魔法の秘密基地。 -43ページ目

帰途

イベントの待ち時間、田村隆一の詩を読んだ。
“腐敗性物質”というオカルトみたいなタイトルなんだけど。
“言葉なんておぼえるんじゃなかった”と呟く。

本当にそう思う。沈黙を埋める為にしか存在しないんじゃないか。新聞を読んでも踊るのは衝撃的な文字ばかり。ニタニタと嬉しそうである。綿飴のような言葉はいつも無視される。

ちゃんと拾うからね。待っててね。

けれどそんなくだらない言葉達に救われて生きている。たまに牙を剥くけれど私は確実に、好きだ。
ただ流れていくもの達を眺め、口を開けて立ちつくす。
おぼえるんじゃなかったと思う。

輪廻の果てまでこれは続く。果てなんて無いけど。

ここ一週間家に帰っては泣く。ここまでくるともう日常。
今日は朝から気分が良かったけど、後でツケがまわると良くないから抑えた。

できるだけこっそり泣こう。涙にちゃんと意味を持たせてあげよう。このままじゃ可哀想だから。

@タワレコ新宿

この人に関して私は未だに言葉が見付からない。

黒沢健一さんのインストアイベントに行かせて頂きました。
初めてライブで演るCOUCH も正直CDより良かった。気だるい感じの曲って普通は“何コレ?”と思う位陳腐になる事が多いのに。なんなんだろうな、これ。
残念ながらお姿は全く見えなかった。
握手して頂きました。健'zの時も合わせると3回目だけど全く伝えられない。
ありがとう、だけです。

“Grow”で思わず涙が出て来てしまった。

ずっとずっと“成長”なんてくそったれだと思ってきた。 判を押したようなその言葉に憎しみを覚えたりもした。
意味のない、偽善者みたいな言葉。青臭くて安っぽい言葉。
でも“cast”のインタビューを読んでいると自分が辿っている道は紛れもなく“成長”なんだなぁ、と素直に思えた。
あそこでバイバイして、そこで出会って、ここでまたバイバイして…
大抵自ら選んでいる。
あんなに嫌いだった言葉に安堵した。
不思議だな。
今日はそれを目の当たりに出来て、ほんとに、嬉しかった。
いつか正直に口にすることが出来たならすごく、ずっと楽になれる。

けれど私には時間が必要な気がする。遠回りしかしてない。認めたくは無いけど色んな経験がそうさせている。

雨に濡れそぼる新宿を1人歩いた。

晴れときどき八名信夫

(タイトル、語感が気に入った!)

最近は普段平常心を装ってへらへらしてるけど…
思考がどん詰まりで独り眉間に皺を寄せてる事が多い。だからね、八名信夫。

全てが虚しく思えてしまう。
いつもの悪い癖だ。
気分転換に関内へ行った。約10年前に住んでた場所。今は電車で1時間かかる。
横浜スタジアム側と伊勢佐木町側は雰囲気が全く違うので好き。
馬車道のギャラリーで能面の展覧会を観た。実は去年も同じ展覧会に行った。
狂言は解らないけど、能面を観るのは好きだ。
能面って難しいように思われるけど、そんな事ない。同じ形の面が沢山あるけど、全部違う。
創った人の気持ちと能面の気持ちが共鳴して、ひとつの作品となっているらしい。小面という形がある。女性の顔だけど人によって全く違う。面白い。

観た後に港の見える丘公園へ。
風が強い。
やっぱり海はいい。犬や子供が遊んでいる。雑音を含めて、いい。

気持ち良い潮風の匂いと柔らかな笑い声。
ひとり歩いていると、老人に声掛けられる。今日2度目である。
お父さんと子供が2人遊んでいる。
お父さん、ムキになって子供と格闘。
“かかってこい!”と言いながら、本当に子供を倒した。ジャンプして飛び越した。子供も泣く事もなく、芝生で大暴れ。
幸せってこういう事なんだろうな。

普通の事を普通に思える自分は好きだ。ノリで騒ぐ。
悪態ついて笑い話にする。
傷付くのも傷付けられるのも嫌で下ネタ連発する。
嫌いじゃないけど少し、違う。

最近すごく寂しかったんだと思う。
気付かずに過ごしていた。気付きたくなかったんだと思う。一体その寂しさがどこから来てるのかは解らないけど。

答えが出たのは寂しい時は人から“あなた寂しいわね”って言われるような事をやる事だ。
人に擦り寄ったりしても孤独感は増すばかり。1人ファミレスもしたし、家族しかいない公園で海を眺めた。
風景が、人が愛すべきものに見えてくる。不思議だ。

また疲れたら海を見に行こう。