◎神宮大麻の奉製(じんぐうたいまのほうせい)
神宮大麻(じんぐうたいま)を作ることを敬意を込めて、大麻の奉製(ほうせい)といいます。戦前は神宮神戸署(じんぐうかんべしょ)という国の機関が奉製しました。現在は神宮司庁(じんぐうしちょう)の奉賽部(ほうさいぶ)が奉製しています。神宮では、一月八日に大麻暦奉製始祭(たいまれきほうせいはじめさい)を行い、大麻と暦の奉製開始を神様にご報告します。このお祭りでは、皇大神宮のご印鑑である神璽(しんじ)をおして、今年初めての大麻を奉製します。四月中旬には、大麻の材料を初めて切り出す、大麻用材伐始祭(たいまようざいきりはじめさい)が行なわれます。なお、毎週一回大麻修祓式(たいましゅばつしき)が行われ、大麻をお祓い(はらい)しております。奉製した大麻を各地の神社庁に送りはじめるお祭りが、九月十七日の神宮大麻暦頒布始祭(じんぐうたいまれきはんぷはじめさい)です。十二月二十日の大麻暦奉製終了祭(たいまれきほうせいしゅうりょうさい)では、一年の大麻奉製の終了を神様に奉告いたします。
【参考文献】
「大麻」「神宮神戸署」「神宮大麻」(宮地直一・佐伯有義監修『神道大辞典』平凡社、昭和十二年)
鈴木義一「神宮大麻」(安津素彦・梅田義彦監修『神道辞典』堀書店、昭和四十三年)
中西正幸「神宮大麻」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)
中西正幸『神宮大麻の歴史と意義』(神社本庁、平成十年)
神社本庁編『神宮大麻・暦についてQ&A』(神社本庁、平成十年)
矢野憲一「神宮大麻」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)
神社本庁教学研究室監修『神道いろは―神社とまつりの基礎知識―』(神社新報社、平成十六年)