◎青和幣、白和幣、木綿(あおにぎて、しらにぎて、ゆう)
麻布・絹布、あるいは未だ織り上げていない麻や絹を総称して和幣(にぎて)とよびます。「にぎて」とは神様の御心を和めるための料(捧物)の意味です。もともとは、木の繊維で織った帛(はく)を和幣といったようです。麻で作った和幣は多少青みがかっていたため青和幣(あおにぎて)、穀(かじのき)の樹皮などをもとにして作った和幣は白かったため白和幣(しらにぎて)とよんだといいます。また、穀(かじのき)あるいは楮(こうぞ)の繊維を蒸して水にさらし、細かにさいて糸としたものを木綿(ゆう)といいます。これも、幣(ぬさ)としてお祭りのときに榊(さかき)にかけて垂らしたり、神職が襷(たすき)として身につけたりします。
【参考文献】
「青和幣」「白和幣」「木綿」「和幣」(宮地直一・佐伯有義監修『神道大辞典』平凡社、昭和十二年)
高沢信一郎「白和幣」(安津素彦・梅田義彦監修『神道辞典』堀書店、昭和四十三年)
井上順孝「和幣」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)
青木紀元「和幣」(薗田稔・橋本政宣編『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)