マツダ アテンザセダン レビュー | 概部記録送致

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マツダのアテンザセダン(25S L Package ガソリン2500cc 新車)を購入したのでレビューを。

いやー、格好良いです。

超エレガント。

普段は車なんかどうでもいい派なのだが、これは欲しくなってしまった。

車で欲しいと思ったの初めてだね。

(適当に撮ったのでセブンの駐車場の写真しかないけど)

 

25Sはガソリンエンジンの最上位モデルでハンドルとかシートが革なんだけど、正直革とか不要だったのだが2500ccのエンジンモデルには強制的に付いてくるらしい。

2000ccのエンジンの加速力が不満でどうしても2500ccにしたかったので仕方無かったのだが。

革外していいから価格下がらない?と言ったけど無理。(まぁ当然だろうけど)

 

総額380万円也。(現金一括)

しかし、ガソリンの2000ccなら200万円台で買えてしまうはず。

こんな高級車然とした車が200万円台で買えてしまうというのが凄過ぎる。

止まってると外車のおっさんとかが大体見てくる(笑)

 

しかし、1~2ヶ月乗ってみるとやはり自動車では小メーカーのマツダ製という事もあるのか、細部の出来がトヨタなんかと比べるとまだまだの所が多い。

それらを下記の通りレビューする。

 

■欠点

 

・加速力が低い

家族がカムリとかプリウスだったのでそれらとの比較になってしまうが、停止からの加速が弱い。トヨタのハイブリッドが優秀なだけかもしれないが。スポーツモードにしてプリウスと同じか僅差で上かなという感じ。カムリの加速とはスポーツモードでも相手にならない。

ディーゼルだとこの辺りは改善すると思う。

ただ、ディーゼルはエンジン音がトラックのような感じでメチャクチャうるさい。まぁこの音もデカイ車とかだとゴツくて恰好良いのだが、これだけエレガントでスマートな外観なのにエンジン音がトラックだと流石にチグハグ感がある。

ディーゼルのCX-5は非常に軽快な機動だったので、音が気にならなければディーゼルエンジンの方が良いかも。

ただ、マツダのディーゼルは故障が多いと聞く(カーボンが溜まる?)のでよく調べてからの方が良いでしょう。機動や加速は非常に良いです。(ただ、高速域ではガソリンの方が上とも)

 

・ギアチェンジ

加速していくとギアチェンジが起きるが、その度に一瞬加速が切れ、ガクッと大きく揺れる。この揺れが結構大きい。また、加速が途切れるので加速力の低さの原因にもなっている。プリウス等の無段変速機に慣れているとかなり違和感があるし、思い通りに加速できないのはイラつく。

まぁ、そこがMTっぽくて良いという人もいるだろうし、マツダの思想的にわざとそうしているのかもしれないが、加速に影響しない範囲に収めてもらいたいところ。

 

・内装の一部が貧弱

内装自体は高級感があって非常に良いのだが、柔らかい部位が多くとにかく傷が付き易い。特にドリンクホルダーの可動式カバーの表面に使われている素材。これが結構他の部位にも使われているが、柔らかめの樹脂で爪で容易に傷が付いてしまう。特にドリンクホルダーのカバーなんて使わない時には閉めておくために付いている訳で、頻繁に開け閉めが起きる=爪等が当たる事が多い部分な訳だが、そういう所に傷が付き易い素材を持ってくるのはどうか。

また、本革のハンドルも簡単に爪で傷が付いてしまった。カムリ、日産ジューク、BMW X-1等ではこんな事は無かったのだが。

それから、貧弱ではないのだが、室内ライト類も軒並み高級感がある中、前部座席ドア内側下部のライトだけはチープな明かりで萎える。ドアを開ける時必ず見える部分なので、しっかりして欲しい。10万払ってでも高級感のあるライトに付け直したい。

 

・マツダコネクトが使えない

マツダコネクトとはナビやオーディオ等液晶画面での操作系のこと。ネット上でも散々言われているのだが、これがとにかく使えない。突然設定が変わったりする。冷房の設定がいきなりデュアル(助手席と運転席別の設定に出来る)オンになったり(これはマツコネの領域ではないけど)。

色々と挙動不審な動作が結構頻繁に起きる。

また、オーディオをオフに出来ないのが気持ち悪い。ミュートには出来るのだが、常に裏で動かしていないといけないようで、燃費が悪化していないか気になる。

それから、ブルートゥースでスマホを繋げる事が出来るのだが、音楽を連携させた場合、エンジン始動後勝手に音楽が再生される(エンジン切る時にミュートにしておけばミュートのままなのだが)。音楽は聴きたい時といらない時があるので勝手に鳴らされるとげんなりする。しかも、スマホで何も音楽をロードしていない状態だとランダムで選曲されるようで、どうでもいい音楽が勝手に鳴らされる。

また、このマツダオネクトの液晶は熱に弱く、夏の炎天下からのエンジンスタート時などは熱さで画面表示出来ない場合が多い。熱さに弱いのならば、トヨタのナビのように操作パネルの中に埋め込み式にして欲しい。最も熱くなるダッシュボード上に配置されているので・・・。

更に、操作がダイヤル式で非常に使いにくい。価格を下げるためだろうが、タッチパネル式に比べると小回りが全く効かない。BMWのX-1もこの方式だったので今の流行りなんだろうか。

 

・思ったより燃費が悪い

鳴り物入りのスカイアクティブだった割にはあまり伸びない。一般道で燃費を意識しない運転だと6.5km/L程度だろうか。高速では8~9km/L程度。燃費メーターを意識した運転、つまり巡航速度に達したらアクセルを弱める、急加速しない等すれば16km/L以上行きそうではある。恐ろしくノロいので周囲に迷惑だが・・・。加速は普通にして巡航速度時に燃費を意識する運転だと迷惑にもならず燃費も12km程度で走れる。

スカイアクティブが本領発揮するのはやはりディーゼルだろうか?

加速も良いし。故障さえ無ければ・・・。

まぁ、2500ccのガソリンエンジンを選んだ時点で燃費については捨てていたので余り気にしてはいないのだが。

 

・サンシェードが自動で戻ってくれない

リアガラスにはスモークが弱めな代わりに電動式のサンシェードが付いているのだが、ギアをバックに入れると視界確保のためか自動で解除されるようになっている。そこまでは良いのだが、バックを解除しても自動でサンシェードがオンになってくれないのが困る。大体サンシェードやスモークは後方車のライトやうざい煽りをシャットアウトするために常に付けている事が多い訳で、バックに入れる度に一々ボタンを押して再展開するのは面倒臭過ぎる。

余りに面倒なので、展開した状態でエンジンを切り、サンシェードのヒューズを抜いてしまった。(ネットで検索すると出てくる。助手席左下方にヒューズボックスがある)

 

・アクティブ・ドライビング・ディスプレイが邪魔

アクティブ・ドライビング・ディスプレイとは運転席前方に立ち上がる、現在速度などの情報を投影してくれる最近流行りの小さいディスプレイの事である。これは完全に人によるのだが、自分としては邪魔なのだ。結構濃いスモークが入っているので、これが前方に立ち上がっていると運転中気が散って仕方が無い。また、前方の景色をゆったり眺めながら運転出来ないのが不満なのである。これもX-1と同じだ。フロントガラスに直接投影する方式なら良かったのだが・・・。

これはヒューズ等で簡単に切れないらしく、どうしようか悩んでいる。やはり邪魔と思う人が結構いるのか、手動で立ち上げを制御出来るスイッチがサードパーティから売り出されている。それを買ってディーラーで付けてもらおうかと・・・。ただ折角の洗練された内装に無粋なスイッチとか付け足したくないのが本音である。

まぁ、このディスプレイは慣れれば慣れるのだが、自分としては無い方が人馬一体の走りを感じられると思うのだが。(前方に集中出来る)

 

・BOSEスピーカーが良くない

Lパッケージには標準でBOSEのスピーカーシステムが付いているのだが、これがBOSEのためか低音バリバリで非常に宜しくない。普通の音量で聞いていても30分で耳が痛くなり、まともに音楽を聴いてドライブ出来ない。設定でバスを最小値にしてようやく普通のスピーカーと同じ程度になる(まだ少し強いが)。

何と言うか、マツダは少しこの車を選ぶ層を勘違いしている節がある。ディーゼルのトラック音とかもそうだけど、確かに走り重視の人が選ぶメーカーなのかもしれないが、アテンザ(それもおっさん好みのセダン。俺はそこまでおっさんじゃないが)を選ぶ人は上品さを気に入って乗っている人が多いのではないかと思うので、輩が鳴らすようなスピーカーなど迷惑なだけなのだ。どうせならDALIとかB&Wにしてくれ。いや、輩であってもこのスピーカーで爆音掛けたら100%頭痛で事故る。それ位酷い低音が出る。

 

・ボンネットが長い

スカイアクティブのためか(どうかは不明)、ボンネットが長め。そのため、狭い所で旋回する時は非常に神経を使う。旋回し難い。また、ボンネットの比率が高いためか、全長が長い割にはトランクや後部座席が狭い弊害がある。

 

・タイヤ

これはアテンザ本体とは全く関係無い。

アテンザセダンには標準でブリヂストンのTURANZAが付いているのだが、これがカムリに履かせていたブリヂストンREGNO-GRよりグリップが弱かった。

 

・ドアガードが付かない

これもアテンザの欠点とは言えないのだが・・・。

前面席のドアの形状が丸みが強い事と後部のドアとの隙間が少ないため、ドアガードを取り付けても剥がれてしまう。

乗車回数が多い場合、(オーナーは気を付けていても)同乗者が壁にぶつけてしまったりする事があるのでドアガードは必須だと思う。最近はほとんど見えない物も出てきて便利だしね。

ドアに直接粘着テープを貼るタイプは剥がす時痕が残りそうだから、U字状でドアの内側にテープを貼るタイプが理想なのだが・・・。

現在良い物が無いか探している。

 

 

 

■長所

 

・美しい

これに尽きる。

欠点が幾らあってもそれだけでこの車は総合評価満点である(笑)

欧州の高級車と並べても全く遜色無いどころかアテンザの方が上であると思う。

最近ベンツが非常に美しいフォルムを出していると感じるが・・・。

今の所、世界中でこれより洗練された外観を持つ車は無いのではないか。

魂動デザインが発表された時、「こんな良い車が作れる会社に入りたい」と欧米のデザイナー達がマツダに殺到したという。

日本車でこのようなデザインを出せるという事が誇らしくもある。

 

SUVのようなアクティブな美しさではなく、セダンの持つ上品でエレガントな美しさである。

空力学的な秀逸性から感じる美しさもあると思う。

とにかく恐ろしく洗練されている。

上で述べた通り、乗っているとやたら注目される。

 

・コスパが高い

この美しさでガソリンエンジン2000ccの一番下のグレードであれば200万円台(300万円弱)で買えてしまう。

一番下のグレードでもレーン・キープ・アシストが付いていない程度で安全機能系は完備しているし、俺もエンジンさえ2500ccに出来れば一番下のグレードでいいと思っていた。

電動シートとレーダークルーズは欲しかったが。

外装、内装の高級感はほとんど変わりないし、付けたい物はオプションで付ければ良い。

300万円弱でベンツ、アウディ、BMWに勝る美しい車が手に入ると考えると破格のコスパではなかろうか。

 

・コーナリング性能が高い

これは凄い。

かなりのスピード、角度で曲がっても微動だにしない、まさに地を這っているような安定感がある。

カムリ・プリウス・X-1・ジュークでは味わった事が無い感覚だ。

上述の通り、タイヤに不安があるので、REGNO-GRに変更したらとんでもないスピードで回れると思う。走り屋じゃないのでやらないけど。

 

・運転時に一体感がある

マツダが人馬一体とうたう通り、適切な運転ポジションにシートを設定すると車との一体感がある。

前方、左右の流れる景色と車と自分が一体化するような感覚。

ドライブが捗るが、そのためにはシートポジションをかなりこだわって設定しなければならない。

自分は元々シートを寝かせ気味でゆったり乗るスタイルだったので、初めは人馬一体の意味が分からなかったが、マツダのサイトなどを参考にシートを立ててハンドルに近めのポジションに変えたところ、運転の印象が一変した。

ポジションでここまで変わるとは。

 

 

という訳でレビューでした。

 

まぁ・・・、欠点では加速性能についてたらたら不満を述べたが、それは日本車内での相対的な不満であり、結局の所、日本車(もしくはドイツ車)であれば、街乗りの機動性にそこまで大差がある訳では無い。

機動性の平均値が各社一様に上昇したため、機動性の差で車を選ぶことは少なくなり、代わりに外観や運搬性能、乗り心地などで車を選ぶ事が増えたと思う。

例えば、運搬性能ではワンボックス・ワゴンが選ばれ、乗り心地ではトヨタの上級車が選ばれ(カムリ・レクサスなどは加速性能も高いが)たりするのではないかと思う。また、加速や高速性能で尖ったものを求めるならGTRやスカイラインになるだろう。

 

数百万を払って手に入れるのだから、皆自分で納得したものを選びたいはず。

その購入の決め手となるファクターの一つ、「外観」でこれだけの車を日本から生み出せたという事は日本車の未来にとっても明るい種となるのではないだろうか。

 

 

 

購入から一年経過したのでレビューを追加しました。