セールしてたので買ってみたAtomic Heart。
WWII後アメリカを超える(と思われる)超大国になったソ連が舞台のシングル用FPSで、まぁトチ狂ったプーチンが暴れている時節柄あまりやりたくはなかったが、最早小国となってしまったロシアとの対比がある意味笑えてブラックジョーク的になっているのが面白いと言えば面白い。
ゲーム本編の評価は、簡単に言うと、「面倒臭さが極まっているが、戦闘の迫力と独特の世界観で佳作と言える面白さは有しているゲーム」。
悪い所を先に述べると、見た目はオープンワールド感があるものの、実際は小さめに区切られた区域内でのプレイで、そのためプレイ時間を引き延ばそうというギミックが随所にちりばめられていて、これがつまらない。
すぐに復活する基本無限湧きの敵、新しい武器アップグレードを入手するために毎回潜らないといけないパズル系ダンジョン、あらゆる場所のドアに付いているため数十回解く事になる退屈かつクソ面倒な開錠ミニゲーム(マジで意味不明)、解体前提と思しきバランスなのに武器作成の度見せられる長いアニメーション、多様な環境機械に比した敵の種類の少なさ(こんなもん作り込むなら敵のバリエーションを増やした方がいい)。
一作目というのもあってか、「いかにプレイヤーを楽しませるか」という基本が分かっていない感がある。
通常だとこういうゲームは特に嫌いでやめるのだが、武器改造を含めた戦闘バランスと世界観が独特で結局最後までプレイできた。
特に世界観は必見の価値あり。
アメリカの大作ゲームは失敗を避けるためか設定等を過去の名作に似せる事が多く、同じようなゲームが続いて食傷気味だったというのもあったが、あまりに斬新過ぎる。
欠点はあるが半額ぐらいのセールだったら文句無く買いと言っていい。
戦闘はFPSでありながら意外と長期戦が多いものの、スピードに溢れた絵の描写が素晴らしく、冗長的ではない。
これもなかなか他のゲームには無い要素で、上記のつまらない部分が無く、かつFalloutぐらいのオープンワールドであったら爆発的ヒットになってもおかしくなかったと思う。
今回ある程度のヒットにはなったので、更なるスポンサーと予算が付けば次はもっと規模の大きい(オープンワールド化した)作品が出るかもしれない。
以下におすすめの強い武器と武器のレビューを載せる。
このゲームは作成費用も改造費用も分解すれば返ってくるようになっているので、気軽に新しい武器を試すことができる(これは素晴らしい)。
試験場の武器アップグレードを付けるとかなり強くなるので、基本的にはアップグレードが揃った武器から使っていくのが良い。
ただ全ての試験場を回るのは面倒なので、強い武器に絞るのも手。
一応各武器のネタバレ注意。
このゲームは弾薬作成の費用がかなり高いので、基本的には拾った弾薬で戦うのが良い。
そのため、弾薬が尽きたら他の遠距離武器に作り替えていく。
回復アイテム等の消耗品も拾ったもので十分やりくりできる。(強化や武器改造を怠らなければ)
武器の改造は大きく分けて対生体、対機械に分かれるが、機械の方が種類が多く圧倒的に厄介なので、基本的には対機械である電磁系の能力を取る事をおすすめする。
両方の武器を一丁ずつ持っていけば万全のように感じるが、実際はダンジョンによって出てくる敵の種類がきっぱり分かれている事がほとんどなので、ダンジョン内で都度改造を切り替えれば良い。
対生体、対機械の効果自体がそれほど高くないので、どちらかの系統でゴリ押す事も十分可能。(というかそっちの方が面倒臭く無くて良いかもしれない。その場合はもちろん対機械をおすすめする)
キャラの強化としては、ダメージ耐性、回復アイテム強化、エネルギーゲージ強化、速度強化、バックパック拡張などを優先した方が良い。
■エレクトロ (おすすめ)
初期から使えるエネルギー武器で、ダメージは最終的にはかなり強くなる。
しかし、最も強いのは電磁エミッターで解除されるチャージ攻撃で、右クリックでエイムが出来なくなる代わりに、自分の周囲に大ダメージとスタンを与える事ができるようになる。
これがダメージもスタン時間も非常に強く、囲まれる事が多くなる後半で非常に頼りになる。
■ドミネーター
フルオートタイプのエネルギー武器。反動もブレもかなり強く、使用するのはかなり厳しい。
■レールガン
意外と早く解除されるエネルギー系スナイパーガン。アップグレードは無し。
短いチャージ後に撃つ動作がエイムしにくく、ゲージ一本使う割にダメージが低いので、アンロック直後に実弾系メインでエネルギー使用用途が無い状態のサブ武器等の状況でないと使いにくい。
■KS-23
初期武器に近いショットガンで、アップグレードするとかなり強くなる。
余っている弾を使う用途で後半使っても、足を引っ張る事は無い程度の強さを持つ。
特に撃つとエネルギーが回復する効果は他のエネルギー消費系の武器と相性が良い。
短筒な割に弾が散らばらない仕様なのか、右クリックしながら撃つと中距離でも普通にダメージが入る。
■PM (おすすめ)
地味な見た目ながらダメージがかなり強く、優秀なハンドガン。
右クリック時3発同時発射のアップグレードは、反動とクールダウンがある上弾持ちが良くなるわけでも無いので、手放しの強化と言う訳では無い。
中盤以降のために、敵がまばらな前半はPMやカラシの弾を温存した方が良い。
■カラシ (おすすめ)
言わずと知れたカラシニコフ(AK)。
ソ連の象徴とも言える武器が弱いはずも無く、PMと同程度のダメージの弾をフルオートで撃てる強武器となっている。
FPSでAKと言えば高ダメージ高反動と相場は決まっているが、本作では反動もそこまで高くない。
KSと同じく撃つたびにエネルギーが回復するアップグレードがあり、これがかなり強力。
■ファットボーイ
グレネードランチャー。
弾道は結構直進性が高い。
ダメージは高いが、敵が肉薄する事が多い室内では使いにくいし、単発な上リロードも遅く用途に困る武器。
弾倉が3発になるアップグレードが最も遅く手に入るのも使いにくいところ。
後半うじゃうじゃ出てくる敵に余った弾を適当にパなす用。
■スウェード
近接用初期武器である消防斧。
アップグレードで二回攻撃可能になると、回転攻撃時自分で視点を移動させて二回当てる事ができ、これが結構強い。
回転中被ダメージ大幅減のアップグレードもあるためか、敵の群れで雑にグルグルするプレイが可能。
なのだが、果てしなく酔って気持ち悪い(そうでなくてもゲーム制作に不慣れなのか、このゲームは非常に酔いやすく作られている)ので、おすすめできない。
■フォックス
片手斧。
特徴に乏しく微妙。
■パシュテト (序盤おすすめ)
片手剣、というか鉈。
そこそこの攻撃力とスピードがあるためDPSに優れ、かなり強い。
序盤の近接武器におすすめする。
近接は相手に張り付いて周りをグルグル回りながら殴るのが基本だが、この武器は片手という事で体勢を崩しにくいため、特に注意して回りつつ攻撃しなければならない。
アップグレードの回転刃飛ばしはかっこいいのだが強くはない。
■スノーボール (中盤おすすめ)
両手斧という事で敵を崩しやすく、背後から攻撃するとほぼ確定で態勢を崩せる。
が、主に使うのは右クリックの振り下ろしで、これがかなりダメージが高く、ヒットアンドアウェイでこれを当てていくスタイルが強い。
また、序盤の試験場で拾える改造で右クリックが突進攻撃に変わるが、これまた異常な攻撃力となっており更に強くなる。
右クリック押しっぱなしで突進が当たっている最中ガリガリダメージが入る感じなので、敵が壁を背にしていたりしないと全弾入らないが、そもそものダメージがバリ高なので雑魚だと少し触れているだけで溶ける。
プリュシ等も壁と挟めばゴリゴリ削る事ができる。
■ズヴェズドーチカ (後半おすすめ)
大器晩成型の両手メイス。
右クリックで丸ノコ2枚を飛ばせるようになってから本領発揮。
スノーボール以上の異常な攻撃力で全てを粉砕する。
単体向けの攻撃なので、最終的なボス戦は、これで攻撃→エネルギーが尽きたらカラシやKSを撃ってエネルギーを回復→またノコ刃を飛ばすというのが最も強い。
雑魚の集団戦はエレクトロのチャージ攻撃で動きを止めて各個撃破がおすすめ。
■ソート能力
Shokやマステレキネシスなど。
これらはあまり強くなく、ほぼ使わなかったので詳細不明。
Shokはアップすれば範囲攻撃となり、ダメージもそこそこ高くなるので、敵集団に対する一応の攻撃性能は持つのだが、正直連射できないこれに指の動きを使うなら武器で攻撃した方がいい。
ポリマーシールドは強敵戦で使った物の、普通にダメージが貫通されたので利点が分からず。
マステレキネシスは集団戦で使える可能性はある。
本作の戦闘はかなりスピーディなので、これらを使うよりは反射神経と判断力を回避や攻撃に割いた方が良いと思われる。