◎神道の考え方
全国各地には八百万の神(やおよろずのかみ)といわれるほど、多くの神様がおまつりされています。神様をおまつりする色々な神社があり、それぞれにいろいろな伝承が伝えられています。そして、多くの神社には森など自然が残されています。我々を包み込む自然に感謝し、その中に神々の姿を想い、自然との調和を重んじるという神道の考え方が、神社のあり方にあらわれているといえるでしょう。また、神様を敬い祖先を大切にする敬神崇祖(けいしんすうそ)といった考え方もあります。これは神道でいうところの神様が、人々と隔絶した存在である他の宗教の神様とは異なり、我々のご先祖と深いつながりがあることのあらわれです。また、祭りにおいては、清浄さが求められ、祓(はらえ)が行われます。その祓を倫理化した「正直」の精神も神道の考え方といえましょう。
【参考文献】
茂木貞純「よくわかる神話」(『神道と祭りの伝統』神社新報社、平成十三年)
神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成十六年)
真弓常忠『住吉大社教養叢書第二輯 神道の信仰』(住吉大社、平成十六年)