産土神社・産土神・産子(うぶすなじんじゃ・うぶすながみ・うぶこ) | laphroaig-10さんのブログ

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◎産土神社・産土神・産子(うぶすなじんじゃ・うぶすながみ・うぶこ)


人が出生した地、つまり故郷の地を、産土・生土(うぶすな)といいます。生まれた土地の守護神を、産土神(うぶすながみ)あるいは単に産土(うぶすな)と呼び習わしています。古い文献では、本居・宇夫須那・産須那といった字が宛てられたりもしました。自分の故郷の地を守る神社やそこでおまつりされている神様を、自分の守護神として、産土神として信仰するのです。産土神とよく似た言葉として、氏神(うじがみ)という言葉がありますが、こちらは元々その字の通り同じ氏姓を持つ人々の間で信仰された神様のことでした。本来、産土神は土地をもととした地縁的な信仰であり、氏神は血縁的な信仰でした。ですから、しかし、江戸時代以来この両者は混同されるようになりました。自分の故郷の神社のことを氏神と呼んだりします。またこの頃には、産神を信じる人々のことを、産子(うぶこ)と呼んだり、現在初宮参り(はつみやまいり)とか氏神参りといわれているお参りを、産土参(うぶすなまいり)と呼ばれたりしました。明治の世となり氏子(うじこ)制度が整備され、公的には産土神ではなく氏神という用語が使われる様になりました。


【参考文献】

「産土神」(宮地直一・佐伯有義監修『神道大辞典』平凡社、昭和十二年)

河野省三「産土詣」(國學院大學日本文化研究所編『神道要語集 祭祀篇二』神道文化会、昭和五十一年

河野省三「産土社(産須那の神)」(國學院大學日本文化研究所編『神道要語集 宗教篇一』神道文化会、昭和五十二年

落合偉洲「氏子・崇敬会」國學院大學日本文化研究所編『神道要語集 祭祀篇三』神道文化会、昭和六十二年)」

薗田稔「産土神」(『世界大百科事典』平凡社、昭和六十三年)

岩井洋「産土神」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)

薗田稔「産土」(福田アジオ、湯川洋司、中込睦子、新谷尚紀、神田より子、渡邊欣雄編『日本民俗大辞典』上、吉川弘文館、平成十一年

神社本庁教学研究所『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成十六年)

佐野和史「産子」、平井直房「産土神」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)