ロバート・チャールズ・ウィルスン 『連環宇宙』
連環宇宙 (創元SF文庫)/ロバート・チャールズ・ウィルスン

¥1,382
Amazon.co.jp
ヒューゴー賞、星雲賞を受賞した傑作『時間封鎖』から始まり、第二部『無限記憶』を経て到達した三部作の完結編が本書。
前二作のあらすじや感想は説明するのが大変なので、↓をどうぞ。
『時間封鎖』
『無限記憶』
我ながら、『時間封鎖』の感想がテキトーすぎる。
もう少しちゃんと書いたらいいのにと思うが、あの作品はちょっと長すぎて飽きてきてたからあんなに投げやりなんだと思う←
世間的には第一部が一番評価が高いらしいけど、個人的にはそこまででもなかった。(アイディアは素晴らしいけど語りが冗長)
だからなのか、評価が低い第二部『無限記憶』のほうが(地味だけど)楽しく読めて、さらに今回の第三部であり完結編『連環宇宙』は一番面白かった印象である。
そんなわけで第三部は、スピン解除後の地球で精神科医として働く女性サンドラが、保護された少年オーリン・メイザーを連れてきたボース巡査と出会うパートと、そのオーリンが持つノートに書かれていた一万年後の未来のパートで交互に進んでいく。
まるで自動書記のように己の意思ではない何かに「書かされた」そのノートには、一万年後、第二部の登場人物だったターク・フィンドリーが仮定体によって再生され、《ヴォックス》と呼ばれる大移動都市に住み仮定体を神とあがめる人々と出会う物語が書かれていたのだ。ああややこしい。
要は、(作中の)現代パートと、一万年後の未来パートが交互に語られるわけだ。
今言ったように、第二部に出てきたターク・フィンドリー(とアイザック・デュヴァリという少年)がそのまんま(一万年後に再生された肉体だけど)出てくるので、第二部を読んでからこの第三部に取り掛かったほうがいい。
ついでに言うと、そもそもなぜこんなことになったのかが第一部で描かれているので、やはり順番通りに読むのがよろしいかと。
完結編にしてはややスケールの小さい展開が続くなと思っていたものの、終盤になって物語は大きく動き、最終章は圧巻。
まさにSFにしかできない大スケールで一気に畳み込まれる。これぞセンス・オブ・ワンダー。
仮定体とは何者で、なんの目的があるのか。
読者が一番気になっていた謎も、もちろん解明される。
第一部ほどの独創的なアイディアではないものの、三部作を手堅く完結させただけでも凄い。傑作でした。
やっぱ仮定体はそういうやつだよな~。
こう言うのも変だけど、実に現実的だと思う。
SFの楽しみが詰まった三部作の完結編。
まずは第一部『時間封鎖』からどうぞ。(←第二部の感想と同じこと言ってるな……)
連環宇宙 (創元SF文庫)/ロバート・チャールズ・ウィルスン

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ヒューゴー賞、星雲賞を受賞した傑作『時間封鎖』から始まり、第二部『無限記憶』を経て到達した三部作の完結編が本書。
前二作のあらすじや感想は説明するのが大変なので、↓をどうぞ。
『時間封鎖』
『無限記憶』
我ながら、『時間封鎖』の感想がテキトーすぎる。
もう少しちゃんと書いたらいいのにと思うが、あの作品はちょっと長すぎて飽きてきてたからあんなに投げやりなんだと思う←
世間的には第一部が一番評価が高いらしいけど、個人的にはそこまででもなかった。(アイディアは素晴らしいけど語りが冗長)
だからなのか、評価が低い第二部『無限記憶』のほうが(地味だけど)楽しく読めて、さらに今回の第三部であり完結編『連環宇宙』は一番面白かった印象である。
そんなわけで第三部は、スピン解除後の地球で精神科医として働く女性サンドラが、保護された少年オーリン・メイザーを連れてきたボース巡査と出会うパートと、そのオーリンが持つノートに書かれていた一万年後の未来のパートで交互に進んでいく。
まるで自動書記のように己の意思ではない何かに「書かされた」そのノートには、一万年後、第二部の登場人物だったターク・フィンドリーが仮定体によって再生され、《ヴォックス》と呼ばれる大移動都市に住み仮定体を神とあがめる人々と出会う物語が書かれていたのだ。ああややこしい。
要は、(作中の)現代パートと、一万年後の未来パートが交互に語られるわけだ。
今言ったように、第二部に出てきたターク・フィンドリー(とアイザック・デュヴァリという少年)がそのまんま(一万年後に再生された肉体だけど)出てくるので、第二部を読んでからこの第三部に取り掛かったほうがいい。
ついでに言うと、そもそもなぜこんなことになったのかが第一部で描かれているので、やはり順番通りに読むのがよろしいかと。
完結編にしてはややスケールの小さい展開が続くなと思っていたものの、終盤になって物語は大きく動き、最終章は圧巻。
まさにSFにしかできない大スケールで一気に畳み込まれる。これぞセンス・オブ・ワンダー。
仮定体とは何者で、なんの目的があるのか。
読者が一番気になっていた謎も、もちろん解明される。
第一部ほどの独創的なアイディアではないものの、三部作を手堅く完結させただけでも凄い。傑作でした。
やっぱ仮定体はそういうやつだよな~。
こう言うのも変だけど、実に現実的だと思う。
SFの楽しみが詰まった三部作の完結編。
まずは第一部『時間封鎖』からどうぞ。(←第二部の感想と同じこと言ってるな……)