魔法の秘密基地。 -9ページ目

昨日

昨日は無駄に傷付けられた。
“実家帰るしもう会わないかもなー”と思って前に“色々あった男の人”とご飯に行った。何も考えてなかったのだ。

彼はもう結婚して一児のパパだ。何故かラウンジバーに行き、飲めない筈なのにめっちゃ飲んでいた。
危険を察知した。
案の定、帰れないだ私の家に行くだ歩けないだ言い出して下ネタ連発。過去に二人の間にあった色んな事を喋る、喋る。触ってくるし、久々に鳥肌たってしまった。

しまいには“やらせろ”。
あー、30にもなってこんな事言われるんだ。目が覚めたよ。
クソみたいな女ですよ、どーせ。私ね、家族の話とか子供の話とか自慢話聞きたかっただけなんすよ。やっと出来た子供だったし。意外に人の幸せ話好きみたいでね。

それにそーゆーの、もう飽きた。
結局それから2時間位押し問答を続けてへとへと。

自分の女としての見られ方もよく解ったし、何より男性不信になりそうだ。敷居が低く、股が緩そうで、頭も弱い女なのだ。
あーもー嫌になってきちゃった。

私も悪いんだけどさ、気持ちよくさよならしたかったな。
もう2度と会うことはないし。

頭の整理

会社を辞めるぞ。
約1ヶ月後。

震災恐怖だったぞ。実家に帰ったからって何時何処で遭うか解らないし気休めにはならないけど。
私が恐れていたのは何だったんだろう。
暫く考えていたけど母親の事がずっと気になっていた事に気付く。

うちの父は自宅の物置小屋で見付かった。
警察には私が電話をして、仕事に出ていた母親に電話した。
“あっそう、一時間位したら帰るわ。”
まるで夕食が出来たから帰るようなテンションと声色だった。

帰宅して父の首もとを見つめ、ひとつ、深く、暗い、長い、溜め息をついた。

2年経って今度は叔父が、つまり母親の弟が海で見付かった。
母親は完全に取り乱していた。1週間泣きながら探し回ったそうだ。今でも時々その海に足を運んでいるようだ。

元々気が強く、喧嘩をすると血まみれにする位父を殴っていた。怯える事も、口で負ける事も、まず無い。口癖は“殺すぞ”。

私の7歳からの母親なので私と出会うまでの事が気になった。
“まさか…カタギじゃないんじゃ…”
高校の授業参観の時に皆が
“893が来てる!”
と言うので見に行った。
紛れもなくうちの母親だった。オレンジの頭髪にサングラスをかけ、何故かアロハシャツ(和柄)を着ており、当時一歳の弟を片腕で抱え煙草を吸いながら4WDの車から降りてきた。

何故、今日その格好で来たのだ。もっとなんかあるだろ。

そんな母親に私を探させるワケにはいかないのだ。それが一番でかい原因になっていた。

とは言え、やはり退屈な日々になるだろう。
会社は辞めるにしても、実家に帰るのは迷った。
せっかく東京の街中で見る花の美しさが解りはじめたのに。
せっかく包み隠さず仲良く出来る友人ができたのに。
せっかく愛情がなんなのか解りはじめたかもしれないのに。

そんな迷いを打ち消すために引っ越し業者に電話して、不動産屋で解約手続きをした。
あと1ヶ月である。
ポピーも観たい。
パンダも観たい。
牡丹も観たい。
クレーも観たい。
後悔しない人生なんてない。そんなの綺麗事だ。
ただ後悔は減らす事は出来る。

鼻血

今日、朝から鼻血を出した。
朝イチ鼻血は初めてだったので驚いたし、何より綺麗だった。厳かに咲く曼珠沙華のようだった。
あぁ、今年は花をたくさん見に行く為に花言葉辞典を買ったんだった。

花言葉は“悲しき思い出”。
あぁ、何故。


早くこのお通夜モードを何とかしたい。人といる時は元気でいられるけど、一人になると全然駄目だ。全身が浮腫み、痺れ、熱が下がらない。
一人で食べる時は無理矢理ご飯をかきこむ。痩せたら悲壮感が漂うので気持ち悪くなるまでおやつも食べる。

少しでもいいから寝る。
うんこもする。

強く生きて支える側の人間にならなければ、と思う。“東京が貧乏になったっていい、国が立ち直るなら。皆で肩組み直していこう!”と都知事は言った。心が震えた。笑顔を見る度にごめんなさい、と思う。何とかオール前向きになろう。嘘でもいいから元気にしてよう。募金箱に毎日お金を入れよう。向こう三年は、毎日。

たくさんの人生が流されて海に還ってしまったのだ。
私は何も出来ない訳じゃないのだ。

もう少しだけ、もう少しだけ、前を向こう。