[Horsaga: Another Dust] Flutter in the Sky(前編)
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※当エントリは上記物語の後日譚的位置付けとなります。


- Epilogue -


季節は一回りして、私は今、再び葉桜の季節の中にいる。
新しい季節の訪れを告げる、新緑の風。
背中まで伸びた髪が、舞い散る早咲きの桜の花と共に、風にゆれた。

何度も歩いた道だけど、制服で歩くのは、いつ以来か。
不思議と新鮮な気持ち。同時に胸いっぱいに広がる郷愁感。
卒業証書を胸に抱えて、一歩一歩踏みしめるように歩く。

フェンス沿いに続く道。規則正しい光と影はいつまでも色褪せない。
運動場のレーン 。新しき世代を迎えるために、描かれたのは終わりなき螺旋。
白く延びるライン上のハードル。変わる事のない正確なリズム。

シューズは、部室において来た。
走るのを止めたわけではない。
ただ、ここで過ごした時間を、何か証跡として、形あるものとして残したかった。
なんて言ったら、センチだって笑われるかな?

思わず、ベンチに目を向ける。外灯のないベンチ。
丁度1年ほど前になるのかな。
真っ暗な中、このベンチに腰掛けて、本を読んでいた姿を思い出す。

いや、アイツだったらきっと、笑ったりしないで、あの冷めた口調でこういうのだろう。

「他人の残す歴史なんて、情報と解釈だけあれば必要十分。
情報保存のために、物理的媒体が必要と考える事自体、ナンセンスってもんだろ?
だから、自分の思い出を大切にできるのは、結局はお前自身だけなんだ。
誰もそんなシューズ喜ばないし、犬の餌にもなりゃしない。
持って帰って大事にしてやんなよ?」

小憎らしい横顔を思い出し、懐かしさに、思わず笑みがこぼれる。
暫くベンチに座り、眼前に広がる幾何学的風景に眼を止めると、小さく息を吸い込む。
心の中で呟いた「ありがとう」…そっと横目で見ながら。


「Bow!! Wow!!」

突然の吼え声に、浮遊しかけた意識が戻る。
ベンチの下から、這い出る小さな影。

犬?

チワワかな?かわいい!
でも、どうしてこんなところに?

ってゆ~か、あんた、チワワなら普通、クゥ~ンとかでしょ?
頭を下げるような態度でもないし、どっちかって言うと、餌に向かってがっつくボウガンって感じ?
あんまり食い意地張って、バウバウ言ってると、食いしん坊の石ちゃ…出川哲郎になっちゃうよ!?(違)

悪戯っぽい微笑みを浮かべ、腰を屈めて、目線を合わせる。

ほら、やべぇ~よ!やべぇ~よ!聞いてねぇ~よ!楠田枝里子と闘うなんてっ!?
って、言ってみなさいよ。ほら。

「…Bow!?」

って、それを言うなら、和田アキコだよ!?!?( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン

傍から見たら動物虐待と言われてもおかしくないかな?
でも、愛嬌のないアイツの顔を思い出したら、ちょっと意地悪したくなっちゃって。
ねぇ、これくらい、許してくれるでしょ?

「…Bow, Woo, War, Tonight…」

何?そんな声も出せたの?
って、しゃべっ…!?!?
…ま、インコだって喋るし、細かい事はどーでもいいか?

つか、あんたさ、餌、待ってるだけじゃつまらないでしょ?
ねぇ…私と一緒に、来てみる?

返事を待たずに、そっと抱き上げる。
胸の中で小さく震える。確かな存在感。
服越しに伝わる微かな温もりが溜まらなく愛おしく、抱きしめる腕に力を込める。

返事なんて待たなくていいよね。
だって、たまたま私が、本でも読みたい気分で座ってたところに、たまたまこのワンちゃんが私に逢いに来たんだから!

少し風が強くなった気がする。
アイツも笑ってくれてるのかな?
それじゃ、ついでだから、いつも言葉に出して言えない素直な気持ち、伝えてみようかな。

この子の名前、もう決めてるんだ。
やっぱり、近くで見ると、アイツの眼にそっくりなんだもん…















「ブルドックソ・ビチッグソ」



  ∧_∧ パーン
( ・∀・)
  ⊂彡☆))Д´) <…つか、犬種チワワだったろ!?(爆)




応えるように、一際強い風が吹く。
ヴェールを描くように、舞散る桜の花が視界を満たし、光を乱反射する様は、今のこの心境に相応しい、さながら万華鏡のようだった。


あ!ウケた?

もう、憂鬱な“ラのフラット”は響かない。
その役割は、既に終わっているのだから。


Flutter in the Sky(a few days later)
- Pull UP & Bull One's Way -





【著者解説】
後日追記予定;


※2017/12/29追記;
後日追記といいつつ、この物語の公開から早1年9か月が経過した現在、改めて当時の状況を思い返しながら筆を取っております;

この間、誓って忘れていた訳ではなく、この物語を公開した当時、海よりも深い特殊な事情で時間だけが悪戯に経過してしまったと。
ちなみにどれくらい深いかと言うと、だいたい玄界灘くらいです。<対して深くないw

まぁ、実際こうして追記している事実、そして当時の状況を一言一句違えず正確に記憶している状況等から、決して忘れてはいなかったと、せめて浜名湖の深さくらいは信じていただければ(苦笑)

では、改めて当時の状況を振り返り、簡単ながら著者解説に代えさせていただきたいと思う。


当時、この物語執筆の発端となる出来事が起こった。

ボク達が所属する団「9T」から、修行するという名目で退団した「三枚舌ヒロ(仮称)」。
その後9Tに戻る事がなかった(自分が引退した後に戻る事になったがそれはまた後の話;)そんな彼が、自らの野望を叶えるべく団長職を委任された団「キミと紡ぐ物語(確か;)」、その後、猫だかニャンコだかそんな雰囲気の団名に変更する事になった団と騎士戦で当たる事になった(; ・`д・´)

つか、この記憶の曖昧さ、「一言一句違わず」とか嘯いていた自分の舌を引っこ抜いてやりてぇ~よ?(  '-' )ノ)`-' )ペチン❤(爆)

ちなみにこの騎士戦、「絶対に負けられない闘いがある!!」と鼻息を荒げて決戦に臨んだが、結果は惜敗であった。
だが、ここで語る物語においては、勝敗以上に重要なものがある。

即ち、負けた腹いせにニャンコの団員を勧誘して、何人かを引き抜いてやろうという悪魔のような計画が、当時の団長「アスラン(通称ゲスラン、もしくはラインの魔手w)」とボクとの間で立ち上がった。
この時の悪魔のようなボクの表情、「シシシッ」と笑うケンケンを思い浮かべていただければ概ね間違いではない(謎)

そんな中で出逢ったのが、某現役JD「チャッピー(仮称w)」である。

彼女からは、早々に勧誘に対するNGの返答をいただいていたが、その後もゲームの枠を越えて、されどあくまでゲームの延長線の範疇で、密であると同時に疎であり、つまりは平均すると平凡と言え、言い換えればまぁ、プライベートな内容も含め言葉を交わすようになった。何と言うかまぁ、我ながら表現が回りくどい(爆)

そんな風に何度か言葉を交わす内、ある日9Tに移籍するメンバがいると風の噂を耳にする事になる。
敢えて「風の噂」と表現したのは、当時彼女からはそれとなく移籍の意思を匂わされていたが言明されておらず、また、移籍メンバがいるという情報に対しても敢えてその仔細を確認しなかったからだ。

だがボクは確信していた…「彼女はきっとやってくる」と。

こんなある種の期待感に満ちたパーティにもよく似た独特な雰囲気の中、当時「渾名公開の儀」がガラパゴス的な進化を遂げ、「渾名公開ストーリ」を創作するという役割を一身に担ったボクは、彼女の移籍日の2日前…「X-2日」から執筆を始めたのが、冒頭触れた「前編」の物語である。

そして迎えたX日当日。
生憎天気は晴朗、雨天でない以上仕方ないとやむなくいつものように出社し夜分に帰宅すると、渾名公開ストーリを披露すべくゲームにイン。
するとそこには、予想だにしなかった想定外の事態が発生していた。

いつもの如く団ログのテロップに目をやると…

「チャッピーさんが入団しました」
「バウさんが入団しました」


…ん?(つд⊂)ゴシゴシ








「バウさんが入団しました」




……… ( ゚д゚)ポカーン











…ふ、二人同時入団…だとっ!?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル


その沈着冷静さ故に、鉄仮面、或いは能面、時に「片桐はいり」と呼ばれるこの俺もこの時ばかりは狼狽えた(謎)
それこそテンパった「出川哲郎」並みに「やべぇーよ」を心の中で連呼したw

物語中では固有名詞は使っていないため、あくまでこれは儀式であり、1人につき1物語を用意する義務も責任も必要性もなかろう。
そう言い訳する自身もいないではなかったが、現実にはこの物語はチャッピー向けのサプライズに書いた物語だ。そんな意図があったからこそ、交わしたメールで得られた情報を随所に散りばめた。俺の中では、これはチャッピーの物語だ。

独り善がりではあっても、そんな思いが胸中を占めている以上、やはり1人1物語を用意しない訳にはいかない。
つか、二人来るなら来るって最初から言っとけよ、この「ラインの魔手」野郎。
実に1年9カ月を経て今更ながら胸中で毒づいてみる(爆)
最もこうして全世界に開かれたジ・インターネットで公開している以上、それは決して“胸中”ではないのだが(*''艸3`):;*。 プッ(爆)

何はともあれ、入団当日に歓迎の意を兼ねて渾名公開ストーリを披露するのが筋だ。
こうして、急遽僅かな時間で執筆したのが今回の「a few days later」…所謂「外伝」の物語である。

ここに最大限の賞賛を贈るべきポイントがあるとすれば、間違いなく「ギャグストーリ」として仕上げた事実だろうw
これを前編と同じトーンで真面目に書いていたなら、恐らく締め切りまでに入稿できなかった筈だ。

反対に、如何なる酷評も受け入れなければならない点があるとすれば、これをおいて他にないだろう…









渾名公開儀式の最中に、まさかの3人目「ゆーすけ」さんが乱入的突発入団してきたけど、もう物語とか無関係に、入団に気付いた僅か3分後、勢いだけで「アーユー助平?」の渾名を付けた事だろう!?!?( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン(核爆)



ちなみに、既に諸君はお忘れだと思うが、著者解説の追記が遅れた理由。

ズバリ、本文の執筆の時間さえなく滑り込み公開だったため、必然的に解説は後日に回されたと;
そして、当コンテンツの趣旨が「渾名公開」である事に鑑みれば、その儀式が滞りなく終了した時点でわざわざ解説を後付けする必然性は完全に消滅すると。つまりはそういう訳だ(爆)


さて、解説に相応しい当時の背景をある程度語れたところで、最後に物語自体の内容に関する補足をして、著者解説を締めさせていただきたいと思う。

今回、後書きを書くに当たり改めて物語を読み返すと、手前味噌ながら短時間の即興としては十分及第点を与えられる内容だと思った(笑)
ただ、どうしても我慢ならない粗があったので、どうにも堪え切れず後書き執筆がてら一部修正させていただいたので、この場を借りてお伝えさせていただきたいと思う。

具体的には…








「ブルドックソ・ビチッグソ」の後のツッコミ部分、これを「( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン」からAAに変更した(*''艸3`):;*。 プッ(爆)

今一度遡り、各自その効果をご確認いただきたい。<本心からどーでもいいwww


#どーでもいい繋がりで最後に真面目っぽい雰囲気で一言付け加えると、副題の「Bull One's Way」。
#強引に押し進む事ができるなら、それは誰の道で、誰の手によるものだろうか?



【関連】[Horsaga: Another Dust] Flutter in the Sky
http://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12144284253.html
※当物語の「前編」に当たる物語。

【関連】[9Tの日常] (後編)新入生と渾名とウェルカムパーティ
https://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12146778837.html
※当物語をオルサガの団板で公開した当日の様子。

【関連】[Horsaga: Another Dust] Rudolph's Adventures in Wonderland -Prologue to the Innocent War II -
https://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12125921456.html
※渾名公開ストーリ

【関連】[Horsaga: Another Dust] Pretty Cured Good Things - Road to The Grand Princess -
https://ameblo.jp/layer-zer0/entry-12132145133.html
※渾名公開ストーリ