神道と日本 | laphroaig-10さんのブログ

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◎神道と日本



日本固有の宗教のことを、神道(しんとう)とよびます。海外の文化を積極的に吸収し活用する日本人は、宗教の分野においても仏教や儒教を取り入れました。しかし、これにより日本が外来の思想一色に染まったのではありません。逆に外来の思想をとりいれ、比較対象ができたことにより、仏教や儒教などが伝えられる前からあった土着の神(かみ)をまつる宗教的いとなみと、それを支えている生活の習慣が明確に意識されるようになりました。これこそが、神道なのです。儒教や仏教を受容した後も、神様への信仰はそれらの枠組みの中で脈々と続けられました。それゆえ、神道は他の宗教に対して非常に寬容なのです。江戸時代になり、神道をそれ独自のものとしてとらえようとする動きが盛り上がり、明治時代に現在の神道の姿が作り上げられました。外来の思想を受け入れつつ、逆に日本とは一体何なのかを考え、日本というまとまりをより明確にする。このたゆまない動きこそが、神道なのかもしれません。


【参考文献】

「総論」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)

神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成十六年)

真弓常忠『住吉大社教養叢書第二輯 神道の信仰』(住吉大社、平成十六年)

鎌田純一「神道は宗教か」(『神道概説』学生社、平成十九年)