◎手水舎(てみずや)
手水(てみず・ちょうず)とは手を洗う水のことをいいます。あるいは、手を洗う行為自体を手水といいます。神社にお参りしたり神様をお祭りするためには、身も心も清らかでなければなりません。そのため、体を洗いそそぐ禊(みそぎ)をしたり、お祓(はらい)をうけたりします。禊を簡単にしたのが手水です。一般に神社には、(本澤注…水鉢だけの神社も多くありますので修正しました。)屋根と柱の建物の中に流水を満たした手水鉢(ちょうずばち)が据えられ、柄杓(ひしゃく)が備え付けられた建物、手水舎があります。手水の作法は次の通りです。右手で柄杓を持ち左手を洗い、次に柄杓を左手に持ち替え右手を洗います。次に再び右手に柄杓を持ち、左手の手のひらに水を受け、口をすすぎます。最後に柄杓を立てて、自分が使った柄杓の柄(え)に水を流し、もとのところに伏せて置きます。神宮の内宮(ないくう)では五十鈴川(いすずがわ)で手を濯ぎますが、そのような自然の流水も含めて御手洗(みたらし)と呼びます。
【参考文献】
森瑞枝「手水舎」(國學院大學日本文化研究所編『神道事典』弘文堂、平成六年)
佐野和史「御手洗」(薗田稔・橋本政宣『神道史大辞典』吉川弘文館、平成十六年)
「第八編手水」(神社本庁『神社祭式行事作法典故考究』大和文庫、平成五年)