャケットでした。
ウィングスの存続がわからないままリリースされた「マッカートニーII」でしたが、1stシングルとなった「カミング・アップ / Coming Up」は、A面がアルバムからのシングル・カット、B面には、前年、1979年12月に行われたウィングスのグラスゴー公演からのライヴ・ヴァージョンが採用され、アメリカではこのB面ヴァージョンがA面としてリリースされています。(B面には未発表曲であった「ランチ・ボックス~オッド・ソックス」も収録されています。)
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/3f/cf/j/o0600058814622622082.jpg?caw=800)
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/50/6c/j/o0500049614622622085.jpg?caw=800)
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/d5/ac/j/o0600060814622622086.jpg?caw=800)
当時の日本では、来日公演中止の影響もまだ大きく、シングルの表ジャケには意味深に「あのポール・マッカートニーが」と記載されており、解説にも触れられています。
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/84/cf/j/o0500060314622622089.jpg?caw=800)
「カミング・アップ」は秀逸なPVも作成され、ポールの一人で様々なミュージシャンを演じた姿が大きな話題になりました。
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/da/65/j/o0600074414622622090.jpg?caw=800)
30代後半のポールがビートルズの衣装を着ても、何の違和感もありません。。
そういえばジョージもソロ作の「ディン・ドン」でビートルズ時代の衣装を着ていました(^-^;
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20191024/13/layhishead/ce/c8/j/o0450031014622622092.jpg?caw=800)
【Paul McCartney - Coming Up】
こちらはウィングスとしてのライヴ・ヴァージョンです。
【Paul McCartney&Wings - Coming Up】
この曲は、アメリカのビルボードで1位、イギリスでも2位となる大ヒットとなりましたが、ポール自身もお気に入りのようで、ライヴでもよく披露する曲となっています。
【Paul McCartney - Coming Up(2013) - 6 Music Live】
また、2011年にリリースされたアーカイヴ・コレクションでは、この曲のロング・ヴァージョンがオフィシャル・リリースされましたが、元々はオフィシャル・リリース・ヴァージョンより1分30秒以上長い、5分30秒を超えるヴァージョンでしたが、リリースにあたり、現在のヴァージョンに編集しています。
このあたりが、ポールのセンスと言えるのではないでしょうか。。
【Paul McCartney: "Coming Up" (Full Length Verison)】
ライヴでも、とても映える「カミング・アップ」。
ぜひ、次の日本公演で聞きたいものです♪