お客様企業のベストスコア更新に寄り添う「経営キャディ」の猪子です。
何も考えずにドライバーを握りしめティーグラウンドに立つとき、OBは密かに口を開けて待っているのである。Inoko Daisuke 1985~
「Out of Bounds」(アウトオブバウンズ):略称「OB」
それは敬虔なゴルファーであればあるほど希望や楽しさを奪われ、費やした時間と金とを無駄に帰させしめ、捧げた情熱の倍以上もの徒労感のみを惹起させる所業。しかるに、掲げたスコア目標など鼻で笑うべきものとの自棄的な認識を強制させながら、ゴルフ場からの帰路における全クラブ売却ならびに遊戯からの撤退をも脳裏によぎらせる恐ろしい規則である。
「良いスコアを出すためには、とにかくOBを避ける必要がある。」
こういった定説がゴルフにはあります。
この定説には大いに賛成でありますが、なぜOBを避けるべきなのかについて私なりに書いていきます。
''OB1回につき、上がったスコアに+2をすればいいのだ'’
多くのアマチュアゴルファーは、OBをそのように単純化して認識しているのではないでしょうか。
スコアの数え方に関していえばそれでも結構でしょう。
しかしながら、自己ベストのスコアを目標とする場合、その「内訳」を把握し、OBとスコアとの関連性を認識する必要があるというのが私の持論です。
まず、OBの「内訳」です。これは、3つの要素に分解できます。
①OBの原因となったショット(これはペナルティでなく「ただの1打」であり当然カウントされる打数)
②OBエリアにボールが入ったことによるペナルティ(「1打罰」)
③OBの原因となったショットを打った位置から再度打ち直し
すなわち、実はOBというのは「2打罰」ではなく、「1打罰」かつ「その地点からの打ち直し」の複合ということが認識できます。こうしてみると、上述の「OBは単純にスコアを+2する」とは全く違うことが見えてきます。
なお、いわゆる「池ポチャ」との違いは、「打ち直しの場所」(「その場」か「池に入った後方の飛球線上」か)になります。
次に、OBの3つの要素が持つ意味は、下記のとおりです。
①OBの原因となったショットを無かったことにはできない
=その失敗に対する改善をしなければ、同じことを繰り返す。
②ペナルティにより「実際には打っていない1打」を計上される
=「実際に打つ」という経験からのフィードバックを得られないため、経験値の増加に寄与しない。
③ゴールであるカップインに向けた前進が全くない
=目標達成に文字通り1ミリも寄与しない。
加えて、たった数秒前に失敗したのと全く同じ地点からやり直しをするにも関わらず、再度の失敗は絶対に許されない。
さて、このようにOBを要素分解し、それらがスコアとの関係において持つ意味を認識すると、
「良いスコアを出すためには、とにかくOBを避ける必要がある。」という定説は嫌と言うほど胸に突き刺さってきます。
経営キャディとして、このOB論の考え方は、経営者がなすべき経営判断に大いに転用できるように思っています。