この季節になると、思い出す風景があります。
渋谷のセンター街を抜けた辺りにある、
某ファーストフード店にて。
わしの隣に、若いカップルが座りました。
なんとなく女性の方が元気が無い様子。
付き合って長いんだろうなー、
だからマンネリしてるんかなー、なんて
勝手に想像しつつ、本を読むフリをしながら
カップルの様子に集中。
男性が、「ポテト食う?」と、彼女に話しかけます。
が、彼女は、首を横にふるだけです。
彼が、「どうしたの、無口になって?」
彼女は、やっぱり首を横にふるだけです。
彼は、彼女の頭をぐしゃぐしゃ、となでて
「を~い、元気ないぞぉぉ??どーしたんだよぉ~?」
彼女は、「ううん、別に」とちょっと寂しそうな顔で。
彼は「そっか・・。(話題をかえて)
この雑誌のこれ、面白いねー」
等と、いろいろ話しかけるのですが、彼女は、
どーにもこーにも、心が他の所にあるようです。
わしは本を読むフリをしながら、
んがぁぁ~ガンバレ~!!ガンバレ彼氏~~!!(><;;
と応援してました。と、同時に、彼女にも感情移入してました。
彼女はおそらく、彼を嫌いではないのだ。
だが、もう、好きでもないのだ。
ただ、何かを待ち続けているように感じました。
彼は、あれこれ話を考えて、彼女に話を振るのですが、
相変わらず彼女は、首を横にふったり、そうだね、
と軽く答えるだけでした。
きっと泣き出したいのは彼氏も彼女も同じなんだろう・・。
ふと、彼が「行こうか。」
そして今までけだるそうだった彼女は、無言で、
素早く立ち上がりました。
あっという間に、わしの隣の席は店員に片づけられました。
誰が悪い訳でもなく、どうにもならない時ってあるよなぁ・・。
わしは暫く、本を読むフリをしたまま、ぼーっと考えてました。
こんな瞬間は、
ある日ふわりとやってくる。
愛おしさと切なさを織り交ぜながら。
でも、全部ひっくるめて。
味わいながら、食べていくんだ。
…10年位前にネット上で書いたモノの転載です。
懐かしいなぁ。
そうそう、私小学校の頃から日記だけはつけてたんです。
暗かったんで笑。
時々この日記の中の彼らのことを思い出します。
私ね、きっと彼ら、なんだかんだ言って、
一緒になってる気がするんです。
なんとなく。
いろんな形があるけれど、
それでいいんだと思う。
名前も知らないけれども。
顔も忘れてしまったけれども。
今も東京のどこかで暮らしているであろう彼らに、
スタンディングオベーションを贈ります。
こっそりと。
