加藤和彦「ガーディニア」&「トゥデイ」。。時代を先取りした1978年の極上のサウンド | マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

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1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

【加藤和彦/ガーディニア】
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1978年発表の加藤和彦ソロ4作目のアルバム「ガーディニア」(安井かずみとのコンビ作としては2作目)。

音楽の世界がクロスオーバー~フュージョン、AORと、様々な音楽がミクスチャーされ、新しい音世界が生まれ始めた1977年に、このアルバムはレコーディングされています。

毎回、時代を先取りして、素晴らしい音楽を聞かせてくれていた加藤和彦。
今作では、フュージョン、AORの裏側に潜んでいる、ボサ・ノヴァ、ソウル、ジャズ、ブラジリアンといったワールド・ミュージック・サウンドをいち早く聴かせてくれています。

集められたミュージシャンがまた凄いっ!

坂本龍一(Key・Strings Arr)
高橋幸宏(Ds)
後藤次利(B)
斉藤ノブ(Per)
鈴木茂(G)
渡辺香津美(G)
笠井紀美子(Vo)。。。etc

後藤次利&高橋幸宏は、当時サディスティックスのメンバーとして、フュージョン系のサウンドを聞かせてくれていたし、渡辺香津美、笠井紀美子といったJazz系のアーティストの参加も特筆すべき点ですが、注目はなんといっても鈴木茂だと思います。

当時、鈴木茂といえば、1976年発表の「Lagoon」以降、CTIサウンド、AOR、フュージョンなどを意識した作品を発表していたとともに、アレンジャーとしての仕事も増え始めていた時期。

【鈴木茂 3rd「Caution!」と4th「TELESCOPE」 ともに1978年発表】
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そんな歌心を知ったギターを奏でられるギタリストとして鈴木茂を選んだあたりが加藤和彦のセンスの良さだと思います。

今回のご紹介は、この「ガーディニア」から、「ガーディニア」「トゥデイ」をご紹介します。

【「ガーディニア」参加ミュージシャン】
加藤和彦(Acoustic Guitar Vocal)
坂本龍一(Piano & YAMAHA Synthesizer)
高橋幸宏(Drums)
後藤次利(Electric Bass)
斉藤ノブ(Percussions)
笠井紀美子(Vocal Accompaniment)
村岡健(Saxophone)

【「トゥデイ」参加ミュージシャン】
加藤和彦(Acoustic Guitar Vocal)
鈴木茂(Electric Guitar)
坂本龍一( Fender Rhodes & YAMAHA Synthesizer )
高橋幸宏(Drums)
後藤次利(Electric Bass)
斉藤ノブ(Percussions)
笠井紀美子(Vocal Accompaniment)

【Gardenia / 加藤和彦 (1978)】

【Today / 加藤和彦】

とにかくオシャレです。。
スタバとかカフェ・レストランで流れていても、全く違和感がないと思います。
特に「Today」など、生活感のかけらもないっ!
とても30年以上も前のサウンドとは思えません。。
こんなのゆったりと聴きながら夏を過ごせたら素晴らしいなぁ。。。

笠井紀美子のボーカル、坂本龍一のさりげないストリングス・アレンジも素敵です。

このあと、加藤和彦は、1979年にヨーロッパ3部作の第1弾となる名盤「パパ・ヘミングウェイ」を発表しますが、この「ガーディニア」は、他の作品と比べると過小評価されている作品となっています。

時代が追いついた今こそ、再評価してもらいたい。。そんな作品です。