ここからは君臨について。
君臨するとは、世界を前に動かすこと。
自己主張することでも、多くの人々に愛されることでもなければ
酒池肉林を勝ち取ることでも誰にも文句を言わせないことでもない。
まだ誰も見ぬ世界の未来に、自分を使うことである。
「このジャングルを進もう!」と決めるのは、トップの能動。
しかし、その後に起こるさまざまなハプニングに対応するにはトップに受動が必要になる。
そして、トップは次の休憩所を皆に示しながら、その次のオアシスを見つめている。


君臨①(0161~0170)
【千式】愚か者が人の上に立つ 0161人の上に立つ、という物事は歴然とある。民主主義など関係ない。ちまたに溢れている。だが人の上に立つということを誰もわかっていない。だから心が弱く、気を自己中で使い、美しくもなく、成果だけ学んでる者が、「理解」ではなくプロモーションによって人の上に立っている。
本人がそう思うかどうかは問題ではない。本人は正しいことをしていると思っているが、そのほとんどが自己証明のためのプロモーションで、人に自分を認めさせる行為として行っている。
人の風上にも置けない愚か者に、人の風下に立ちたい愚か者が集まる。見ていられない。
【千式】君臨には条件がある 0162 人を集めるのは割と簡単にできる。その中で自分が中心!になることもできる。そのほとんどで心理を扱うことに長けていればそのポジションは簡単に取れる。だがそれは君臨ではない。技術的プロモーションでしかない。宗教でも自己啓発でもスピでもこの手法はよく使われる。
といって、人のために尽くしたり、善行を行ったり、何かの分野で天才であったりしても君臨はできない。君臨は君臨するべく条件があり、その条件を満たす人格と力が必要になる。
【千式】進みと責務 0163 歴史を読めばTOPとして君臨してきた者のケースが無数にある。ダメなケースもあり良いケースもある。文化の違いを超えて共通項を探すこともできる。
TOPは少なくとも時代、またはその時々の人に関わる物事を進める。大きく人に影響を与えて進める。自力だけで進めることはまずない。他力と共に進める。そして進めていることではなく、その影響下に置かれる人々に対して責任を負う。
進めている物事はトップも人々もコントロールできない。事象になってしまう。そういう事象を進められなければそもそもトップになれないが、コントロールできないものへの背金を負わなければ良いトップにはなれない。
【千式】君臨に個性は不要 0164 多くの人が関わる、コントロールできない事象の進みに対して、君臨する者は責任を負わなければならない。誤った方向に進みそうになれば修正しなければならず、消滅しそうになれば適切に生きる処置を施す。進みに応じて生まれる事象を注意深く観察して次の歩みを決める。
物事と人々に注目する。自己は滅却しなければならない。自分の思い通り、欲求、希望はもちろん、自分の知識の限りを尽くし善行を行うことすら捨てなければならない。物事と人々が自分にならなければならない。個性など君臨に必要ない。
【千式】君臨の能力 0165 君臨と自己滅却はワンセットになる。良いTOPには自分などない。アメリカ型のパワーリーダーはプロモーションの成果であって幻想でしかない。ビジネスなど成功しようと思うならそれでもいいが、事象の元に君臨するには事象そのものになる必要がある。
その生み出し方と運営の仕方を知らなければならない。自力では及ばない物事だから、自力ではなく他力の使い方を駆使しなければならない。組織に詳しく、どのような体制を作るべきなのか?を知らねばならず、そこに参加する特にコアな人を適切に選ばなければならない。
【千式】強みを選ぶ 0166 君臨の能力として最も必要なことは人を選ぶことにある。強みで選ぶ。事象を進めるために必要な人を選ぶ。能力では選ばない。人格もほとんどの場合で関係がない。事象を進めることができる者を選ぶ。それ以外に基準はない。
強みがあっても採用しないのは、君臨する物事を危うくすることがわかっているからだ。その意味で人格者を選ぶ必要はないが、不適格者は絶対に省かなければならない。
また、強みを持った者はどこにでもいるから、採用範囲を限定してはならない。新しいものを生み出し世のスタンダードにするのに枠組みからスタートはしない。
【千式】先駆する 0167 君臨する者は最初から自分が君臨すると知っていなければならないし、そのつもりで進めなければならない。君臨する前、最初、自分が何で君臨できるかを知らなければならない。成功や金儲け、プロモーションで君臨はできない。
時代に先駆け、人に先駆け、自分は何を生み出し標準化できていくか?知り、実践しなければならない。その物事を支持してくれる人を大切にし、その人たちが使いやすいようにし、それがない昔には戻れないようにしなければならない。
【千式】3手先を見て2手先を打つ 0168 先駆した物事がうまく浸透してくる。追い打ちをかけなければならない。追い打ちをかける方法はいくつもある。技法として知らなければならない。技法は多様なものをそのときに合わせて使えばいいが、手は常に2手先を打つ。次の手だけを打つと誰もがそこに集中し先が見えなくなる。2手目を示せば1手目は軽く超えることができる。
同時に君臨する者は3手先を見ておかなければならない。人々が1手目にあるとき、3手先の物事はいくつもある。2手目で誘導し、1手目をクリアにさせると共に、適切な3手目に誘導しなければならない。
少なくとも「手法」から進む道を決めてはならない。
【千式】TOPの仕事は受動 0169 先を見せることはTOPの仕事ではない。よく間違われる。先を作ることがTOPの仕事である。見えない先を作らなければならない。先が見えるはずがない。
見えない先に向かってこうであろう必要な全ての手を打つ。だが思い通りにはならない。予想外の未来が作られる。この出現する未来に応じて手を打っていくことがTOPの仕事の内容になる。この意味でTOPは必ず受動的である。思い通りにならない受動の世界で思い通りにする力が求められる。
当然忍耐強く、的確で、柔軟でなければならない。
【千式】TOPの人格 0170 事象と人々に責任を負い、思い通りにならない物事を受動で修正しながら物事を進める。自己滅却して集中する。当然TOPは冷酷無比でなければならない。鉄の意志でどのようなことがあっても成すべきを為さなければならない。
同時に情に厚く真摯でなくてはならない。でなければ誰もその事業に参加しない。


千里の道はここから始まる~松原靖樹講演会~
日時:1月26日(火)14:00~16:00
場所:目黒柿の木坂パーシモンホール
PC、スマホ申込フォームはこちら|携帯はこちら
