星を食べる男 第31話 「アルザック、そしてハーツ・・・」 | La Table Nagoya Japon 星を食べる男

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特定生産者認定ブルゴーニュワイン大使のお話

 

2013年3月

Arzak、昨日のAkelareにも増して独創的です。

そのせいなのか、「写真とっていい?」

「大丈夫ですが個人使用のみにして下さい。インターネットに載せるとか、そういうことはご遠慮ください」

ロマネコンティに次いで2回目です。利用を制限されたのは。

今回は個人的なメールなので、掲載します(笑)。ご参考にして下さい。

 

まずはアミューズ。4種のものが別々の形で出ました。(①)手前のものなどは潰した空き缶をお皿代わりにしている。「ふ~ん」

次に何やら卓上モニターを目の前に置いたかと思うと、その上にオマールなどが盛り付けられた透明アクリル板のトレイを重ねた。(②)するとモニターでは波打ち際の映像と波の音が流れ、それを見聞きしながら海の幸を味わうという趣向。「ふ~ん」そのあとも器や料理の形状に工夫をこらしたものが盛りだくさん。③

 

 チョコレート、最近は名古屋でも真似する人が出てきた。

なにやら楽しい気持ちになりました。ただ考えようによっては、他店でも取り入れようと思えばできること。常に工夫を探し続けなければならない努力も大変なのだろうと、努力の足りない私は深く反省しました。

 

シェフはもはや70過ぎでしょうか。味を引き継いだ娘が中心となって新しい変化を楽しんでいるようでした。

 楽しい食事が終わり、ちょっとハイな気分でシェフとの写真撮影も無事終了、

「タクシーは?」

「いや車です。裏に停めました」

「ではショーファーで車を前まで・・・。」

「いや大丈夫」念をいれて前向きにおいた車。 

OK、さぁ、帰るか」出てすぐに登り急斜面、そして非常に短いS字、

「ふふ~ん。ここ来るとき結構危なかったんだようなぁ。」ブ~ン。

 「グワッ、ゴベッ」「何だよっ!」あわててバック「ガリガリガリ」

「チッ。またかよ。だから大き目の車はいやなんだよなぁ」

もはやパニックを通り過ぎて落ち着いています。もちろんアペリティフ、白ワイン2杯、赤のハーフ1本飲んだこともあるでしょう・・・。

 

翌日、落ち込みもせず、空港でハーツへ返却、ややかわいいスペイン女子担当員が

「大丈夫でしたか?何か問題はありませんでしたか?」

「あのぅ、ちょっとだけ・・・、ここ・・・。」

彼女はにこやかに一言・・・、「ワァオ!」

 

私のせいじゃありません。必要もない大き目の新車を調達したハーツのせいです。

私のせいじゃありません・・・。

 

 

治らない風邪とともにパリへ戻り、そのままブルゴーニュ・ディジョンへ。疲れた胃をいやすために和食を味わい、翌日、リヨン、ポールボキューズへ。ランチでオマールのスープと舌平目のムニエルの味を確認し、当店での同メニューに自信を持ち、足りないところを確認。そして今回最後の目的、研修先のLAMELOISEへ。