NHK総合で、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021~2022年放送)を再放送している。
先日、主人公の”雉真(きじま)るい”が成人として本格登場した。
本放送の時はこの回から見始めている。
改めて見て、パッと思った。
1978年前後の岩崎宏美さんによく似ている、と。
顔立ちは正直あまり似ていないのだが、ストレートのロングヘア、すきまなくおろしている前髪はまさしく「ヒロリン・カット」。
それ以上にたたずまいが、当時の岩崎さんの歌に通じている。
舞台は1962年、雉真るいは17歳。
岡山市の繊維会社社長の家に生まれたが、父親(社長の息子)は自分が生まれる前に出征して戦死している。
幼いころは母親に育てられていたが、その不注意により、額に大きな傷を負わされている。
母親は諸事情により、るいが6歳の時に別れて渡米した。
るいは、唯一の後ろ盾だった祖父の逝去を機に岡山を離れ、大阪で心機一転、新しい暮らしを始めようとする。
大阪に来たるいは、明るい色のワンピースを買い、ミュージカル風にウキウキと踊り始める。
♪両手を広げて、足りないくらい~を思い出す。
るいは、百貨店の面接で前髪を上げるように指示されるが、それに応えられず辞退してしまう。彼女にとって厚い前髪は、自我を守るために必要不可欠なものだった。
偶然出会った、クリーニング店の夫婦が温かく迎える。
一緒にテレビの演芸番組を見ているうちに、るいの目から涙があふれる。
「すみれ色の涙」と思った。
母親が大好きで、だけど淋しくて憎み、さよならを言ってしまった…。
今はどうか知らないが、岩崎さんはかつて熱心な「朝ドラファン」で、当時の夫氏と毎日欠かさず見ていたという。コンサートで「連続テレビ小説主題歌メドレー」を披露したこともあったらしい。私は普段朝ドラは見ない主義で、『カムカムエヴリバディ』は例外だったゆえ、曲目を見ても全然ピンと来なかったけれど。本作もご覧になっていただろうか。
SNSでは熱心な「カムカムファン」が毎日あふれんばかりの投稿をしているが、視聴者の主力は私よりいくらか若い世代と思われる。岩崎さんのヘアスタイルに似ていると言っても多分通じないだろうから、あえてここに書く次第である。