ロバート・クラフト。。
日本では、1983年にリリースされたラリー・カールトンのプロデュースにより制作されたアルバム「ラヴァ―ズ・メロディ / Retro Active」がヒットし、AORシンガーとして人気を博したアーティストです。
【ラヴァーズ・メロディ 日本盤ジャケット】
しかし本国アメリカでは、俳優のブルース・ウィリスを歌手としてデビューさせ、ソングライターとしては、マンハッタン・トランスファー、ロバータ・フラッグ、そしてカール・ルイスにまで楽曲を提供、また制作に関わったディズニー映画「Little Mermaid」「Under The Sea」でグラミー賞を獲得。
1994年からは21世紀FOXの関連会社「Fox Music」のトップとして2012年に退社するまでに数多くの人気映画に関わり、グラミー賞、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど、作曲家、映画プロデューサーとして成功を収めた人物として知られています。
そんなロバート・クラフトですが、日本ではAORライター金澤寿和氏監修・解説により、2013年11月20日に未発表ライヴを含むアルバム5枚が一挙リリースされファンを喜ばせました。
【写真左上より】
1.MOODSWING/ROBERT KRAFT & THE IVORY COAST(1st)
2.READY TO BOUNCE (2nd 日本のみリリース)
3.RETRO ACTIVE (3rd)
4.QUAKE CITY (4th)
5.LIVE AT TOWN HALL, NYC 1980(未発表ライヴ)
6.COMPLETE KRAFT BOX 1979-1989 (LIMITED 300 BOX SETS)
このリイシューで注目は、1981年に制作されるもレコード会社"RSOレコード"の倒産によりお蔵入りし、1983年に日本でリリースされた「ラヴァ―ズ・メロディ / Retro Active」のヒットを受け、日本のみでリリースされたセカンド・アルバム「Ready To Bounce/カーネギー・ウギー」のリリースと、1980年カーネギーホールでの未発表ライヴ「LIVE AT TOWN HALL, NYC 1980」の2枚でした。
セカンド・アルバム「Ready To Bounce/カーネギー・ウギー」は、プロデュースにフィル・ゴールドストン、そしてスティーリー・ダンのエンジニアとして活躍したエリオット・シャイナーも協力。
マンハッタン・トランスファー、ビリー・コブハム(ds)、クリス・パーカー(ds)、ケニー・バロン(pf)、ロン・カーター(b)等、ニューヨークの一流ミュージシャンがレコーディングに参加。
マンハッタン・トランスファーは当時、ロバート・クラフトと交流があり、次作「RETRO ACTIVE」にも参加するとともに、ロバートはマンハッタン・トランスファー1983年の名盤「bodies And Souls」に"The Night That Monk Returned To Heaven"を提供しています。
また、フィル・ゴールドストンとともに”ファー・クライ/Far Cry”というグループを結成、スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンも参加したAORの名盤「The More Things Change...」を1980年にリリースしたピーター・トムもコーラスとして参加しています。
ファー・クライと繋がるとは思いませんでした。。
【The More Things Change... / Far Cry (1980)】
「Ready To Bounce/カーネギー・ウギー」には、ギターに近年スティーリー・ダン・バンドの名ギタリストとして活躍しているギタリスト、ジョン・ヘリントンが参加しており若きジョン・ヘリントンの素晴らしいギタープレイが堪能出来る作品になっています。
3rdアルバム「RETRO ACTIVE」はラリー・カールトン・プロデュースにより質のたかいAORアルバムとなりましたが、「Ready To Bounce/カーネギー・ウギー」はジャズテイスト溢れるスィング・グル―ヴが心地良い作品が多く収録されており、聞いていて飽きのこない名盤となっています。
【Ready To Bounce/カーネギー・ウギー】
このアルバムからホーンセクションが心地よく響き、若きジョン・ヘリントンのギターも堪能出来る「Groove Speed」をご紹介します。
【Robert Kraft - Groove Speed (1981)】
もう1曲、アルバム1曲目に収録された「On the West Side」を。
【Robert Kraft - On the West Side (1981)】
この作品「On the West Side」と「Single,Solo」「Teach Me How To Kiss You」の3曲は、このアルバムがお蔵入りとなったことから次作「RETRO ACTIVE」で再レコーディングされ収録されています。
今回のリイシューもロバート自身と金澤寿和氏の努力により実現出来た企画。。
こういう良質なアルバムが再発掘されるのは嬉しい限りです♪
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