こんばんは。白衣を脱いだ広島の薬剤師あかねです。
新型コロナウイルス感染者が10,000人を超えたとニュースになっていました。
相変わらず消毒液や除菌シートの売り切れが続いています。
先日も知人から「携帯用の消毒液が売り切れだから、除菌シートで代用できる?」と訊かれました。
そこで今日は『消毒』と『除菌』の違いについて書きます。
消毒とは・・・
消毒とは、細菌の活動を弱めること。人体に有害な物質を除去または無害化することです。生存する微生物の数を減らすために用いられる処置法で、必ずしも微生物をすべて殺滅したり除去したりするものではありません。何をどの程度減らすかにより、高・中・低水準に分かれます。
つまり、微生物が残っていても病気を起こす力を無くすことをいいます。
微生物を殺すことは『殺菌』です。
消毒には薬品を使う薬やり方(化学的消毒)と薬品を使わないやり方(理学的消毒)があります。
消毒に使う薬品を消毒薬といいます。
消毒薬は対処する微生物の種類や器具の種類で効果が違います。
新型コロナウイルスつまりウイルスに効果がある消毒薬とない消毒薬があり、効果のない消毒薬で消毒しても予防することはできません。
ウイルスに効果がある消毒方法(中水準)
- 蒸気消毒:80℃10分間の熱水処理
- 0.05~0.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液
- 消毒用エタノール(76.9~81.4%濃度)
- ポピドンヨード(商品名:イソジン)
除菌とは
除菌の意味は、「菌を取り除く」ことです。「殺菌」することも除菌に含まれますが、医薬品や医薬部外品以外では「殺菌」を謳えないので、この表現がよく使われます。
「消毒」の表示は、規定で医薬部外品にしか使用できないため『除菌』という言葉を使っています。
また、除菌シートにはアルコールタイプとノンアルコールタイプがあります。
アルコール以外の成分として
- クロルヘキシジン製剤
- 第四級アンモニウム塩
- 両性界面活性剤
があり、これらの成分は低水準に分類されます。
そして低水準はウイルスの消毒に適していません。
だからもし消毒薬の代わりに除菌シートの使用を検討しているのであれば、アルコール含有の方を選ぶ方が効果あるかもしれません。
あと、含有するアルコール濃度が76.9~81.4%であれば『消毒』効果があると判断しても良いと私は思います。
除菌シートを使うのであれば、ウイルスに効果のあるものを使うことをオススメします。
ただ・・・手洗いだけでも除菌のような効果はあります。
アルコールの使いすぎで手荒れを起こしたら、皮膚の防御作用が低下し、感染の可能性が高くなります。
ここでウイルス消毒に効果のある『次亜塩素酸水』の使用適応が変更されましたので紹介します。
次亜塩素酸水について
厚生労働省は次亜塩素酸水を「次亜塩素酸ナトリウムとの同義性」を説明すると共に、細菌やウイルスに対して殺菌効果のある除菌水(食品添加物)として定めています。
ただし「次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)」とは違い「次亜塩素酸水」は酸性であり、食品添加物として厚生労働省により認可されておりその安全性が検証されています。
次亜塩素酸水には
- 強酸性次亜塩素酸水
水溶液中に含まれる有効塩素濃度は、20~60ppm(0.002%~0.006%)でPH2.7以下のものです。 - 弱酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度が10~60ppm(0.001%~0.006%)、PH2.7~5.0となります。 - 微酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度 50~80ppm(0.005%~0.008%)でPH5.0~6.5の範囲の水溶液です。
に分けられています。
この中で微酸性次亜塩素酸水が最も安全で殺菌効果が高いことは厚労省で検証されています。
ただし・・・
手荒れもあり手指への消毒にはあまりオススメはしません。
どうせ消毒するのであれば、
効果があり、身体に負担が無い消毒方法を!
正しく消毒方法を選択するために知りましょう!新型コロナウイルスのことを。