東北新幹線「Summer Touches You」。鳴海寛と山川恵津子による奇跡のCITYPOP | マジカル・ミステリー・ミュージック・ツアー

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1960年代から1980年代の洋楽・邦楽の雑記帳です。

先日、ブロ友さんであるギタリスト「れのさら」さんが、鳴海寛さんというギタリストを紹介されていました。
「鳴海 寛というギタリスト」http://blogs.yahoo.co.jp/lenosalah/3963154.html
 
その記事の中に、鳴海寛さんが在籍した「東北新幹線」(鳴海寛と山川恵津子)というユニットのご紹介がありました。
 
「東北新幹線」といえば、2004年に刊行された日本のシティポップス、AOR作品を紹介した金澤寿和氏による名ディスクガイド「Light Mellow 和モノ669」(私も愛読してます♪)で大きくフューチャーされ、私もチェックしていたのですが、2007年に金澤寿和氏の尽力により金澤氏の推薦する「Light Mellow's Choice」シリーズの一環として唯一のアルバム「THRU TRAFFIC」が初CD化が実現、シティポップ&J-AORファンの間で、大きな話題になりました。私も、そんなアルバムをやっと手に入れることが出来ました汗
 
【 THRU TRAFFIC / 東北新幹線(NARUMIN & ETSU) 】
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東北新幹線については、本CDに金澤寿和氏が詳細に説明を頂いておりますので、簡単なご紹介としますが、ふたりの出会いは、山川恵津子が大学生の時にヤマハでアルバイトをしており、コッキーポップの仕事で、「高校生の作った曲を番組のテーマに使う」という企画があり、録音の際にピアノをコピー、その曲が、「今まで聞いたことのないコードがバンバン出てくる曲」で、「高校生なのに凄い。。」と印象を持ったその曲こそ、鳴海寛が公募した曲だったということです。
 
その後、山川恵津子は、谷山浩子のデビュー時にキーボードとしてバンドに参加、その後、八神純子に”そっくりの声で歌える”ということで、八神純子のセカンド・キーボード&バックボーカルとしてサポートを開始、山川自身も八神純子のベストアルバム「JUNKO BEST」に「Be My Best Friend」を楽曲提供しています。
 
その後、鳴海寛がヤマハに出入りし、谷山浩子、佐々木幸男のバックバンドをサポートするようになり、谷山浩子のバンドでふたりが出会い意気投合、八神純子のバンドからギタリストが抜ける際に、山川が鳴海を推薦、ふたりで八神純子をサポートするとともに、ステージアレンジ等も手がけてゆくようになったそうです。
 
こうした経緯から、ヤマハのディレクターが「ふたりで一緒に組んでやってみないか?」と声をかけられたのが、東北新幹線が誕生した瞬間でした。
 
レコーディングは順調だったものの、ミックス等が様々な理由で遅れ、「なかなか開通しない東北新幹線みたい」という話からグループ名が「東北新幹線」と決定したということです。
*実際の東北新幹線の開通とアルバム発売はたったの2日違いだったとのこと。(1982年6月)
 
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アルバムは完成しながら、ディレクターとメンバーそれぞれの思いが異なり、プロモーションは一切行われず、八神純子のライブで「今度、うちのバンドのエッちゃんと鳴海くんが一緒にアルバムを出しました」との紹介にもと、2曲程度披露したのが唯一だったそうです。
アルバムには八神純子もコーラスで参加しています。
 
そんな状態でしたが、当時、「For You」発売後、メキメキと売れ始めていた山下達郎が、このアルバムを聞き、「ふたりをコーラスとしてツアーに参加してほしい」とのオファーが!!
 
しかしながら、八神純子のツアー優先で、残念ながら実現せず。。。
この後、鳴海が八神純子のバンドを辞めることとなると同時に、東北新幹線は自然消滅していったそうです。。
 
その後、鳴海寛は来生たかおのバンドに迎えられ、セッション活動も本格化、今度は、達郎から「ギタリストで」という条件のもと、山下達郎のツアー「Peformance'88-'89」にギタリストとして参加、すばらしいプレイを聴かせてくれており、達郎のライブアルバム「JOY」にも、そのプレイが収録されています。(れのさらさんのブログで紹介されていますので、チェックしてみてください!http://blogs.yahoo.co.jp/lenosalah/3963154.html
 
ということで、今回は、このアルバムの1曲目に収録されている鳴海寛作詞・作曲の「Summer Touches You」をご紹介します。
ボビー・コールドウェルを彷彿させるこの曲、ギターだけでなく、鳴海さんのボーカルも素晴らしい作品です!
 
【 Summer Touches You / 東北新幹線 】
 
曲も素晴らしいですが、ふたりによるアレンジが見事です!
 
その後、鳴海寛は体調を崩し、音楽シーンからは遠ざかっていたものの2004年にソロアルバムを自主制作されています。
山川恵津子は、今もJ-POPシーンで活躍中で、達郎の「COZY」や竹内まりやのレコーディングや、小泉今日子との仕事では、レコード大賞編曲賞を受賞するなど、1,000曲以上の楽曲に名前を連ねています。
 
2004年には、一度きりの再結成が実現し、アルバム収録曲やボサノヴァのカヴァーを聴かせてくれたとのこと。
見たかった~っ!!
 
前述したディスクガイド「Light Mellow 和モノ669」で金澤氏は、日本版バーン&バーンズと評していましたが、まさにそのクオリティのアルバムとなっています。
アルバムには、鳴海寛さんのインスト作品も収録されています。
 
ぜひ、機会があれば聞いてみてください。。
それにしても。。鳴海さんのライヴ観たい~ラブラブ