ときめきトゥナイト展 ② | Pourriture noble


先日、『夜明けの唄』の作者であるユノイチカ先生のリアルサイン会に落選したとの連絡がありました。

うおお。
やっぱ人気なんやな。
もうユノイチカ先生に会える気で居た(゜▿゜)

この時代って、こーゆーサイン会とかも皆無でしたよね。
先生が実在しているのかとか、考えたことも無かった。

あまりにも作品にのめり込んでいて。
これを誰かがひとつひとつ描いてるなんて、想像出来なかった。

だかしかし。
こうして何十年も経って。
原画を目の前にして。

その原稿がこんだけ迷いなく、修正した痕跡もなく、美しい線で描かれているのを見て。

なんか。
モーツァルトの楽譜を思い出しました。
彼の楽譜には、悩んだり迷ったりした痕跡が全くないとか。
もう、脳内で楽曲が完全に出来上がっていて。
それを楽譜にしているだけだから。
そう言われているのですが。

ネームがあるとは言え、池野 恋先生もホントにそんな感じ。
もう、コマ割りからアングル·構図まで迷いが無い感じ。
そしてそれが、とても読みやすくて綺麗。

脳内に描いたものを忠実に、理想通りに描けるっていうのも凄いんですよね。

それが出来なくて、私は何度打ちのめされた事か(^_^;)
脳内で描いたように描けないから、私のネームは棒人間では描けないんです。
ほぼ、原稿通りでないと。
私が脳内のように描けるのかどうか分からないという(^_^;)
本当に情けないです。
(こんな事してるからネームが嫌いになる)

いや、私の話はどーでも良いのですが。

そんな池野先生の原稿。
どこまで進んでも、あの薄青で予め線が引かれた原稿用紙が出てこない(* ᐕ)?

それこそ、私が『りぼん』に投稿し始めた年代になっても、池野先生はまっさらなケント紙しか使っていない。

この先生‥。
スゲーを通り越してヤベーな( º言º)(賞賛してます)

あの薄青の目盛り無しに、コマ割りなんてどーやってやるの?
人工物が入る背景とか、どーやって描くの?

描けない事もないのかも知れないけど、七面倒臭いこの上ないぞ。
それを30数ページ、毎月落とすことも無く描いてこられたとは‥。

ちょっと皆!!!!!!!!!!!!
未だに、当たり前のように写真撮ってるけど!!!!!!!!
この原稿全部凄い事してるからね!!!!!!!!
それ理解してから写真撮ろうか!!!!!!!!!!
『蘭世可愛いー♥』じゃねぇんだマジで!!!!!!!!!!( º言º)
と、声を大にして言いたくて言いたくてたまりませんでした(T_T)

私がこの展覧会で確認した、池野先生が最初に薄青枠線が引かれた原稿用紙を使われていたのが、こちら。




愛良編になっとるやないか( º言º)
池野先生
『えっ凄い便利!!⟡.·*.』
って思われただろうな‥。

って。
紙の話しかしてませんが笑
点描




この涙の描き方、真似したなぁ(˶ˊᵕˋ˵)
多分、今でもこう描くかも( *´艸`)


ベタフラ




エアブラシ




巨匠相手に何言ってんだですが。
天才的に上手い。
上手すぎる。
当たり前なんだけど。

やっぱアナログって最高だなって思う。

上手い人が描くと、好きなところに理想的な効果を自分にしか表現出来ない手法で施す事が出来る。

効果にも手癖ってあるからね。
当たり前なんだけど、絵柄に合った効果を入れられるわけで。
そうすると、1枚の原稿が1枚の絵画のようになる。
昔はそれが当たり前だったんだけどね(^_^;)




展示されているのは漫画原稿だけではなく、こんな予告カット的なものも。
こんなちっさいのに描いてたんか( º言º)
しかもカラー!!!!!!( º言º)
(モノクロ予告カットも展示されていた)

小さいと小さいなりに、ギャグにならない程度にデフォルメされていて。
それがまた可愛い。

もうマジで、当時の『りぼん』ではぶっちぎりで面白くて可愛かったもんな。

展示されていたのは、完成原稿だけでなく。
ラフ画も⟡.·*.




付録のラフ画も⟡.·*.




『ときめきトゥナイト』の付録はいっつもいちいち可愛かった。
大好きでした。

そんな『ときめきトゥナイト』の付録には、少々思い出がありまして。
それを鮮明に思い出してしまいました。

私は中学生から、『りぼん』に投稿していて。
普通ならもう『りぼん』は卒業している世代だったのかも知れないのに、全然普通に読んでいました。

で。
中2の頃に、『ときめきトゥナイト』の紙袋が付録に付いていた事があって。
前述しましたように、『ときめきトゥナイト』の付録は大好きで毎回とても可愛かった。
しかもその紙袋が、家庭科で使うお裁縫箱にシンデレラフィットしまして。
喜んで学校に持参していました。

家庭科の授業中、その紙袋からお裁縫箱を出して。
紙袋も机の上に置いて。
ちょっと席を離れ(何をしに行ったのかは忘れましたが)、戻ろうとした時。

クラスのイケてる系の女子が、私の紙袋を指差してクスクス笑っているのを見てしまいました。
『何これダサくない?笑』
『漫画の付録じゃない?笑』
と、口には出さないものの、彼女らの目がそう言っていました。

凄く可愛くて、お気に入りで使っていたのだから。
今思えば、誰がどう思おうとそのまま使ってれば良いのにって思いますが。
当時の私にはそんな風には思えなくて。
翌日から、当たり障り無さそうな巾着にお裁縫箱を入れ替え。
ボロボロになるまで使った紙袋は、家に保管する事にしました。

たくさんの付録のラフ画を拝見しながら、そんな事を思い出していて。

その先には、付録の実物もいくつか展示してたのですが。
なんとその、私がお裁縫箱を入れていた紙袋が展示されていました。




『うわぁぁぁ‥』
と小声が漏れ、涙が溢れました。

今見ても、とても可愛い。
あの時、自分の『好き』を貫かずにごめんなさい。
あまつさえ、私は『りぼん』に投稿していた。
そこでプロになりたいと。
漠然とではあるものの、それを目標にしていたくせに。

『ときめきトゥナイト』が『りぼん』が、好きである事を誇りに思わなくてごめんなさい。

この紙袋の前で、暫く立ち尽くしてしまいました。
でもなんか。
この紙袋に再会出来て‥なんか良かった。
何十年も経ってしまいましたが、向き合えて良かった。
そう思いました。


なんていう、どーでも良い思い出話を挟んでしまいましたので(^_^;)
また一区切りしますすみません(^_^;)